Part5で「employee」や「trainee」のような-eeで終わる単語が出ると、「これって何を表しているの?」「-erとはどう違うの?」と迷ってしまうこと、ありませんか?
接尾辞-eeは**「受け手」「される人」**を表す重要な名詞形成接尾辞ですが、多くの学習者が-er/-orとの違いを曖昧に理解しています。
でも実は、-eeの基本概念を理解し、対になる関係を意識して覚えれば、関連語彙を効率的に増やすことができます。
今回は、TOEIC Part5で絶対に覚えておきたい-ee名詞15選と、-er/-orとの対比による効率的な学習法をお伝えします。
接尾辞-eeとは?
接尾辞-eeは、**「受け手」「される人」「対象となる人」**を表すフランス語由来の名詞形成接尾辞です。
オフィスで「この研修の参加者は誰ですか?」と質問する場面を想像してください。
研修を「受ける人」がtrainee(研修生)、研修を「する人」がtrainer(指導者)という対比関係になっています。
-eeの基本的な意味:
- 受け手(receiver)
- される人(person who is ~ed)
- 対象となる人(target person)
- 受益者・被害者(beneficiary/victim)
語源的特徴:
- フランス語由来の接尾辞
- 動詞の過去分詞+-ee
- 受動的な立場を表す
-eeの基本パターン
-eeは動作の「受け手」を表す重要なパターンです。
動作の受け手パターン
基本構造:
動詞 + -ee = 受け手
例:employ(雇う)+ -ee = employee(被雇用者)
レストランで雇用関係を考えてみましょう。
- 雇う人:employer(雇用者)
- 雇われる人:employee(被雇用者)
この「する人」と「される人」の対比が-eeの核心概念です。
法的・契約関係での使用
ビジネス契約:
lessor(貸主)⇔ lessee(借主)
grantor(譲渡人)⇔ grantee(譲受人)
教育・指導関係での使用
教育現場:
trainer(指導者)⇔ trainee(研修生)
mentor(指導者)⇔ mentee(被指導者)
ビジネス頻出-ee名詞15選
TOEICで絶対に覚えておきたい名詞を、分野別に分類して紹介します。
【雇用・人事系】雇用関係5選
1. employee(従業員・被雇用者)
対:employer(雇用者)
The company hired 50 new employees this year.
(会社は今年50人の新入社員を雇用しました)
2. trainee(研修生・訓練生)
対:trainer(指導者)
The trainee will complete the program next month.
(研修生は来月プログラムを修了します)
3. appointee(被任命者・指名された人)
対:appointer(任命者)
The new appointee will start work on Monday.
(新しい被任命者は月曜日から勤務を開始します)
4. retiree(退職者・年金受給者)
The company organized a party for the retiree.
(会社は退職者のためにパーティーを開催しました)
5. interviewee(面接を受ける人)
対:interviewer(面接官)
The interviewee arrived 10 minutes early.
(面接を受ける人は10分早く到着しました)
【法的・契約系】契約関係5選
6. lessee(借主・賃借人)
対:lessor(貸主)
The lessee must pay rent by the first of each month.
(借主は毎月1日までに家賃を支払わなければなりません)
7. licensee(ライセンス取得者)
対:licenser(ライセンス許可者)
The licensee can use the trademark for commercial purposes.
(ライセンス取得者は商標を商業目的で使用できます)
8. grantee(譲受人・被付与者)
対:grantor(譲渡人)
The grantee received exclusive rights to the patent.
(譲受人は特許の独占的権利を受けました)
9. trustee(受託者・管財人)
対:trustor(委託者)
The trustee will manage the estate for the beneficiaries.
(受託者は受益者のために財産を管理します)
10. nominee(被指名者・候補者)
The board selected three nominees for the position.
(取締役会はそのポジションに3人の候補者を選出しました)
【サービス・顧客系】受益者関係5選
11. attendee(出席者・参加者)
対:host(主催者)
All attendees must register in advance.
(すべての出席者は事前に登録しなければなりません)
12. payee(受取人・支払いを受ける人)
対:payer(支払い人)
Please write the payee's name clearly on the check.
(小切手に受取人の名前をはっきりと記入してください)
13. addressee(宛先人・受取人)
対:addresser/sender(送付人)
The package was returned because the addressee was unknown.
(宛先人不明のため荷物は返送されました)
14. referee(審判・推薦者)
The job application requires three professional referees.
(求人応募には3人の職業上の推薦者が必要です)
15. absentee(欠席者・不在者)
The meeting proceeded despite several absentees.
(数人の欠席者がいたにもかかわらず会議は進行しました)
-er/-orとの対比理解
-eeを効率的に覚えるには、対になる-er/-orとの関係を理解することが重要です。
基本的な対比パターン
雇用関係:
employer(雇う人)⇔ employee(雇われる人)
trainer(教える人)⇔ trainee(教わる人)
interviewer(面接する人)⇔ interviewee(面接される人)
契約関係:
lessor(貸す人)⇔ lessee(借りる人)
grantor(与える人)⇔ grantee(受ける人)
licensor(許可する人)⇔ licensee(許可される人)
通信・取引関係:
sender(送る人)⇔ addressee(受け取る人)
payer(払う人)⇔ payee(受け取る人)
caller(電話する人)⇔ callee(電話を受ける人)
記憶のポイント
能動 vs 受動:
- -er/-or:動作をする人(能動)
- -ee:動作を受ける人(受動)
ビジネス場面での使い分け:
- 権限を持つ側:-er/-or
- サービスを受ける側:-ee
語源から理解する効率的学習法
-eeの語源を理解することで、記憶が定着しやすくなります。
フランス語由来の特徴
過去分詞+-ee:
employ(雇う)→ employed(雇われた)→ employee(雇われる人)
train(訓練する)→ trained(訓練された)→ trainee(訓練される人)
appoint(任命する)→ appointed(任命された)→ appointee(任命される人)
受動態との関連
The person who is employed = employee
The person who is trained = trainee
The person who is appointed = appointee
この「される人」という概念が-eeの核心です。
連想記憶法
ビジネス場面での連想:
人事部門:employee, trainee, appointee, retiree
法務部門:lessee, licensee, grantee, trustee
会議・イベント:attendee, absentee, nominee
実践トレーニング
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
練習問題1(制限時間:10秒)
The company will provide training for all new _____.
(A) employ
(B) employer
(C) employee
(D) employees
新入社員への研修提供という文ですね。
正解は(D)です!
「雇われる人」という意味でemployee、さらにallがあるので複数形employeesが適切です。 判定時間:5秒!
練習問題2(制限時間:10秒)
The _____ must sign the lease agreement before moving in.
(A) less
(B) lesser
(C) lessee
(D) lesson
入居前にリース契約にサインするという文ですね。
正解は(C)です!
「借りる人」という意味でlesseeが適切です。lessor(貸主)との対比で覚えましょう。 判定時間:6秒!
練習問題3(制限時間:10秒)
All _____ should arrive at the conference room by 9 AM.
(A) attend
(B) attendance
(C) attendee
(D) attendees
午前9時までに会議室に到着するという文ですね。
正解は(D)です!
「出席する人」という意味でattendee、さらにAllがあるので複数形attendeesが適切です。 判定時間:7秒!
-eeの不規則パターン
一般的なパターンに従わない特殊なケースです。
短縮形パターン
refugee(難民)← refuge(避難所)
absentee(欠席者)← absent(欠席の)
意味の特殊化
committee(委員会)← commit(委託する)
※「委託される人々」から「委員会」の意味に発展
二重の意味
trustee(受託者・管財人)
※「信託される人」だが、実際は管理・運営する立場
対になる相手が不明確
referee(審判・推薦者)
※referrer(推薦する人)は一般的でない
ビジネス英語での効果的な使用
TOEICはビジネス英語なので、実際のビジネス場面での使い方が重要です。
人事・採用
採用プロセス:
The interviewer will evaluate each interviewee carefully.
(面接官は各面接者を慎重に評価します)
研修制度:
New employees and trainees will attend orientation.
(新入社員と研修生はオリエンテーションに参加します)
契約・法務
契約締結:
The lessor and lessee signed the rental agreement.
(貸主と借主は賃貸契約に署名しました)
権利移転:
The grantee received full ownership rights.
(譲受人は完全な所有権を受けました)
会議・イベント
会議運営:
All attendees must register at the reception desk.
(全出席者は受付で登録しなければなりません)
通知・連絡:
Please confirm that the addressee received the package.
(宛先人が荷物を受け取ったことを確認してください)
よくある間違いパターン
日本人学習者が特に間違えやすいパターンを見てみましょう。
間違いパターン1:-er/-orとの混同
❌ The employeer will provide benefits.
✅ The employer will provide benefits.
雇う人はemployer、雇われる人はemployee。
間違いパターン2:複数形の忘れ
❌ All attendee must register.
✅ All attendees must register.
Allがあるときは複数形が必要。
間違いパターン3:不適切な使用
❌ The trustee will trust the money.
✅ The trustee will manage the trust fund.
trusteeは「管理する人」であり「信頼する人」ではない。
間違いパターン4:スペリングミス
❌ The leasee signed the contract.
✅ The lessee signed the contract.
lessor/lesseeのペアで覚える。
本番での解答テクニック
Part5で確実に正解するためのコツをお伝えします。
-
「される人」パターンを確認
- 動作の受け手かどうか判断
- 受動的な立場を表すか確認
-
対になる関係を活用
- -er/-orとの対比で理解
- どちらが能動・受動か判断
-
ビジネス文脈を考慮
- 雇用、契約、会議などの場面
- 適切な役割関係を確認
-
複数形に注意
- All, many, severalなどがある場合
- 複数形-eesが必要
-
スペリングを正確に
- lessor/lessee, grantor/grantee
- 似た単語との区別
まとめ
接尾辞-eeは、「受け手」「される人」を表す重要な名詞形成要素です。
今回紹介した15の頻出名詞と-er/-orとの対比理解を身につければ、
- Part5での語彙問題の正答率が大幅に向上する
- ビジネス英語での役割関係が明確に理解できる
- 関連語彙を効率的に記憶できる
という効果が期待できます。
「する人-er/-or、される人-ee」この対比関係さえ覚えれば、ビジネス場面での人間関係を正確に表現できます。 ぜひ実際のビジネス場面を想像しながら覚えて、次の模試で実力を発揮してくださいね!