Part5で「big」「large」「great」「huge」の4つから選ぶとき、「全部『大きい』って意味だけど、どれが正解?」と迷ったことはありませんか?
同義語・類義語の問題が出てくると、「意味は似ているけど微妙に違う」「文脈でどう判断すればいいの?」と悩んでしまうこと、ありますよね。
実は、同義・類義語の見分けは3つの類似レベルと5つの判断基準をマスターすれば、30秒以内に確実に正解できるようになります。
今回は、年間約6-7問出題されるこの高度な分野を完全攻略して、上級レベルの得点力を身につけていきましょう。
同義・類義語の基本を理解しよう
同義・類義語を簡単に説明すると、「意味の重なり具合」によって分類される語彙の関係です。
例えば、「始める」という意味の語を考えてみてください。 完全同義:start = begin(ほぼ100%同じ) 部分類似:start ≈ commence(文脈によって使い分け) 文脈的類似:start ∼ initiate(特定の文脈でのみ類似)
TOEICでは、この微妙な違いを文脈から判断する能力が問われるんです。
Part5での出題パターン
同義・類義語は、Part5で年間約6-7問出題されます。
主な出題パターンは以下の5つです。
パターン1:完全同義語の選択問題
基本的に意味が同じ語から、文脈に最も適切なものを選ぶ問題です。
例題:
The company will _____ its operations next month.
(A) start
(B) begin
(C) commence
(D) initiate
正解は(C)です。 ビジネス文書では「commence」が最もフォーマルで適切だからです。
パターン2:部分類義語の選択問題
意味が重複する部分はあるが、使用場面が異なる語から選ぶ問題も頻出します。
コロケーション(語の組み合わせ)が重要な判断材料になります。
パターン3:程度の違いによる選択問題
同じ方向性だが強さや程度が異なる語から選ぶ問題もあります。
「big → large → huge → enormous」のような段階的な違いです。
パターン4:レジスター(使用域)による選択問題
フォーマル度や専門性の違いによる語彙選択を問う問題もあります。
ビジネス文書には適切なレベルの語彙を選ぶ必要があります。
パターン5:コロケーションによる選択問題
特定の語との組み合わせで決まる慣用的な表現を問う問題もあります。
「make a decision」vs「take a decision」のような違いです。
3つの類似レベルをマスター
語彙の類似性を3つのレベルで理解しましょう。
レベル1:完全同義(95-100%の意味重複)
基本的に交換可能な語
- start = begin
- end = finish
- help = assist
- buy = purchase
- show = display
使用例
The meeting will start/begin at 2 PM.
(会議は午後2時に始まります)
選択基準
- フォーマル度
- 文書の種類
- 相手との関係
レベル2:部分類義(70-95%の意味重複)
文脈によって使い分けが必要な語
- big ≠ large ≠ great
- look ≠ see ≠ watch
- say ≠ tell ≠ speak
- get ≠ receive ≠ obtain
使用例
a big problem(日常的な問題)
a large company(企業規模)
a great opportunity(素晴らしい機会)
選択基準
- コロケーション
- 文脈の具体性
- 感情的ニュアンス
レベル3:文脈的類似(40-70%の意味重複)
特定の文脈でのみ類似する語
- run(経営する)≈ manage ≈ operate
- address(対処する)≈ handle ≈ deal with
- implement ≈ execute ≈ carry out
使用例
run a business(事業を経営する)
manage a project(プロジェクトを管理する)
operate a system(システムを運用する)
選択基準
- 専門性
- 対象の性質
- 行為の具体性
5つの判断基準をマスター
適切な語彙を選ぶための5つの基準を詳しく見ていきましょう。
基準1:コロケーションの制約
固定的な語の組み合わせ
make a decision(決定を下す)
× take a decision
× do a decision
heavy rain(激しい雨)
× strong rain
× big rain
strong coffee(濃いコーヒー)
× heavy coffee
× powerful coffee
基準2:フォーマル度の適切性
カジュアル → フォーマルの順序
- help → assist → facilitate
- start → begin → commence
- buy → purchase → acquire
- end → finish → terminate
基準3:具体性・抽象性の程度
具体的 → 抽象的の順序
- look → see → observe → perceive
- walk → move → proceed → advance
- talk → speak → communicate → discourse
基準4:感情的ニュアンス
中立 → ポジティブ → ネガティブ
- thin → slim → skinny
- cheap → inexpensive → bargain
- old → elderly → ancient
基準5:専門性の程度
一般的 → 専門的の順序
- sickness → illness → disease → pathology
- study → research → investigate → analyze
- fix → repair → restore → rehabilitate
間違えやすいポイント
日本人学習者が特に間違えやすいのは、以下の点です。
- 日本語の同義語感覚の適用:日本語で同じ意味だからといって英語でも同じとは限らない
- コロケーションの無視:語の組み合わせルールを考慮しない
- 文脈の軽視:文書の種類や相手を考慮しない
特に日本語の同義語感覚の適用は、多くの人が見落としがちです。
確実に正解するための判断フロー
では、実際の解き方を見ていきましょう。
ステップ1:コロケーションをチェック
前後の語との組み合わせが自然かを確認します。
ステップ2:文脈のフォーマル度を判断
ビジネス文書か日常会話かを判別します。
ステップ3:語のニュアンスを比較
感情的・評価的なニュアンスの違いを考慮します。
ステップ4:専門性の適切さを確認
一般的表現か専門用語かを判断します。
練習問題にチャレンジ
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
問題1:The CEO made a _____ to expand the business internationally.
(A) choice
(B) decision
(C) selection
(D) option
考えてみてくださいね。
正解は(B)です!
「make a decision」は固定的なコロケーションです。「make a choice」も可能ですが、ビジネス文書では「decision」がより適切です。
問題2:The new software will _____ our productivity significantly.
(A) increase
(B) enlarge
(C) expand
(D) extend
正解は(A)です!
「productivity」(生産性)と組み合わせる場合、「increase」が最も自然なコロケーションです。
重要なコロケーション一覧
TOEICで特によく出るコロケーションを分野別に整理しましょう。
ビジネス・経済分野
動詞 + 名詞の組み合わせ
make a profit(利益を上げる)
reach a goal(目標に達する)
meet a deadline(締切に間に合う)
attend a meeting(会議に出席する)
conduct business(事業を行う)
achieve success(成功を収める)
形容詞 + 名詞の組み合わせ
strong economy(強い経済)
fierce competition(激しい競争)
steady growth(着実な成長)
significant improvement(大幅な改善)
日常・一般分野
動詞 + 名詞の組み合わせ
take a break(休憩を取る)
pay attention(注意を払う)
catch a cold(風邪をひく)
lose weight(体重を減らす)
形容詞 + 名詞の組み合わせ
heavy traffic(激しい交通渋滞)
light meal(軽い食事)
deep sleep(深い眠り)
bright future(明るい未来)
実践での瞬間判断テクニック
本番で素早く解くためのコツをお伝えします。
-
固定コロケーションを優先
- 決まった組み合わせがあれば即座に選択
-
フォーマル度をチェック
- ビジネス文書なら、よりフォーマルな語を選択
-
感情的ニュアンスを考慮
- ポジティブ・ネガティブ・中立的な文脈を判断
-
専門性を確認
- 技術的・学術的文脈なら専門用語を選択
レジスター(使用域)による語彙選択
同じ意味でも使用場面によって適切さが変わる例を見てみましょう。
カジュアル → フォーマルの段階
「話す」の段階
chat(おしゃべり)→ talk(話す)→ speak(話す)→ address(演説する)
「見る」の段階
look(見る)→ watch(見る)→ observe(観察する)→ examine(検査する)
「もらう」の段階
get(得る)→ receive(受け取る)→ obtain(入手する)→ acquire(取得する)
ビジネス文書での適切な選択
会議関連
× go to a meeting → ○ attend a meeting
× talk about → ○ discuss
× look at the data → ○ analyze the data
報告書関連
× show the results → ○ present the findings
× big increase → ○ significant growth
× good performance → ○ excellent performance
文脈による意味の変化
同じ語でも文脈によって意味が変わる重要な例を見てみましょう。
run の多義性
run a business(事業を経営する)
run a program(プログラムを実行する)
run out of time(時間が切れる)
run into problems(問題に遭遇する)
take の多義性
take a decision(決定を下す)
take responsibility(責任を取る)
take advantage(利用する)
take place(開催される)
make の多義性
make a profit(利益を上げる)
make progress(進歩する)
make an effort(努力する)
make sense(理にかなう)
まとめ
同義・類義語の見分けのポイントは、「コロケーションを最優先する」「文脈のフォーマル度を判断する」「語のニュアンスを考慮する」「専門性の適切さを確認する」ということです。
この記事で紹介した3つの類似レベルと5つの判断基準を意識すれば、Part5での正答率が確実に上がります。
ぜひ今日から実践して、スコアアップを目指してくださいね!