Part5で「must」「have to」「should」の選択問題が出ると、「どれも義務を表すのに、なぜ使い分けが必要なの?」と困惑してしまうことはありませんか?
「全部『〜しなければならない』という意味では?」と思って、適当に選んでしまう方も多いですよね。
実は、これらの義務表現には明確な強制度の違いがあり、文脈を理解すれば確実に正解を選べるようになります。
今回は、730点突破に必要な義務表現の使い分け完全版を、分かりやすくマスターしていきましょう。
義務表現とは?
義務表現を簡単に説明すると、「何かをする必要性や義務の強さを表す表現」のことです。
例えば、会社での指示を想像してみてください。 同じ「やるべきこと」でも、緊急度や重要度によって表現が変わります:
✅ You must submit the report by 5 PM.(絶対的義務)
✅ You have to attend the meeting.(外的義務)
✅ You should review the document.(推奨・助言)
それぞれ異なる強制度を表しているんです。
義務表現の強制度ランキング
義務表現は強制度によって以下のように分類できます。
1位:must(最強の義務・99%)
話し手の強い意志による絶対的な義務
強制度:★★★★★
ニュアンス:絶対に〜しなければならない
使用場面:規則、法律、緊急事態
例文:
Employees must wear safety equipment in this area.
(この区域では従業員は安全装備を着用しなければならない)
2位:have to(外的義務・90%)
外的な状況による必要性
強制度:★★★★☆
ニュアンス:〜する必要がある(状況的に)
使用場面:規則、システム、外的要因
例文:
We have to finish this project by Friday.
(金曜日までにこのプロジェクトを終えなければならない)
3位:should(推奨・70%)
助言や推奨
強制度:★★★☆☆
ニュアンス:〜するべきだ(推奨)
使用場面:アドバイス、提案、道徳的義務
例文:
You should check your email regularly.
(定期的にメールをチェックするべきです)
mustの特徴と使い方
「must」は最も強い義務を表します。
mustの特徴
- 話し手の強い意志を表現
- 絶対的な必要性を示す
- 規則や法律でよく使用
- 感情的な強さを含む
よく使われる場面
法的義務:All visitors must register at reception.
安全規則:Staff must wash hands before entering.
緊急性:We must act immediately.
道徳的義務:We must help those in need.
mustの注意点
- 過去形がない(had toを使用)
- 疑問文・否定文では特殊な形
- ビジネス文書では少しきつい印象
have toの特徴と使い方
「have to」は外的な必要性を表します。
have toの特徴
- 外的な状況による義務
- 客観的な必要性を示す
- 時制変化が可能
- ビジネスで最も一般的
よく使われる場面
仕事の締切:I have to submit the report today.
システム要件:Users have to create an account.
外的制約:We have to follow company policy.
時間的制約:She has to leave at 3 PM.
have toの時制変化
現在:have to / has to
過去:had to
未来:will have to
現在完了:have had to
shouldの特徴と使い方
「should」は推奨や助言を表します。
shouldの特徴
- 助言・推奨のニュアンス
- 道徳的義務を表現
- やわらかい表現
- 提案としての使用
よく使われる場面
アドバイス:You should take a break.
推奨:Companies should invest in training.
提案:We should consider other options.
道徳的義務:Everyone should respect others.
shouldの関連表現
should have + 過去分詞:〜するべきだった
shouldn't:〜するべきではない
Should I...?:〜するべきですか?
Part5での頻出出題パターン
義務表現は、Part5で年間約10-12問出題される超重要項目です。
主な出題パターンは以下の4つです。
パターン1:強制度による選択
文脈から適切な強制度を判断するパターンです。
例題:
All employees _____ attend the mandatory safety training.
(A) should
(B) have to
(C) must
(D) need
正解は(C)です。 「mandatory」(義務的な)という強い語句があるので「must」が正解です。
パターン2:ビジネス文脈での使い分け
ビジネスシーンでの適切な表現を選ぶパターンです。
例題:
To access the system, users _____ enter their password.
(A) should
(B) have to
(C) must
(D) ought to
正解は(B)です。 システム要件という外的な必要性なので「have to」が適切です。
パターン3:時制を考慮した選択
時制の制約を考慮するパターンです。
例題:
Yesterday, we _____ work overtime to meet the deadline.
(A) must
(B) should
(C) had to
(D) have to
正解は(C)です。 過去の出来事なので「had to」が正解です。
パターン4:推奨・助言の表現
アドバイスや提案の文脈でのパターンです。
例題:
You _____ review the contract before signing it.
(A) must
(B) have to
(C) should
(D) need to
正解は(C)です。 助言のニュアンスなので「should」が適切です。
文脈による判断方法
適切な義務表現を選ぶための判断基準を紹介します。
ステップ1:強制度を判断
文中のキーワードから強制度を判断します。
強い義務のキーワード:
- mandatory(義務的な)
- required(必要な)
- essential(不可欠な)
- immediately(即座に)
中程度の義務のキーワード:
- necessary(必要な)
- important(重要な)
- policy(方針)
- system(システム)
弱い義務のキーワード:
- recommend(推奨する)
- suggest(提案する)
- advisable(望ましい)
- better(より良い)
ステップ2:話し手の立場を考慮
誰が義務を課しているかを考えます。
- 権威者・法律 → must
- システム・状況 → have to
- 助言者・同僚 → should
ステップ3:時制を確認
時制の制約があるかをチェックします。
- 過去形が必要 → had to
- 現在・未来 → must/have to/should
間違えやすいポイント
日本人学習者が特に間違えやすいのは、以下の点です。
- すべて「〜しなければならない」と考える:強制度の違いを理解していない
- mustを多用する:ビジネス文書でmustを使いすぎる
- 時制を無視する:過去形でmustを使ってしまう
特にビジネス文書では「have to」が最も自然な場合が多いです。
実践問題にチャレンジ
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
問題1:All participants _____ sign the confidentiality agreement.
(A) should
(B) have to
(C) must
(D) ought to
考えてみてくださいね。
正解は(C)です!
機密保持契約書への署名は法的義務であり、絶対的な必要性があるため「must」が正解です。 「All participants」という表現も強制度の高さを示しています。
問題2:Employees _____ take regular breaks to maintain productivity.
(A) should
(B) have to
(C) must
(D) need
こちらはどうでしょうか?
正解は(A)です!
生産性維持のための休憩は推奨事項であり、強制的ではないため「should」が正解です。 健康やパフォーマンスに関する助言のニュアンスです。
関連表現も覚えよう
義務表現には他にもいくつかの関連表現があります。
その他の義務表現
need to → 必要がある(客観的)
ought to → するべきだ(shouldよりやや強い)
be supposed to → することになっている
be required to → 要求されている
be obliged to → 義務がある
強制度の比較
最強:must
強い:be required to, have to
中程度:need to, be supposed to
弱い:should, ought to
最弱:might want to
まとめ
義務表現のポイントは、文脈から適切な強制度を判断することです。
- must → 絶対的義務(話し手の強い意志)
- have to → 外的義務(状況的必要性)
- should → 推奨・助言(やわらかい義務)
この違いを理解して、キーワードや話し手の立場を考慮すれば、Part5での正答率が確実に上がります。
次回のTOEICでは、義務表現を見たら「どのくらい強制的?」「誰が決めた義務?」と考える習慣をつけてくださいね!