Part5で「希望する」の意味で「hope」と「hoping」のどちらを選ぶとき、音韻構造の違いを意識したことはありますか?
開音節・閉音節の問題が出てくると、「音の違いが語彙選択に関係あるの?」「発音パターンをどう活用すればいいの?」と悩んでしまうこと、ありますよね。
実は、音韻構造の理解は3つの基本パターンと4つの語形変化ルールをマスターすれば、音韻的な手がかりから正解を導き出せるようになります。
今回は、年間約2-3問出題されるこの専門分野を完全攻略して、他の受験者に差をつけていきましょう。
開音節・閉音節の基本を理解しよう
開音節・閉音節を簡単に説明すると、「音節の終わり方による分類」です。
例えば、「hop」と「hope」の違いを考えてみてください。 閉音節:hop(子音pで終わる)→ hopping(子音を重ねる) 開音節:hope(無音のeで終わる)→ hoping(eを取って-ing)
この音韻構造の違いが、語形変化や語彙選択に重要な影響を与えるんです。
Part5での出題パターン
音韻構造に関する問題は、Part5で年間約2-3問出題されます。
主な出題パターンは以下の4つです。
パターン1:語形変化における音韻ルール
最も頻出するのが、語形変化の際の音韻ルールを問う問題です。
例題:
The company is _____ to expand its operations overseas.
(A) plan
(B) planing
(C) planning
(D) planned
正解は(C)です。 「plan」は閉音節なので、語尾に子音を重ねて「planning」になります。
パターン2:同音異綴語の識別問題
発音は同じでも綴りが異なる語を文脈から選ぶ問題も出題されます。
「compliment」vs「complement」のような違いです。
パターン3:語尾の音韻変化問題
語尾の音韻変化が意味や品詞に影響する問題もあります。
「-tion」「-sion」「-ness」などの接尾辞の選択です。
パターン4:強勢パターンによる品詞判別
強勢の位置によって品詞が変わる語を判別する問題もあります。
「REcord」(名詞)vs「reCORD」(動詞)のような違いです。
3つの基本音韻パターンをマスター
英語の基本的な音韻パターンを3つに分けて理解しましょう。
パターン1:閉音節(Closed Syllable)
特徴:子音で終わる音節
短母音 + 子音(群)
bat, bed, bit, hot, cut
plan, stop, ship, drop
語形変化の特徴
- 語尾の子音を重ねる:stop → stopping
- 短母音の保持:hop → hopped
パターン2:開音節(Open Syllable)
特徴:母音で終わる音節(無音のeを含む)
長母音で終わる
go, be, my, so
make, hope, ride, cute
語形変化の特徴
- eを取って語尾変化:hope → hoping
- 長母音の保持:make → making
パターン3:r音節(R-controlled Syllable)
特徴:母音+rの組み合わせ
ar, er, ir, or, ur
car, her, sir, for, fur
start, certain, circle, important
語形変化の特徴
- r音の影響で音韻変化:prefer → preferred
4つの語形変化ルールをマスター
音韻構造に基づく語形変化の4つのルールを詳しく見ていきましょう。
ルール1:子音重複の法則
閉音節の単音節語は子音を重ねる
hop → hopping, hopped
stop → stopping, stopped
plan → planning, planned
begin → beginning (語尾が重要音節の場合)
重複しない場合
help → helping (子音群で終わる)
work → working (子音群で終わる)
listen → listening (最終音節に強勢がない)
ルール2:無音e削除の法則
語尾のeを取って語尾変化
hope → hoping, hoped
make → making, made
write → writing, written
come → coming, came
例外パターン
die → dying (ieで終わる語)
lie → lying (ieで終わる語)
agree → agreeing (eeで終わる語)
ルール3:y変化の法則
子音+yで終わる語はyをiに変える
study → studied, studies
try → tried, tries
carry → carried, carries
母音+yの場合は変化なし
play → played, plays
stay → stayed, stays
enjoy → enjoyed, enjoys
ルール4:語尾音韻の同化
接尾辞による音韻変化
music → musical (cがcalに変化)
magic → magical (cがcalに変化)
electric → electrical (cがcalに変化)
間違えやすいポイント
日本人学習者が特に間違えやすいのは、以下の点です。
- 音韻ルールの機械的適用:例外パターンを考慮せずに一律にルールを適用
- 強勢位置の軽視:語の強勢位置を考慮しない語形変化
- 同音異綴語の混同:発音が同じでも意味・綴りが異なる語の混同
特に音韻ルールの機械的適用は、多くの人が見落としがちです。
確実に正解するための判断フロー
では、実際の解き方を見ていきましょう。
ステップ1:語の音韻構造を分析
閉音節、開音節、r音節のどれかを判別します。
ステップ2:語形変化のパターンを確認
必要な語形変化(-ing、-ed、-er等)を特定します。
ステップ3:適切な音韻ルールを適用
音韻構造に応じた変化ルールを適用します。
ステップ4:例外パターンの確認
不規則変化や例外がないかを確認します。
練習問題にチャレンジ
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
問題1:The manager is _____ a new strategy for the project.
(A) develop
(B) developing
(C) developping
(D) developed
考えてみてくださいね。
正解は(B)です!
「develop」は語尾が子音群(lop)なので、子音の重複は不要で「developing」が正解です。
問題2:She has been _____ for this position since last month.
(A) apply
(B) applying
(C) applyed
(D) applied
正解は(B)です!
「apply」は子音+yで終わりますが、-ing形では「applying」(yをそのまま保持)が正解です。
強勢パターンによる品詞判別
強勢の位置で品詞が変わる重要な語を整理しましょう。
名詞は第1音節、動詞は第2音節に強勢
REcord(名詞)vs reCORD(動詞)
The REcord shows good results.(記録は良い結果を示している)
Please reCORD the meeting.(会議を録音してください)
CONtract(名詞)vs conTRACT(動詞)
Sign the CONtract today.(今日契約書に署名してください)
The metal will conTRACT when cooled.(金属は冷えると収縮する)
PROgress(名詞)vs proGRESS(動詞)
We made good PROgress.(良い進歩を遂げた)
We need to proGRESS faster.(もっと速く進歩する必要がある)
実践での瞬間判断テクニック
本番で素早く解くためのコツをお伝えします。
-
語尾の音韻構造をチェック
- 子音+子音 → 重複なし
- 短母音+子音 → 重複あり
- 長母音+子音 → 重複なし
-
語の長さを確認
- 単音節 → 基本ルール適用
- 多音節 → 強勢位置を確認
-
接尾辞の音韻特徴を活用
- -tion, -sion → 音韻変化あり
- -ing, -ed → 基本ルール適用
音韻変化のある接尾辞
接尾辞による音韻変化のパターンを整理しましょう。
-tion/-sion の使い分け
-tion を取る語
create → creation
relate → relation
promote → promotion
-sion を取る語
decide → decision
divide → division
conclude → conclusion
音韻による判別
- t, te で終わる → -tion
- d, de で終わる → -sion
- s で終わる → -sion
-ness/-ity の使い分け
-ness を取る語
happy → happiness
kind → kindness
useful → usefulness
-ity を取る語
active → activity
creative → creativity
responsible → responsibility
同音異綴語の識別
発音は同じでも意味が異なる重要な語彙を整理しましょう。
ビジネス英語でよく混同される語
complement vs compliment
complement:補完する
The wine complements the meal perfectly.
compliment:褒める
She complimented him on his presentation.
principal vs principle
principal:主要な、校長
The principal reason for success.
principle:原則
We follow the principle of fairness.
stationary vs stationery
stationary:静止した
The car remained stationary.
stationery:文房具
Please order office stationery.
語族による音韻パターン
同じ語族内での音韻変化パターンを理解しましょう。
ラテン語系語族
-ate 動詞の音韻パターン
create → creative → creativity → creation
relate → relative → relativity → relation
demonstrate → demonstrative → demonstration
ギリシャ語系語族
-ize 動詞の音韻パターン
organize → organizational → organization
analyze → analytical → analysis
emphasize → emphatic → emphasis
ビジネス文書での音韻考慮
実際のビジネス場面での音韻に配慮した語彙選択を見てみましょう。
音韻的に自然な表現
リズムを考慮した語選択
× The plan is being planed carefully.
○ The plan is being planned carefully.
× We are developping new strategies.
○ We are developing new strategies.
音韻的調和を考慮した文章
The committee is committed to implementing comprehensive improvements.
(音韻的に調和の取れた表現)
まとめ
開音節・閉音節の音韻構造のポイントは、「語の音韻構造を正確に分析する」「適切な語形変化ルールを適用する」「強勢パターンで品詞を判別する」「同音異綴語を文脈で識別する」ということです。
この記事で紹介した3つの基本パターンと4つの語形変化ルールを意識すれば、Part5での正答率が確実に上がります。
ぜひ今日から実践して、スコアアップを目指してくださいね!