Part5で間接疑問文の時制問題が出ると、「主節が過去形の時、従属節はどうなるの?」と迷ってしまうこと、ありませんか?
間接疑問文では、主節の時制に従って従属節の時制も変化する**「時制の一致」**というルールがあります。 この法則を理解していないと、Part5で時制問題を落としてしまう可能性が高いんです。
でも実は、時制の一致には明確なパターンがあり、そのルールさえ覚えれば確実に正解できるようになります。
今回は、TOEIC Part5で高得点を取るための間接疑問文の時制の一致を徹底解説します。
時制の一致とは?
時制の一致を簡単に説明すると、**「主節の時制に合わせて従属節の時制も調整する」**ルールです。
友人との会話で「昨日、田中さんが『明日は忙しい』と言っていた」と伝える場面を想像してください。 田中さんが話した時点では「明日」でしたが、今伝える時には「今日」になっていますよね。
英語でも同じように、報告や引用をする時に時制を調整する必要があるんです。
基本原則:
主節が過去形 → 従属節も過去方向にシフト
基本的な時制の変化パターン
まず、主節が過去形の時の時制変化を見ていきましょう。
現在形 → 過去形
直接疑問文:
"Where does he work?" (彼はどこで働いていますか?)
間接疑問文:
She asked where he worked. (彼女は彼がどこで働いているか尋ねた)
オフィスでの会話で「新しい同僚がどこの部署で働いているか聞いた」という報告をする場面を考えてください。 質問した時点では現在の状況でしたが、報告する時には過去の出来事として扱います。
現在進行形 → 過去進行形
直接疑問文:
"What are you doing?" (何をしているの?)
間接疑問文:
He asked what I was doing. (彼は私が何をしているか尋ねた)
現在完了形 → 過去完了形
直接疑問文:
"Have you finished the report?" (レポートは終わりましたか?)
間接疑問文:
The manager asked if I had finished the report. (マネージャーはレポートが終わったかどうか尋ねた)
Part5での基本パターン
The client asked when the project _____ be completed.
(A) will
(B) would
(C) can
(D) could
正解は(B)です。 主節のaskedが過去形なので、willは時制の一致でwouldになります。
助動詞の時制変化
助動詞も時制の一致に従って変化します。
助動詞の変化パターン
will → would
can → could
may → might
must → had to
shall → should
助動詞の時制変化例
現在の意志:
直接:"I will help you." (手伝います)
間接:He said he would help me. (彼は手伝うと言った)
現在の能力:
直接:"Can you attend the meeting?" (会議に出席できますか?)
間接:She asked if I could attend the meeting. (彼女は会議に出席できるか尋ねた)
現在の可能性:
直接:"It may rain tomorrow." (明日は雨かもしれません)
間接:The forecast said it might rain today. (予報では今日は雨かもしれないと言っていた)
Part5での助動詞問題
The supervisor wondered if we _____ finish the task by Friday.
(A) can
(B) could
(C) will
(D) would
正解は(B)です。 wonderedが過去形なので、canは時制の一致でcouldになります。
時制の一致の例外パターン
時制の一致にはいくつかの例外があります。
例外1:一般的な真理・事実
科学的事実や一般的な真理は時制の一致を受けません。
The teacher explained that water boils at 100 degrees.
(先生は水が100度で沸騰すると説明した)
スマホで天気アプリを見ながら「太陽は東から昇る」という事実を確認する場面を考えてください。 この事実は時代や状況に関係なく常に真実なので、時制は変わりません。
例外2:現在も変わらない状況
過去に言われたことでも、現在も変わらない状況は現在形のままです。
He said that he lives in Tokyo.
(彼は東京に住んでいると言った → 現在も住んでいる)
He said that he lived in Tokyo.
(彼は東京に住んでいたと言った → 過去に住んでいた)
例外3:時を表す副詞がある場合
「tomorrow」「next week」などの時を表す副詞がある場合、文脈によって判断します。
She said she will call me tomorrow.
(彼女は明日電話すると言った → 明日はまだ未来)
She said she would call me the next day.
(彼女は翌日電話すると言った → より間接的な表現)
実践トレーニング
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
練習問題1(制限時間:15秒)
The customer inquired when the new product _____ be available.
(A) will
(B) would
(C) can
(D) could
顧客が新製品の発売時期について質問した内容ですね。
正解は(B)です!
主節のinquiredが過去形なので、willは時制の一致でwouldに変化します。 「顧客は新製品がいつ発売されるか尋ねた」という意味になります。
練習問題2(制限時間:15秒)
The scientist explained that light _____ faster than sound.
(A) travel
(B) travels
(C) traveled
(D) had traveled
科学者が光と音の速度について説明した内容ですね。
正解は(B)です!
科学的事実は時制の一致の例外なので、現在形のtravelsを使います。 「光は音より速いということを科学者が説明した」という意味になります。
間接疑問文特有のパターン
間接疑問文には特別な注意点があります。
疑問詞を使った間接疑問文
5W1H(what, when, where, why, who, how)の場合:
直接:When will the meeting start?
間接:He asked when the meeting would start.
Yes/No疑問文の間接化
if/whetherを使用:
直接:Will you attend the conference?
間接:She asked if I would attend the conference.
友人との約束で「パーティーに来るかどうか」を確認する場面を考えてください。 Yes/Noで答える質問は、間接疑問文ではif/whetherで始まります。
選択疑問文の間接化
whether...orを使用:
直接:Do you prefer coffee or tea?
間接:The waiter asked whether I preferred coffee or tea.
ビジネス英語での時制の一致
TOEICはビジネス英語なので、実際のビジネス場面での使用例も重要です。
会議での報告
The client asked when we could deliver the product.
(クライアントは製品をいつ納品できるか尋ねました)
The manager wondered if the project would be completed on time.
(マネージャーはプロジェクトが予定通り完成するかどうか心配していました)
メールでの引用
The customer inquired whether we offered technical support.
(お客様が技術サポートを提供しているかどうかお尋ねになりました)
The vendor asked how many units we needed.
(ベンダーが何台必要かお尋ねになりました)
プレゼンテーションでの説明
The survey showed that most employees preferred flexible working hours.
(調査では、ほとんどの従業員が柔軟な勤務時間を好むことが分かりました)
よくある間違いパターン
日本人学習者が特に間違えやすいパターンを見てみましょう。
間違いパターン1:時制の一致を忘れる
❌ He asked when will the meeting start.
✅ He asked when the meeting would start.
間違いパターン2:例外を無視する
❌ The teacher said that water boiled at 100 degrees.
✅ The teacher said that water boils at 100 degrees.
間違いパターン3:助動詞の変化を忘れる
❌ She wondered if we can finish on time.
✅ She wondered if we could finish on time.
間違いパターン4:現在も続く状況の判断ミス
現在も住んでいる:He said he lives in Tokyo.
過去に住んでいた:He said he lived in Tokyo.
本番での解答テクニック
Part5で確実に正解するためのコツをお伝えします。
-
主節の時制を最初にチェック
- 過去形なら時制の一致が必要
- 現在形なら時制の一致不要
-
例外パターンを覚える
- 一般的事実 → 現在形のまま
- 現在も続く状況 → 文脈で判断
-
助動詞の変化を確認
- will → would
- can → could
- may → might
-
15秒ルールを守る
- 時制問題は基本パターンが多い
-
文脈を読む
- 現在も有効かどうかを判断
まとめ
間接疑問文の時制の一致は、主節の時制に従って従属節も調整するのが基本です。
今回紹介したルールを意識すれば、
- Part5での時制問題の正答率が90%以上になる
- 複雑な文構造の理解が深まる
- ビジネス英語での報告能力が向上する
という効果が期待できます。
主節が過去形なら従属節も過去方向にシフトするという基本原則と、一般的事実などの例外パターンを理解して、確実にスコアアップを目指しましょう!