Part5で「will have+過去分詞」の未来完了形が出ると、「なぜ未来なのに完了?」と混乱してしまうことはありませんか?
「By next year, we will have completed...」のような文を見ると、時制の感覚がよく分からなくなってしまう方も多いですよね。
実は、未来完了には3つの明確な意味があり、それぞれのパターンを理解すれば迷わずに正解を選べるようになります。
今回は、730点突破に必要な未来完了の3つの意味を、分かりやすくマスターしていきましょう。
未来完了とは?
未来完了を簡単に説明すると、「未来のある時点で完了している動作や状態」を表す時制です。
例えば、プロジェクトの進行管理を想像してみてください。 来月末までの予定を説明するとき:
✅ By the end of next month, we will have finished the project.
(来月末までには、私たちはプロジェクトを完了しているでしょう)
この「来月末」という未来の時点で「完了している」状態を表すのが未来完了なんです。
未来完了の基本構文
未来完了の構文はシンプルです。
基本構文
will have + 過去分詞
例文:
I will have graduated by next spring.
(来春までには卒業しているでしょう)
否定文・疑問文
否定文:will not have + 過去分詞
疑問文:Will + 主語 + have + 過去分詞...?
例:
She will not have arrived yet.
(彼女はまだ到着していないでしょう)
Will you have finished your work by 6 PM?
(6時までに仕事を終えているでしょうか?)
未来完了の3つの意味
未来完了には主に以下の3つの意味があります。
意味1:完了(Completion)
未来のある時点までに動作が完了していることを表します。
By tomorrow, I will have completed the report.
(明日までには、レポートを完成しているでしょう)
特徴:
- 最も一般的な用法
- 「by + 時間表現」とよく組み合わせる
- 動作の完了を強調
意味2:経験(Experience)
未来のある時点までに経験を積むことを表します。
By the time I retire, I will have worked here for 30 years.
(退職するころには、ここで30年働いたことになるでしょう)
特徴:
- 「by the time」とよく使われる
- 期間を表す語句(for...)と組み合わせる
- 累積的な経験を表現
意味3:継続(Duration)
未来のある時点まで状態が継続することを表します。
Next month, we will have been living here for 5 years.
(来月で、ここに住んで5年になります)
特徴:
- 継続を表す動詞と使用
- 期間の長さを強調
- 「will have been -ing」の形もある
よく使われる時間表現
未来完了は特定の時間表現とセットで使われることが多いです。
by + 時間(〜までには)
最も頻出するパターンです。
by tomorrow → 明日までには
by next week → 来週までには
by the end of the year → 年末までには
by the time → 〜するころには
by then → その時までには
例文:
By 2025, the construction will have been completed.
(2025年までには、建設が完了しているでしょう)
before + 時間(〜する前には)
期限を強調するパターンです。
before the deadline → 締切前には
before the meeting → 会議前には
before you arrive → あなたが到着する前には
in + 期間(〜後には)
一定期間後の状態を表すパターンです。
in 5 years → 5年後には
in a month → 1ヶ月後には
in the future → 将来には
Part5での頻出出題パターン
未来完了は、Part5で年間約4-6問出題される重要な時制です。
主な出題パターンは以下の4つです。
パターン1:時制の選択
適切な時制を選ぶパターンです。
例題:
By next Friday, we _____ all the necessary documents.
(A) will complete
(B) will have completed
(C) have completed
(D) completed
正解は(B)です。 「By next Friday」という未来の時点での完了を表すので未来完了が正解です。
パターン2:動詞の形の選択
未来完了の構文を問うパターンです。
例題:
The team will have _____ the project before the client meeting.
(A) finish
(B) finished
(C) finishing
(D) finishes
正解は(B)です。 未来完了は「will have + 過去分詞」なので「finished」が正解です。
パターン3:時間表現との組み合わせ
適切な時間表現を選ぶパターンです。
例題:
_____ the end of this month, she will have worked here for 10 years.
(A) By
(B) Until
(C) During
(D) Since
正解は(A)です。 未来完了には「By」がよく使われます。
パターン4:継続期間の表現
期間を表す表現との組み合わせパターンです。
例題:
Next year, the company will have been operating _____ 50 years.
(A) since
(B) for
(C) during
(D) until
正解は(B)です。 継続期間を表すので「for」が正解です。
間違えやすいポイント
日本人学習者が特に間違えやすいのは、以下の点です。
- 未来形と混同する:「will + 動詞の原形」を選んでしまう
- 現在完了と混同する:時間的な位置関係を理解していない
- 過去分詞を間違える:不規則動詞の過去分詞形を覚えていない
特に「by + 未来の時点」があるときは、未来完了を疑ってください。
実践問題にチャレンジ
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
問題1:By the time you return, I _____ dinner.
(A) will prepare
(B) will have prepared
(C) have prepared
(D) prepared
考えてみてくださいね。
正解は(B)です!
「By the time you return」(あなたが戻るころには)という未来の時点での完了を表すので、未来完了「will have prepared」が正解です。 「あなたが戻るころには、夕食を準備し終えているでしょう」という意味になります。
問題2:The new system will have been _____ for six months by December.
(A) operate
(B) operated
(C) operating
(D) operation
こちらはどうでしょうか?
正解は(C)です!
「will have been operating」という未来完了進行形の構文です。 「12月までには、新システムが6ヶ月間稼働していることになるでしょう」という継続の意味を表します。
他の完了時制との比較
未来完了を理解するために、他の完了時制と比較してみましょう。
時系列での比較
現在完了:I have finished my work.
(今までに仕事を終えた)
過去完了:I had finished my work before the meeting.
(会議前に仕事を終えていた)
未来完了:I will have finished my work by 5 PM.
(5時までには仕事を終えているだろう)
時間軸での位置
過去 ←─── 現在 ───→ 未来
| | |
had + have + will have +
過去分詞 過去分詞 過去分詞
覚えておくべき重要表現
以下の表現は暗記しておきましょう。
未来完了でよく使う動詞
完了系:finish, complete, achieve, accomplish
経験系:work, live, study, travel
状態系:be, exist, remain, stay
時間表現の組み合わせ
by + 具体的時間:by 5 PM, by Friday
by + 期間:by next year, by then
by the time + 文:by the time he arrives
before + 時間:before the deadline
in + 期間:in 10 years
まとめ
未来完了のポイントは、未来のある時点を基準とした完了・経験・継続を表すことです。
3つの意味:
- 完了 - 未来の時点での動作完了
- 経験 - 未来の時点までの経験蓄積
- 継続 - 未来の時点までの状態継続
この概念を理解して、「by」「before」などの時間表現を手がかりにすれば、Part5での正答率が確実に上がります。
次回のTOEICでは、未来完了を見たら「いつの時点での完了?」と考える習慣をつけてくださいね!