「must」と「should」の使い分けで迷ったことはありませんか?
Part5で「Employees _ wear safety equipment in the factory」のような問題を見ると、どの助動詞を選べばいいか悩んでしまいますよね。
実は、義務と任意の表現には明確な強さの段階があり、それを理解すれば確実に正解を選べるようになります。
今回は、ビジネス英語で必須の義務・任意表現を、実践的にマスターしていきましょう。
義務と任意の基本概念
義務・任意の表現を簡単に理解するには、「強制力の強さ」で考えると分かりやすいです。
例えば、会社のルールを想像してください。 「出勤時間は9時です」(絶対的義務) 「早めに来ることをお勧めします」(推奨) 「自由な服装でも構いません」(任意)
この強制力の違いが、英語の助動詞選択の基本なんです。
Part5での義務・任意表現の出題パターン
義務・任意に関する助動詞問題は、Part5で年間約5-7問出題される重要項目です。
主な出題パターンは以下の通りです。
パターン1:絶対的義務(must/have to)
must:内的義務(話し手の判断) have to:外的義務(規則・法律)
例題:
All visitors _____ sign in at the reception desk.
(A) must
(B) should
(C) may
(D) can
正解は(A)です。 セキュリティ上の絶対的なルールなので、mustが適切です。
パターン2:推奨・助言(should/ought to)
should:強い推奨 ought to:道徳的義務
例題:
Employees _____ submit their reports by Friday to avoid delays.
(A) must
(B) should
(C) may
(D) might
正解は(B)です。 遅延回避のための推奨なので、shouldが適切です。
パターン3:許可・可能性(may/can/might)
may:丁寧な許可・可能性 can:能力・一般的許可 might:低い可能性
例題:
Customers _____ request a refund within 30 days of purchase.
(A) must
(B) should
(C) may
(D) will
正解は(C)です。 返金の権利(許可)を表すので、mayが適切です。
5つの表現の強さの段階
義務・任意表現を強い順に整理すると以下のようになります。
レベル5:絶対的義務(must/have to)
使用場面:
- 法的義務:must pay taxes(税金を払わなければならない)
- 安全規則:must wear helmets(ヘルメット着用義務)
- 会社規定:have to attend the meeting(会議出席必須)
レベル4:強い推奨(should/ought to)
使用場面:
- 業務上の推奨:should check email regularly(定期的なメール確認推奨)
- 効率的な方法:should use the new system(新システム使用推奨)
- アドバイス:should arrive early(早めの到着推奨)
レベル3:軽い推奨(had better)
使用場面:
- 警告を含む助言:had better finish soon(早く終えた方がいい)
- 結果を考慮した提案:had better call first(先に電話した方がいい)
レベル2:許可・可能性(may/can)
使用場面:
- 許可:may leave early(早退可能)
- 選択肢:can choose either option(どちらでも選択可)
- 丁寧な表現:may I help you?(お手伝いしましょうか?)
レベル1:低い可能性(might/could)
使用場面:
- 不確実な予測:might rain tomorrow(明日雨かもしれない)
- 控えめな提案:could try this method(この方法を試してもいいかも)
文脈から強さを判断するテクニック
実際の問題で素早く正解を選ぶコツをお伝えします。
テクニック1:主語で判断する
主語によって適切な助動詞が決まることがあります。
All employees/staff → must/have to(全員対象の義務) Customers/Visitors → may/can(権利・許可) You → should/ought to(個人への推奨)
テクニック2:文脈の重要度を確認
文の内容から重要度を判断します。
安全・法律関連 → must/have to 効率・改善関連 → should サービス・選択肢 → may/can
テクニック3:結果の重要性を考慮
守らなかった場合の結果を想定します。
重大な結果 → must/have to 不便な結果 → should 特に問題なし → may/can
テクニック4:丁寧さのレベル
ビジネス文書では丁寧さも重要です。
命令的 → must 推奨的 → should 丁寧 → may/might
よくある間違いパターンと対策
日本人学習者が特に注意すべきポイントを整理しました。
間違い1:mustとhave toの混同
must:話し手の判断による義務 have to:外部ルールによる義務
You must be careful.(私はあなたが注意すべきだと思う)
You have to follow the rules.(規則に従う必要がある)
間違い2:shouldとmustの使い分け
should:推奨・助言 must:絶対的義務
You should exercise.(運動することをお勧めします)
You must exercise.(運動しなければなりません)
間違い3:mayとcanの違い
may:より丁寧・フォーマル can:一般的・カジュアル
May I help you?(お手伝いしましょうか?)- フォーマル
Can I help you?(手伝いましょうか?)- カジュアル
実践問題で判断力をチェック
義務・任意の判断力を確認してみましょう。
問題1:Due to safety regulations, all workers _____ wear protective gear.
(A) may
(B) should
(C) must
(D) might
判断のポイント:「safety regulations」(安全規則)
正解は(C)です!
安全規則という法的・制度的な義務なので、絶対的義務を表すmustが適切です。
問題2:Customers _____ choose from three different payment methods.
(A) must
(B) should
(C) may
(D) ought to
判断のポイント:「choose from」(選択肢)
正解は(C)です!
顧客の選択権を表しているので、許可・可能性を示すmayが適切です。
ビジネス文書での実践例
実際のビジネスシーンでよく使われる表現を見てみましょう。
会社規則での使用例
絶対的義務:
- Employees must clock in by 9:00 AM.(従業員は9時までに出勤登録必須)
- All documents have to be approved by the manager.(全文書は管理者承認が必要)
推奨事項:
- Staff should check email at least twice daily.(スタッフは1日2回以上メール確認推奨)
- You ought to attend the training session.(研修参加をお勧めします)
顧客サービスでの使用例
許可・選択肢:
- You may return the item within 14 days.(14日以内の返品可能)
- Customers can pay by cash or credit card.(現金・カード支払い可)
丁寧な提案:
- You might want to consider our premium service.(プレミアムサービスをご検討いただけます)
上級者向けの応用表現
さらに理解を深めるための応用パターンです。
過去の義務
had to:過去の義務
I had to work overtime yesterday.(昨日は残業しなければならなかった)
推測の表現
must be:確信の推測 might be:不確実な推測
He must be the new manager.(彼が新しいマネージャーに違いない)
It might be difficult.(難しいかもしれない)
否定形での注意点
must not:禁止 don't have to:義務なし
You must not smoke here.(ここで喫煙してはいけない)
You don't have to come early.(早く来る必要はない)
まとめ
義務・任意表現のポイントは、強制力の段階を正確に把握することです。
この記事で紹介した5つの表現を使えば、Part5での正答率が確実に向上します。
特に重要なのは:
- must/have to → 絶対的義務
- should/ought to → 強い推奨
- may/can → 許可・可能性
- might/could → 低い可能性
- 文脈から重要度を判断
ぜひ今日から実践して、助動詞問題を得点源にしてくださいね!