Part5で「probably」「possibly」「certainly」などの可能性を表す語の使い分けに迷ったことはありませんか?
「どれも『たぶん』って意味でしょ?」と思っていても、実際には確率の程度が全く異なる表現なんです。
実は、ビジネス英語では可能性の程度を正確に伝えることが非常に重要で、これを間違えると誤解やトラブルの原因になってしまいます。730点以上を目指すには、この蓋然性表現の微妙な違いを理解することが必須です。
今回は、Part5で年間約5-8問出題される蓋然性表現を、確率レベル別に整理して完全マスターしていきましょう!
蓋然性表現とは何か
まず、蓋然性表現の基本概念を理解しましょう。
蓋然性表現の定義
蓋然性表現(Probability Expressions) = 物事が起こる可能性や確信度を示す語句
機能:
- 話し手の確信度を聞き手に正確に伝える
- リスク管理やビジネス判断での精密なコミュニケーション
- 責任の所在を明確にする
日常生活で例えると、天気予報の降水確率のようなものです。 「雨が降る可能性が10%」と「90%」では全く行動が変わりますよね。
つまり、話し手の確信レベルを数値的に表現する重要なビジネススキルが蓋然性表現なんです。
可能性の程度による10段階分類
TOEICで出題される蓋然性表現を確率レベル順に整理しました。
レベル10:確実性(95-100%)
certainly(確実に、間違いなく)
確率レベル:
95-100%
ニュアンス:
強い確信、ほぼ断定的
例:
- The project will certainly be completed by the deadline.(プロジェクトは確実に期限までに完了します)
- This strategy will certainly increase our market share.(この戦略は間違いなく市場シェアを増やします)
definitely(絶対に、確実に)
確率レベル:
95-100%
ニュアンス:
非常に強い確信、断定的
例:
- We will definitely need additional funding.(追加資金は絶対に必要になります)
- The meeting will definitely be postponed.(会議は確実に延期されます)
レベル9:高い確率(85-95%)
almost certainly(ほぼ確実に)
確率レベル:
85-95%
ニュアンス:
非常に高い確信度
例:
- The merger will almost certainly be approved.(合併はほぼ確実に承認されるでしょう)
- Sales will almost certainly exceed targets this quarter.(売上は今四半期ほぼ確実に目標を上回ります)
レベル8:非常に高い確率(75-85%)
very likely(非常に可能性が高い)
確率レベル:
75-85%
ニュアンス:
高い確信度、強い期待
例:
- It's very likely that we'll expand to Asia next year.(来年アジアに展開する可能性は非常に高いです)
- The proposal is very likely to be accepted.(提案が受け入れられる可能性は非常に高いです)
レベル7:高い確率(65-75%)
probably(おそらく、たぶん)
確率レベル:
65-75%
ニュアンス:
中程度から高めの確信度
例:
- The economy will probably recover by next year.(経済は来年までにおそらく回復するでしょう)
- We'll probably need to hire more staff.(おそらく追加のスタッフを雇う必要があります)
likely(~しそうな、可能性が高い)
確率レベル:
65-75%
ニュアンス:
客観的な可能性の高さ
例:
- Interest rates are likely to rise.(金利は上昇する可能性が高いです)
- The project is likely to face delays.(プロジェクトは遅延に直面する可能性が高いです)
レベル6:中程度の確率(45-65%)
possibly(もしかすると、ひょっとして)
確率レベル:
45-65%
ニュアンス:
中程度の可能性、不確実性を含む
例:
- We could possibly launch the product earlier.(製品をもしかすると早めにローンチできるかもしれません)
- The meeting might possibly be rescheduled.(会議はひょっとして再スケジュールされるかもしれません)
perhaps / maybe(たぶん、もしかすると)
確率レベル:
45-65%
ニュアンス:
不確実性、推測
例:
- Perhaps we should consider alternative solutions.(たぶん代替案を検討すべきでしょう)
- Maybe the market conditions will improve.(もしかすると市場状況は改善するかもしれません)
レベル5:低めの確率(25-45%)
unlikely(~しそうにない、可能性が低い)
確率レベル:
25-45%
ニュアンス:
可能性は低いが完全に否定はしない
例:
- It's unlikely that the deadline will be met.(期限が守られる可能性は低いです)
- The proposal is unlikely to gain approval.(提案が承認される可能性は低いです)
レベル4:非常に低い確率(5-25%)
highly unlikely(非常に可能性が低い)
確率レベル:
5-25%
ニュアンス:
かなり低い可能性
例:
- It's highly unlikely that we'll reach agreement today.(今日合意に達する可能性は非常に低いです)
- The budget increase is highly unlikely to be approved.(予算増額が承認される可能性は非常に低いです)
レベル3:ほぼ不可能(0-5%)
almost impossible(ほぼ不可能)
確率レベル:
0-5%
ニュアンス:
理論的には可能だが現実的でない
例:
- It's almost impossible to complete the project in one week.(1週間でプロジェクトを完了するのはほぼ不可能です)
- Finding a solution by tomorrow is almost impossible.(明日までに解決策を見つけるのはほぼ不可能です)
Part5での出題パターン
蓋然性表現は、Part5で主に4つのパターンで出題されます。
パターン1:確信度レベルの選択
例題:
Based on current market trends, sales will _____ increase next quarter.
(A) certainly
(B) probably
(C) possibly
(D) unlikely
正解は(B)です。 市場トレンドに基づく推測なので、「probably」(65-75%の確率)が適切です。
パターン2:文脈に応じた確率判断
例題:
Given the strong opposition from stakeholders, the proposal is _____ to be rejected.
(A) certainly
(B) probably
(C) likely
(D) unlikely
正解は(C)です。 強い反対があるという文脈から、拒否される可能性が高いので「likely」が適切です。
パターン3:ビジネス判断での確信度
例題:
The budget constraints make it _____ that we can hire additional staff this year.
(A) certain
(B) likely
(C) possible
(D) unlikely
正解は(D)です。 予算制約という制限要因があるので、採用の可能性は低く「unlikely」が正解です。
パターン4:リスク評価での表現
例題:
Without proper maintenance, equipment failure is _____ to occur.
(A) certainly
(B) very likely
(C) possibly
(D) unlikely
正解は(B)です。 適切なメンテナンスなしでは故障の可能性が高いので「very likely」が適切です。
間違えやすいポイント
日本人学習者がよく間違える蓋然性表現の使い分けを整理しました。
よくある間違い1:probably vs possiblyの混同
❌ 間違い: Based on solid data, this will possibly succeed.
✅ 正解: Based on solid data, this will probably succeed.
ポイント:
確実なデータがあれば確率は高い(probably)
よくある間違い2:certainly vs definitelyの過度な使用
❌ 間違い: The weather will certainly be nice tomorrow.(天気予報は100%確実ではない)
✅ 正解: The weather will probably be nice tomorrow.
ポイント:
不確実な事象には適度な表現を使用
よくある間違い3:文脈との不一致
❌ 間違い: Despite major obstacles, success is certain.
✅ 正解: Despite major obstacles, success is possible.
ポイント:
障害がある場合は確率を下げて表現
よくある間違い4:ビジネスでの不適切な断定
❌ 間違い: The project will definitely be profitable.(リスクを考慮していない)
✅ 正解: The project will likely be profitable.
ポイント:
ビジネスでは適度な慎重さが必要
ビジネス英語での実践的使用法
実際のビジネスシーンでよく使われる蓋然性表現を場面別に整理しました。
プロジェクト管理での蓋然性表現
進捗予測:
- The milestone will probably be reached on schedule.(マイルストーンはおそらくスケジュール通りに達成されるでしょう)
- Additional resources will very likely be needed for Phase 2.(フェーズ2では追加リソースが非常に必要になる可能性が高いです)
- Budget overrun is unlikely if we control expenses carefully.(費用を注意深く管理すれば予算超過の可能性は低いです)
リスク評価:
- Technical issues will possibly arise during implementation.(実装中に技術的問題がもしかすると発生するかもしれません)
- The deadline is almost certainly achievable with current resources.(現在のリソースで期限はほぼ確実に達成可能です)
市場分析・戦略会議での蓋然性表現
市場予測:
- Demand will likely increase in the next quarter.(需要は次の四半期に増加する可能性が高いです)
- Competition will probably intensify as new players enter.(新規参入者が入ることで競争はおそらく激化するでしょう)
- Market share gains are highly unlikely without significant investment.(大幅な投資なしに市場シェア拡大は非常に可能性が低いです)
戦略提案:
- This approach will certainly reduce operational costs.(このアプローチは確実に運営コストを削減します)
- Customer satisfaction will very likely improve with these changes.(これらの変更で顧客満足度は非常に向上する可能性が高いです)
財務・投資判断での蓋然性表現
収益予測:
- ROI will probably exceed 15% within two years.(ROIは2年以内におそらく15%を超えるでしょう)
- Break-even is likely to occur in Month 18.(損益分岐点は18ヶ月目に達する可能性が高いです)
- Losses are unlikely if we follow the conservative plan.(保守的な計画に従えば損失の可能性は低いです)
投資リスク:
- Capital recovery is almost certain with this investment.(この投資で資本回収はほぼ確実です)
- Market volatility will possibly affect short-term returns.(市場の変動性が短期利益にもしかすると影響するかもしれません)
交渉・契約での蓋然性表現
合意の見通し:
- Agreement is very likely if we address their concerns.(彼らの懸念に対処すれば合意の可能性は非常に高いです)
- Contract renewal is probably automatic unless either party objects.(どちらかが反対しない限り契約更新はおそらく自動的です)
- Compromise is unlikely given their current position.(現在の彼らの立場を考えると妥協の可能性は低いです)
文脈による適切な選択
状況と目的に応じた蓋然性表現の選び方をご紹介します。
データの確実性による選択
確実なデータ・実績がある場合:
- certainly, definitely, very likely
- 例:過去の実績に基づく予測
推測・分析に基づく場合:
- probably, likely, possibly
- 例:市場調査に基づく予測
不確実要素が多い場合:
- possibly, maybe, unlikely
- 例:新しい市場への参入予測
リスクレベルによる選択
低リスク・安全な予測:
- certainly, very likely, probably
- 例:確立された手法の採用
中リスク・標準的な予測:
- likely, probably, possibly
- 例:一般的なビジネス判断
高リスク・慎重な予測:
- possibly, unlikely, highly unlikely
- 例:革新的な技術への投資
聞き手への配慮による選択
上司・重要な利害関係者:
- より慎重な表現を選択
- 例:probably → possibly
同僚・チームメンバー:
- 適度な確信度で表現
- 例:likely, probably
部下・実行担当者:
- 明確な方向性を示す表現
- 例:certainly, very likely
練習問題にチャレンジ
理解度を確認してみましょう。
問題1:Given the comprehensive market research and positive customer feedback, the new product launch will _____ be successful.
(A) possibly
(B) probably
(C) unlikely
(D) certainly
考えてみてくださいね。
正解は(B)です!
包括的な市場調査と好意的な顧客フィードバックという根拠はあるものの、新商品発売は不確実要素もあるため「probably」(65-75%の確率)が適切です。 「certainly」は過度に確信的すぎます。
問題2:Without significant changes to our current strategy, achieving the annual targets is _____.
(A) certain
(B) likely
(C) possible
(D) unlikely
正解は(D)です!
「重要な変更なしに」という条件は制限要因を示しており、年間目標達成の可能性は低いことを示唆しているので「unlikely」が正解です。 現在の戦略では不十分だという文脈が重要です。
730点突破のための蓋然性戦略
高得点を目指すための学習戦略をご紹介します。
戦略1:確率レベルの正確な把握
- 各表現の確率レンジを数値で理解
- 文脈から適切な確信度を判断
- 過度に確信的・悲観的にならない
戦略2:ビジネス文脈での適切性
- リスク管理の観点から表現を選択
- 聞き手への責任を考慮した表現
- 専門性と謙虚さのバランス
戦略3:根拠の強さとの対応
- データの質と確信度の一致
- 推測レベルに応じた表現調整
- 過度な断定を避ける慎重さ
戦略4:文化的配慮の理解
- アメリカ英語での標準的確信度
- ビジネス英語での適切な謙遜
- 国際的なコミュニケーションでの配慮
まとめ
蓋然性表現をマスターするポイントは、確率レベルの正確な理解と文脈に応じた適切な選択です。
10段階の蓋然性表現:
- 確実(95-100%):certainly, definitely
- 高確率(75-85%):very likely, probably
- 中確率(45-65%):possibly, perhaps
- 低確率(25-45%):unlikely
- 極低確率(0-25%):highly unlikely, almost impossible
これらの蓋然性表現を正確に理解すれば、Part5での確率表現問題で確実に得点でき、730点以上の高得点が見えてきます。
ぜひ今日から意識的に蓋然性表現を使って、より正確で信頼性の高いビジネスコミュニケーションを身につけてくださいね!