Part5で分詞の時制問題が出ると、混乱してしまうことはありませんか?
特に「having+過去分詞」の構文を見ると、「これはどういう意味?」「普通の分詞とどう違うの?」と悩んでしまう方も多いですよね。
実は、この構文は時制の前後関係さえ理解すれば、確実に正解できるようになります。
今回は、730点突破に必要な分詞の時制、特に「having+過去分詞」の使い方を、分かりやすくマスターしていきましょう。
分詞構文の時制を理解しよう
分詞構文の時制を簡単に説明すると、「2つの動作の時間的な関係」を表すものです。
例えば、朝の通勤を想像してみてください。 「駅に着いてから、電車に乗る」という2つの動作があるとき、どちらが先に起きるかは明確ですよね。
英語の分詞構文も同じで、先に起きた動作を表すときに「having+過去分詞」を使うんです。
having+過去分詞の基本ルール
では、具体的にどう使い分けるのか見ていきましょう。
通常の分詞(同時または連続した動作)
Finishing the report, she sent it to her manager.
(レポートを完成させて、彼女はそれをマネージャーに送った)
この場合、「完成」と「送信」はほぼ同時、または連続した動作です。
having+過去分詞(明確に先に起きた動作)
Having finished the report the day before, she was relaxed at the meeting.
(前日にレポートを完成させていたので、彼女は会議でリラックスしていた)
ここでは、「レポート完成」が「会議」よりも明確に前に起きています。
Part5での頻出パターン
Part5では、年間約8-10問程度、分詞の時制に関する問題が出題されます。
主な出題パターンは以下の3つです。
パターン1:完了の意味を持つ文脈
ビジネスシーンでの「準備完了→次の行動」という流れがよく出題されます。
例題:
_____ all necessary documents, the team proceeded with the presentation.
(A) Preparing
(B) Having prepared
(C) To prepare
(D) Prepared
正解は(B)です。 「書類の準備」が「プレゼン開始」より前に完了していることが文脈から明らかだからです。
パターン2:原因と結果の関係
過去の出来事が現在の状況の原因となっている場合です。
例題:
_____ in the industry for 20 years, Mr. Chen has extensive knowledge.
(A) Working
(B) Having worked
(C) To work
(D) Worked
正解は(B)です。 20年の経験(過去)が、現在の豊富な知識(結果)につながっています。
パターン3:否定文での使用
「〜していなかったので」という否定の完了形もよく出ます。
例題:
_____ the email, she was unaware of the schedule change.
(A) Not receiving
(B) Not having received
(C) Not to receive
(D) Not received
正解は(B)です。 メールを受け取っていなかった(過去)ことが、予定変更を知らなかった(その後)原因です。
間違えやすいポイントと対策
日本人学習者が特に間違えやすいのは、以下の点です。
- 時制の前後関係を見落とす:文全体の時系列を確認せずに選んでしまう
- having+過去分詞を使いすぎる:同時の動作でも使ってしまう
- 受動態との混同:過去分詞だけの選択肢と迷ってしまう
特に時系列の確認は、多くの人が見落としがちです。
確実に正解するための3ステップ
では、実際の解き方を見ていきましょう。
ステップ1:2つの動作を特定する
まず、文中の2つの動作(分詞部分と主節の動詞)を見つけます。
これらの動作の時間的な関係を把握することが、正解への第一歩です。
ステップ2:時間的な前後関係を判断
次に、どちらの動作が先に起きたかを文脈から判断します。
時間を表す語句(before, after, for...years等)があれば、それが大きなヒントになります。
ステップ3:適切な形を選択
最後に、以下の基準で選びます:
- 同時または連続 → 現在分詞(-ing)
- 明確に前 → having+過去分詞
- 受動的な意味 → 過去分詞のみ
実践問題にチャレンジ
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
問題1:_____ the contract carefully, the lawyer found several issues.
(A) Examining
(B) Having examined
(C) To examine
(D) Examined
考えてみてくださいね。
正解は(B)です!
契約書を詳しく調べた(過去の動作)結果として、問題点を見つけた(その後の動作)という時系列になっています。 「carefully」という副詞も、じっくり時間をかけて調べたことを示唆していますね。
問題2:_____ by many customers, the product became a bestseller.
(A) Purchasing
(B) Having purchased
(C) To purchase
(D) Purchased
こちらはどうでしょうか?
正解は(D)です!
この場合は受動態で、「多くの顧客に購入された」という意味になります。 主語のproductは購入される側なので、過去分詞のみが正解です。
まとめ
分詞の時制、特に「having+過去分詞」のポイントは、2つの動作の時間的な前後関係を正確に把握するということです。
この記事で紹介した3つのステップを意識すれば、Part5での正答率が確実に上がります。
次回のTOEICでは、分詞の問題を見たら「時系列チェック」を忘れずに。 きっと自信を持って解答できるようになりますよ!