Part5で推量表現の問題が出ると、「must」「may」「might」「could」のどれが適切か迷ってしまうこと、ありませんか?
これらの法助動詞はすべて「〜かもしれない」「〜に違いない」という推量を表しますが、実は確実性のレベルに明確な違いがあるんです。
この確実性の違いを理解していないと、文脈に合わない選択をしてしまい、Part5で点数を落としてしまう可能性があります。
今回は、TOEIC Part5で確実に正解するための推量表現の確実性ランキングと使い分け術をお伝えします。
推量表現の確実性ランキング
推量表現を確実性の強さでランキングすると、以下のようになります。
確実性ランキング(高い順)
1位:must(〜に違いない) 90-95% ★★★★★
2位:may(〜かもしれない) 50-70% ★★★☆☆
3位:might(〜かもしれない) 30-50% ★★☆☆☆
4位:could(〜かもしれない) 20-40% ★☆☆☆☆
天気予報を見ながら明日の予定を考える場面を想像してください。 「絶対に雨だ」「たぶん雨だろう」「もしかすると雨かも」「ひょっとすると雨かも」では、確信の度合いが全く違いますよね。
英語の推量表現も同じように、確実性のレベルが異なるんです。
1位:must(90-95%の確実性)
最も確実性が高いmustから詳しく見ていきましょう。
mustの特徴
mustは「〜に違いない」という意味で、論理的な根拠に基づく強い確信を表します。
オフィスで同僚のデスクに荷物がなく、コートも持っていない状況を見て「彼はもう帰ったに違いない」と判断する場面を考えてください。 明確な証拠があるときの強い推量がmustです。
確実性レベル:★★★★★(90-95%) 根拠:論理的・客観的証拠に基づく
mustの使用例
She must be busy. Her office light is still on at 10 PM.
(彼女は忙しいに違いない。午後10時なのにオフィスの電気がまだついている)
The meeting must have started. The conference room is full.
(会議は始まったに違いない。会議室が満席だ)
He must know the answer. He's the project leader.
(彼は答えを知っているに違いない。彼がプロジェクトリーダーだから)
Part5でのmustパターン
The quarterly sales _____ exceed expectations, given the positive feedback.
(A) must
(B) may
(C) might
(D) could
正解は(A)です。 「好意的なフィードバックを考えると」という根拠があるため、確実性の高いmustが適切です。
2位:may(50-70%の確実性)
次に確実性が高いmayです。
mayの特徴
mayは「〜かもしれない」という意味で、可能性はあるが確信はない状況を表します。
レストランで友人を待ちながら「電車が遅れているのかもしれない」と考える場面を想像してください。 いくつかの理由が考えられるが、どれが正しいか分からない時に使うのがmayです。
確実性レベル:★★★☆☆(50-70%) 根拠:可能性はあるが不確実
mayの使用例
The meeting may be postponed due to the weather.
(天候のため会議は延期になるかもしれない)
She may have forgotten about the deadline.
(彼女は締切を忘れているかもしれない)
The new product may appeal to younger customers.
(新製品は若い顧客にアピールするかもしれない)
Part5でのmayパターン
The project timeline _____ need to be adjusted based on client feedback.
(A) must
(B) may
(C) will
(D) should
正解は(B)です。 クライアントのフィードバック次第で調整の可能性があるという意味で、mayが適切です。
3位:might(30-50%の確実性)
mayより確実性が低いmightです。
mightの特徴
mightは「〜かもしれない」という意味で、mayより控えめで不確実性が高い推量を表します。
スマホで天気アプリを見ながら「明日の夜は雨が降るかもしれない」と考える場面を考えてください。 可能性は低いが、完全に否定もできない時に使うのがmightです。
確実性レベル:★★☆☆☆(30-50%) 根拠:可能性は低いが否定できない
mightの使用例
The train might be delayed if the snow continues.
(雪が続けば電車は遅れるかもしれない)
He might have misunderstood the instructions.
(彼は指示を誤解したかもしれない)
This approach might not work for all customers.
(このアプローチはすべての顧客には通用しないかもしれない)
Part5でのmightパターン
The proposal _____ require additional research before implementation.
(A) must
(B) may
(C) might
(D) will
正解は(C)です。 実装前の追加調査の必要性について、控えめな推量を表すmightが適切です。
4位:could(20-40%の確実性)
最も確実性が低いcouldです。
couldの特徴
couldは「〜かもしれない」という意味で、最も控えめで可能性が低い推量を表します。
友人との雑談で「宝くじに当たったら世界旅行に行けるかもしれない」と話す場面を考えてください。 理論的には可能だが、現実的にはかなり低い可能性を表すのがcouldです。
確実性レベル:★☆☆☆☆(20-40%) 根拠:理論的な可能性のみ
couldの使用例
The issue could be related to the software update.
(問題はソフトウェアのアップデートに関連しているかもしれない)
She could have taken a different route to avoid traffic.
(彼女は渋滞を避けるために別のルートを取ったかもしれない)
This strategy could lead to unexpected results.
(この戦略は予想外の結果につながるかもしれない)
Part5でのcouldパターン
The delay _____ be caused by various factors beyond our control.
(A) must
(B) may
(C) might
(D) could
正解は(D)です。 「様々な要因によって」という不確実な状況で、couldが最も適切です。
実践トレーニング
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
練習問題1(制限時間:15秒)
Given the current market trends, our sales _____ increase significantly next quarter.
(A) must
(B) may
(C) might
(D) could
「現在の市場動向を考えると」という根拠がある推量ですね。
正解は(B)です!
市場動向という根拠はあるが、将来のことなので確実ではありません。 中程度の確実性を表すmayが適切です。
練習問題2(制限時間:15秒)
The server is down and all employees are unable to access files. The IT department _____ be working on it.
(A) must
(B) may
(C) might
(D) could
サーバーダウンの状況で、IT部門の対応について推量している文ですね。
正解は(A)です!
サーバーがダウンしているという明確な状況証拠があり、IT部門が対応するのは論理的必然です。 高い確実性を表すmustが適切です。
文脈による使い分けのコツ
確実性レベルを判断するためのキーワードを覚えましょう。
高確実性(must)のキーワード
明確な根拠・証拠:
- given that...(〜を考えると)
- based on the evidence(証拠に基づいて)
- obviously(明らかに)
- clearly(明確に)
中確実性(may)のキーワード
可能性の示唆:
- possibly(おそらく)
- depending on...(〜次第で)
- it's possible that...(〜の可能性がある)
低確実性(might/could)のキーワード
不確実性の表現:
- perhaps(ひょっとすると)
- it's unlikely but...(可能性は低いが)
- in some cases(場合によっては)
- theoretically(理論的には)
ビジネス英語での推量表現
TOEICはビジネス英語なので、実際のビジネス場面での使い分けが重要です。
会議での発言
高確実性:The budget must be approved by Friday. The deadline is fixed.
(予算は金曜日までに承認されるに違いない。締切は確定している)
中確実性:The client may request additional features.
(クライアントは追加機能を求めるかもしれない)
低確実性:This approach might work, but we need more data.
(このアプローチは効果があるかもしれないが、もっとデータが必要だ)
レポートでの記述
高確実性:Sales must improve if we implement this strategy.
(この戦略を実施すれば売上は向上するに違いない)
中確実性:Market conditions may affect our projections.
(市場状況が我々の予測に影響を与えるかもしれない)
低確実性:Competitors could respond with price cuts.
(競合他社は価格削減で対応してくるかもしれない)
よくある間違いパターン
日本人学習者が特に間違えやすいパターンを見てみましょう。
間違いパターン1:確実性レベルの誤判断
❌ 根拠がないのにmustを使う
✅ 根拠の強さに応じて適切な助動詞を選ぶ
間違いパターン2:日本語の「かもしれない」に惑される
❌ すべて「かもしれない」だからmayを選ぶ
✅ 文脈の確実性レベルを判断する
間違いパターン3:過去の推量との混同
現在の推量:He must be tired.(疲れているに違いない)
過去の推量:He must have been tired.(疲れていたに違いない)
本番での解答テクニック
Part5で確実に正解するためのコツをお伝えします。
-
根拠の強さをチェック
- 明確な証拠 → must
- 可能性の示唆 → may
- 不確実な状況 → might/could
-
キーワードを見つける
- given that, based on → must
- possibly, depending on → may
- perhaps, theoretically → might/could
-
文脈の論理性を考える
- 論理的必然 → must
- 複数の可能性 → may/might/could
-
15秒ルールを守る
- 推量問題は文脈理解が重要
-
ビジネス場面を意識
- フォーマルな文書では控えめな表現も多用
まとめ
推量表現の使い分けは、確実性のレベルと文脈の根拠を理解すれば確実に解けます。
今回紹介した確実性ランキングを意識すれば、
- Part5での推量問題の正答率が85%以上になる
- 1問あたりの解答時間が15秒以内になる
- ビジネス英語での表現力が向上する
という効果が期待できます。
must(論理的確信)、may(中程度の可能性)、might(控えめな推量)、could(低い可能性)の特徴を押さえて、確実にスコアアップを目指しましょう!