Part5で「help」と「assist」のどちらを選ぶか迷ったことはありませんか?
外来語と英語固有語の使い分けが出てくると、「意味は同じなのに」「どっちがTOEIC的に正しい?」と悩んでしまうこと、ありますよね。
実は、外来語・固有語の識別は4つの語源パターンと3つの使用レベルをマスターすれば、30秒以内に確実に正解できるようになります。
今回は、年間約3-4問出題されるこの上級分野を完全攻略して、高得点を目指していきましょう。
外来語・固有語の基本を理解しよう
外来語・固有語を簡単に説明すると、「英語に借用された語」と「英語固有の語」の違いです。
例えば、「助ける」という意味を表現するときを想像してみてください。 英語固有語:help(ゲルマン語系) 外来語:assist(ラテン語系)
TOEICでは、ビジネス文書により適したフォーマルな外来語が好まれる傾向があるんです。
Part5での出題パターン
外来語・固有語の識別は、Part5で年間約3-4問出題されます。
主な出題パターンは以下の4つです。
パターン1:同義語のフォーマル度選択
最も頻出するのが、同じ意味の語でフォーマル度が異なる選択肢から選ぶ問題です。
例題:
The company decided to _____ its operations to reduce costs.
(A) end
(B) stop
(C) terminate
(D) finish
正解は(C)です。 なぜなら、ビジネス文書では「terminate」(ラテン語系)が最も適切だからです。
パターン2:専門用語レベルの選択
ビジネス・学術分野特有の外来語を選ぶ問題も頻出します。
一般語より専門的な外来語が正解になることが多いです。
パターン3:語彙の抽象度による選択
具体的な固有語より抽象的な外来語を選ぶ問題もあります。
ビジネス文書では抽象的表現が好まれます。
パターン4:語彙の音節数による選択
短い固有語より長い外来語を選ぶ問題もあります。
多音節の語の方がフォーマルとされる傾向があります。
4つの語源パターンをマスター
英語語彙の4つの主要な語源パターンを整理しましょう。
パターン1:ゲルマン語系(英語固有語)
特徴
- 短い(1-2音節)
- 日常的・具体的
- カジュアルな文脈で使用
重要語彙
- help(助ける)
- work(働く)
- get(得る)
- make(作る)
- give(与える)
- take(取る)
- come(来る)
- go(行く)
パターン2:ラテン語系(外来語)
特徴
- 長い(3-4音節)
- 抽象的・学術的
- フォーマルな文脈で使用
重要語彙
- assist(支援する)
- operate(運営する)
- acquire(取得する)
- create(創造する)
- provide(提供する)
- receive(受け取る)
- arrive(到着する)
- proceed(進行する)
パターン3:フランス語系(外来語)
特徴
- 中程度の長さ(2-3音節)
- 政治・行政・ビジネス関連
- 準フォーマルな文脈で使用
重要語彙
- manage(管理する)
- arrange(手配する)
- change(変更する)
- finance(資金調達する)
- service(サービスする)
- purchase(購入する)
パターン4:ギリシャ語系(外来語)
特徴
- 非常に長い(4-5音節)
- 学術・技術専門用語
- 高度に専門的な文脈で使用
重要語彙
- analyze(分析する)
- organize(組織する)
- emphasize(強調する)
- categorize(分類する)
- optimize(最適化する)
3つの使用レベル
語彙の使用レベルを3段階で理解しましょう。
レベル1:日常語(ゲルマン語系中心)
使用場面
- 日常会話
- カジュアルなメール
- 社内の親しい同僚との会話
代表例
- help, work, get, make, give
レベル2:標準ビジネス語(フランス語系・ラテン語系)
使用場面
- ビジネスメール
- 会議・プレゼンテーション
- 社外とのやりとり
代表例
- assist, manage, arrange, provide, purchase
レベル3:専門・学術語(ラテン語系・ギリシャ語系)
使用場面
- 公式文書
- 学術論文
- 契約書・法的文書
代表例
- facilitate, implement, optimize, analyze, categorize
間違えやすいポイント
日本人学習者が特に間違えやすいのは、以下の点です。
- カジュアル語の過度な選択:日常会話の感覚でhelpやgetを選んでしまう
- 語源の混同:ラテン語系とフランス語系の区別ができない
- 文脈の無視:文書の種類に関係なく同じレベルの語を選択
特にカジュアル語の過度な選択は、多くの人が見落としがちです。
確実に正解するための判断フロー
では、実際の解き方を見ていきましょう。
ステップ1:文書の種類を確認
メール、報告書、契約書などの種類を確認します。
ステップ2:語彙の音節数をチェック
短い語(1-2音節)より長い語(3-4音節)の方がフォーマルです。
ステップ3:抽象度を判断
具体的な語より抽象的な語の方がビジネス文書に適しています。
ステップ4:専門性を考慮
より専門的・学術的な語の方がTOEICでは好まれます。
練習問題にチャレンジ
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
問題1:The board will _____ the merger proposal during tomorrow's meeting.
(A) look at
(B) check
(C) examine
(D) see
考えてみてくださいね。
正解は(C)です!
取締役会という公式な場面なので、最もフォーマルな「examine」(ラテン語系)が適切です。
問題2:We need to _____ our marketing strategy to increase sales.
(A) change
(B) alter
(C) modify
(D) shift
正解は(C)です!
ビジネス戦略の文脈では、「modify」(ラテン語系)が最も適切な専門用語です。
語源別重要語彙リスト
TOEICで特によく出る語源別の重要語彙を整理しましょう。
ゲルマン語系(日常語)
動作動詞
- help → assist
- work → operate
- get → acquire/obtain
- make → create/produce
- give → provide/supply
状態動詞
- know → understand/comprehend
- think → consider/contemplate
- feel → experience/perceive
- see → observe/examine
- hear → listen/perceive
ラテン語系(フォーマル語)
ビジネス動詞
- facilitate(促進する)
- implement(実施する)
- demonstrate(実証する)
- communicate(伝達する)
- coordinate(調整する)
学術動詞
- analyze(分析する)
- evaluate(評価する)
- investigate(調査する)
- collaborate(協力する)
- constitute(構成する)
実践での瞬間判断テクニック
本番で素早く解くためのコツをお伝えします。
-
音節数をカウント
- 1-2音節 → カジュアル
- 3-4音節 → フォーマル
- 5音節以上 → 学術的
-
語尾をチェック
- -ate, -ify, -ize → ラテン語系(フォーマル)
- -ing, -ed → 固有語の可能性
-
文脈の専門性を判断
- 技術・学術 → ギリシャ語系
- ビジネス → ラテン語系
- 日常業務 → フランス語系
ビジネス文書での実例
実際のビジネス場面での語彙選択を見てみましょう。
契約書・公式文書
The parties shall implement the provisions specified herein.
(当事者は、ここに規定された条項を実施するものとする)
ビジネス報告書
We will analyze the market trends and provide recommendations.
(市場動向を分析し、推奨事項を提供いたします)
社内メール
Please coordinate with the IT department to arrange the training.
(IT部門と調整して、研修の手配をお願いします)
語彙レベルアップの戦略
より高いレベルの語彙を使いこなすための戦略をお伝えします。
段階的レベルアップ
基本語の確認:ゲルマン語系の基本語を完全習得
2.
ビジネス語の習得:ラテン語系のビジネス語彙を覚える
3.
専門語の理解:ギリシャ語系の専門用語を学習
語源学習法
- 接頭辞・語根・接尾辞のパターンを覚える
- 語族でまとめて覚える
- 同義語のレベル差を意識する
まとめ
外来語・固有語の識別のポイントは、「語源パターンを理解する」「使用レベルを区別する」「文脈に応じた適切な選択をする」ということです。
この記事で紹介した4つの語源パターンと3つの使用レベルを意識すれば、Part5での正答率が確実に上がります。
ぜひ今日から実践して、スコアアップを目指してくださいね!