Part5で「Can I」「May I」「Am I allowed to」の選択肢が並んだとき、どれも「〜してもいいですか?」という意味で迷ったことはありませんか?
「どれも許可を求める表現で同じに見える」「ビジネス場面でどれを使うべきか分からない」という悩みを持つ学習者は多いです。
実は、これらの許可表現には明確な丁寧度とフォーマル度の違いがあり、それを理解することで適切に使い分けられるようになります。
今回は、TOEICで年間約2-3問出題されるこの重要項目を、ビジネス英語の観点から詳しく解説します。
許可表現の3段階レベル
許可表現を丁寧度の順に整理すると、以下のようになります。
カジュアル:
can(〜できる)
フォーマル:
may(〜してもよい)
最フォーマル:
be allowed to(〜することを許可される)
レストランでの注文に例えると:
- can:「ここに座れる?」(友人同士)
- may:「こちらにお座りしてもよろしいでしょうか?」(丁寧な接客)
- be allowed to:「こちらへの着席は許可されていますか?」(正式な場面)
canの特徴と使用場面
canは最もカジュアルな許可表現です。
基本的な意味
「〜できる」「〜してもいい」
能力と許可の両方の意味を持ちます。
使用場面
1. 同僚間のカジュアルな依頼
Can I borrow your pen?
(ペンを借りてもいい?)
2. 非公式な会議
Can we discuss this later?
(これについて後で話せる?)
3. 日常的な業務
Can I leave early today?
(今日は早く帰ってもいい?)
TOEICでの使用例
_____ I use your computer to check my email?
(A) Can
(B) May
(C) Am allowed to
(D) Should
文脈がカジュアルな場合は(A)が正解になることがあります。
mayの特徴と使用場面
mayはフォーマルな許可表現です。
基本的な意味
「〜してもよい」「〜させていただく」
丁寧で正式な許可を求める表現です。
使用場面
1. 顧客対応
May I help you with anything?
(何かお手伝いさせていただけますでしょうか?)
2. 正式な会議
May I interrupt for a moment?
(少しお時間をいただいてもよろしいでしょうか?)
3. 上司への依頼
May I take a vacation next week?
(来週、休暇をいただいてもよろしいでしょうか?)
TOEICでの使用例
_____ I suggest an alternative approach?
(A) Can
(B) May
(C) Am allowed to
(D) Must
フォーマルな提案の場面では(B)が適切です。
be allowed toの特徴と使用場面
be allowed toは最もフォーマルな許可表現です。
基本的な意味
「〜することを許可される」「〜してもよいことになっている」
規則や制度に基づいた許可を表します。
使用場面
1. 規則・方針に関する質問
Are employees allowed to work from home?
(従業員は在宅勤務を許可されていますか?)
2. 公式な手続き
Am I allowed to access this database?
(このデータベースへのアクセスは許可されていますか?)
3. 制度に関する確認
Are visitors allowed to enter without ID?
(来訪者はIDなしでの入場が許可されていますか?)
TOEICでの使用例
Employees _____ to use company vehicles for personal trips.
(A) can
(B) may
(C) are not allowed
(D) should not
規則に関する文では(C)が適切です。
丁寧度による使い分け判断基準
実際の問題で迷わないための判断基準をお教えします。
判断基準1:相手との関係
同僚・友人 → can 顧客・上司 → may 公式な規則 → be allowed to
判断基準2:場面のフォーマル度
カジュアルな会話 → can ビジネス会議 → may 公式文書・規則 → be allowed to
判断基準3:許可の性質
個人的な判断 → can/may 制度・規則による → be allowed to
TOEICでの出題パターン
許可表現は、Part5で年間約2-3問出題されます。
パターン1:場面に適した表現選択
文脈から適切な丁寧度の表現を選ぶ問題です。
例題:
_____ I schedule a meeting with the client for next week?
(A) Can
(B) May
(C) Am allowed to
(D) Should
正解は(B)です。 クライアントとの会議という重要な場面なので、mayが適切です。
パターン2:否定形での規則表現
規則や禁止事項を表す問題です。
例題:
Employees _____ to smoke inside the building.
(A) can't
(B) may not
(C) are not allowed
(D) shouldn't
正解は(C)です。 建物内での禁煙は会社の規則なので、are not allowedが適切です。
パターン3:時制による変化
過去や未来での許可表現の問題です。
ビジネス英語での実践的な使い分け
TOEICはビジネス英語のテストなので、職場での使い分けが重要です。
メールでの使い分け
同僚へ:
Can you send me the report?
上司へ:
May I request the report?
公式通知:
Employees are allowed to access the system.
会議での使い分け
チーム会議:
Can we move on to the next topic?
重要会議:
May I present the quarterly results?
規則説明:
Participants are allowed to ask questions.
顧客対応での使い分け
カジュアル:
Can I help you?
丁寧:
May I assist you today?
公式:
Customers are allowed to return items within 30 days.
間違えやすいポイント
日本人学習者が特に間違えやすいのは、以下の点です。
1. 場面の丁寧度を見落とす
ビジネス場面でcanを使いすぎてしまう。
改善例:
❌ Can I speak with the manager?
⭕ May I speak with the manager?
2. 規則表現での混同
個人的な許可と制度的な許可を混同する。
個人的:
May I leave early?
制度的:
Are employees allowed to leave early?
3. 否定形での表現
否定形での適切な表現を選べない。
個人的拒否:
You can't/may not do that.
規則違反:
You are not allowed to do that.
効率的な覚え方
効果的な覚え方をご紹介します。
1. 丁寧度スケールで覚える
can < may < be allowed to
2. 場面別フレーズで覚える
友人:
Can I...?
上司:
May I...?
規則:
Are we allowed to...?
3. 対比例文で覚える
Can I use this? (カジュアル)
May I use this? (丁寧)
Am I allowed to use this? (公式)
4. ビジネス場面で練習
実際の職場を想定した練習を行う。
練習問題にチャレンジ
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
問題1:_____ I make a suggestion regarding the project timeline?
(A) Can
(B) May
(C) Am allowed to
(D) Should
丁寧度を考えて選んでみてくださいね。
正解は(B)です!
プロジェクトのタイムラインという重要な事項への提案なので、フォーマルなmayが適切です。 「プロジェクトのタイムラインについて提案させていただいてもよろしいでしょうか?」という意味になります。
問題2:According to company policy, visitors _____ to enter the building without proper identification.
(A) can't
(B) may not
(C) are not allowed
(D) shouldn't
正解は(C)です!
「company policy」(会社の方針)という規則に基づく内容なので、are not allowedが適切です。 「会社の方針により、来訪者は適切な身分証明書なしでの建物への入場は許可されていません」という意味になります。
まとめ
許可表現の使い分けのポイントは、丁寧度とフォーマル度を理解することです。
この記事で紹介した判断基準を使えば、Part5での正答率が確実に上がります。
- can = カジュアル(同僚・友人)
- may = フォーマル(上司・顧客)
- be allowed to = 最フォーマル(規則・制度)
ぜひ今日から実践して、スコアアップを目指してくださいね!