Part5で「He has lived here for 10 years」と「He has arrived here for 10 years」を見て「どちらが正しいの?」と迷ったことはありませんか?
「どちらも現在完了形だし、for 10 yearsもついているから同じような気がする」と混乱してしまうこと、ありますよね。
実は、動詞には瞬間動詞と継続動詞という分類があり、完了形での使い方が大きく異なるんです。
今回は、TOEIC Part5で年間約4-6問出題される動詞の時間的性質を、5秒で判断できる方法をお伝えします。
瞬間動詞と継続動詞の基本概念
まず、この2つの動詞がどう違うかを身近な例で理解しましょう。
瞬間動詞:「一瞬で完了する動作」
電気のスイッチを押すような動作を想像してみてください。 「押す」という動作は一瞬で完了し、「押し続ける」ということはできませんよね。
英語でも「arrive(到着する)」「start(始める)」「finish(終える)」などは、一瞬で完了する動作なんです。
継続動詞:「時間をかけて継続する動作」
一方、映画を見たり、本を読んだりする動作は時間をかけて継続します。 「2時間映画を見る」「30分本を読む」のように、時間の幅を持って行われます。
英語でも「live(住む)」「work(働く)」「study(勉強する)」などは、継続的な動作を表します。
Part5での出題傾向
瞬間動詞・継続動詞の問題は、Part5で年間約4-6問出題される上級文法項目です。
主な出題パターンは以下の3つです。
パターン1:完了形+継続表現
最も頻出するパターンです。
例題:
She _____ in Tokyo for five years.
(A) has arrived
(B) has lived
(C) has reached
(D) has come
正解は(B) has lived です。 継続動詞のliveは「for five years」という継続表現と組み合わせることができます。
パターン2:瞬間動詞の完了用法
瞬間動詞が完了・結果を表す場合です。
パターン3:since/forの使い分け
継続表現による動詞の選択問題です。
瞬間動詞の完全理解
基本特徴:一瞬で完了
瞬間動詞は、動作が一瞬で完了し、継続できない動詞です。
主要な瞬間動詞リスト
「あっという間系」
- arrive(到着する)
- start/begin(始める)
- finish/end(終える)
- find(見つける)
- reach(到達する)
- realize(気づく)
- decide(決める)
- die(死ぬ)
- become(なる)
- join(参加する)
完了形での使い方
❌ 継続表現との組み合わせは不可
❌ He has arrived here for 2 hours.
❌ She has started working for 3 years.
❌ I have found my keys for 10 minutes.
⭕ 完了・結果の表現では使用可能
⭕ He has arrived. (到着した←完了)
⭕ She has started her new job. (新しい仕事を始めた←完了)
⭕ I have found my keys. (鍵を見つけた←完了)
瞬間動詞を継続的に使う方法
進行形で「〜しようとしている」
The train is arriving at platform 3.
(電車は3番ホームに到着しようとしている)
完了進行形で「〜した状態が続いている」
He has been living here since 2020. ←liveは継続動詞
❌ He has been arriving here since 2020. ←arriveは瞬間動詞
継続動詞の完全理解
基本特徴:時間をかけて継続
継続動詞は、動作が時間をかけて継続される動詞です。
主要な継続動詞リスト
「じっくり系」
- live(住む)
- work(働く)
- study(勉強する)
- stay(滞在する)
- wait(待つ)
- sleep(眠る)
- watch(見る)
- listen(聞く)
- read(読む)
- write(書く)
完了形での使い方
⭕ 継続表現との組み合わせが可能
⭕ He has lived here for 10 years.
⭕ She has worked at this company since 2015.
⭕ I have studied English for 5 years.
⭕ 完了・経験の表現でも使用可能
⭕ He has lived in many countries. (経験)
⭕ She has worked very hard today. (完了)
⭕ I have studied this topic before. (経験)
5秒判断テクニック
テクニック1:継続質問法
「〜し続けることができるか?」を自問します。
live → 住み続けられる → 継続動詞
arrive → 到着し続けられない → 瞬間動詞
work → 働き続けられる → 継続動詞
start → 始め続けられない → 瞬間動詞
テクニック2:for/since チェック法
文中にfor/sinceがあれば、継続動詞を選択します。
for 3 years → 継続動詞確定
since 2020 → 継続動詞確定
テクニック3:語尾イメージ法
特定の語尾を持つ動詞の傾向を覚えます。
-ive系:live, arrive, receive → liveのみ継続
-ark系:work, park → workは継続、parkは瞬間
間違えやすい動詞ペア
ペア1:come vs stay
瞬間:come(来る)
継続:stay(滞在する)
❌ He has come here for 2 hours.
⭕ He has stayed here for 2 hours.
ペア2:start vs continue
瞬間:start(始める)
継続:continue(続ける)
❌ The meeting has started for 30 minutes.
⭕ The meeting has continued for 30 minutes.
ペア3:find vs look for
瞬間:find(見つける)
継続:look for(探す)
❌ I have found my keys for 10 minutes.
⭕ I have looked for my keys for 10 minutes.
特殊ケースと例外
ケース1:become の継続用法
通常は瞬間動詞だが、職業・状態では継続的に使える場合があります。
瞬間:He became a doctor. (医者になった)
継続:He has been a doctor for 10 years. (10年間医者をしている)
ケース2:know の特殊性
knowは状態動詞で、継続表現と組み合わせ可能です。
⭕ I have known him for 10 years.
(10年間彼を知っている)
ケース3:have の多義性
所有:I have had this car for 3 years. (継続)
経験:I have had dinner. (瞬間的完了)
練習問題にチャレンジ
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
問題1:The new employee _____ at our company for six months.
(A) has arrived
(B) has joined
(C) has worked
(D) has started
考えてみてくださいね。
正解は(C) has worked です!
「for six months」という継続表現があるので、継続動詞が必要です。 arrive, join, startは瞬間動詞なので不適切、workは継続動詞なので正解です。
問題2:She _____ her presentation successfully yesterday.
(A) has finished
(B) has been finishing
(C) finished
(D) was finishing
正解は(C) finished です!
「yesterday」という過去の特定時点があるので、現在完了形ではなく過去形を使います。 finishは瞬間動詞なので、過去形のfinishedが適切です。
問題3:I _____ this book since last week, but I haven't finished it yet.
(A) have read
(B) have been reading
(C) read
(D) was reading
正解は(B) have been reading です!
「since last week」があり、「まだ終わっていない」という継続中の動作なので、現在完了進行形が適切です。 readは継続動詞なので進行形にできます。
本番での時間短縮テクニック
テクニック1:継続表現優先スキャン
for/sinceを見つけたら、即座に継続動詞を探します。
テクニック2:動詞分類瞬間判断
動詞を見た瞬間に瞬間・継続を判断します。
瞬間動詞の語呂:「あっ!ストーリー」
arrive, start, stop, reach, find等
テクニック3:文脈チェック法
完了・結果なら瞬間動詞、継続なら継続動詞を選択します。
ビジネス英語での頻出パターン
継続動詞の典型例
- work at the company for 5 years
- live in Tokyo since 2020
- study English for a long time
- stay at the hotel for 3 nights
瞬間動詞の典型例
- arrive at the office(オフィスに到着)
- start the meeting(会議を開始)
- finish the project(プロジェクトを完了)
- join the team(チームに参加)
高度な動詞分類
状態動詞(継続可能)
- know(知っている)
- have(持っている)
- love(愛している)
- believe(信じている)
動作動詞の細分化
瞬間動作:arrive, start, stop, find
継続動作:work, study, read, write
反復動作:knock, blink, breathe
完了形でのニュアンスの違い
瞬間動詞:完了・結果を強調
He has arrived. (到着した←結果が重要)
She has finished her work. (仕事を終えた←完了が重要)
継続動詞:継続・経験を強調
He has lived here for 10 years. (継続)
She has worked in many countries. (経験)
まとめ
瞬間動詞・継続動詞の区別は、継続可能性と継続表現の有無が最重要ポイントです。
今回紹介した5秒判断法を使えば、
- 解答時間が50%短縮される
- 正答率が90%以上になる
- 時制問題全般の理解が深まる
という効果が期待できます。
特に730点以上を目指す方には、動詞の時間的性質の理解は必須スキルです。 ぜひ今日から実践して、確実にスコアアップを目指してくださいね!