Part5で助動詞の過去形が出てくると、「could」「would」「might」「should」のどれが正解か迷ってしまうこと、ありませんか?
これらの助動詞は似たような意味を持ちながらも、微妙なニュアンスの違いがあるため、多くの学習者が混乱してしまいます。
でも実は、それぞれの助動詞には明確な特徴があり、文脈とキーワードを見分けることで、確実に正解を選べるようになります。
今回は、TOEIC Part5で頻出する助動詞の過去形の微妙な違いと、使い分けのコツを徹底解説します。
助動詞の過去形の基本概念
助動詞の過去形を簡単に説明すると、「現在より控えめ・丁寧・不確実」な表現です。
友人にお願いをする場面を想像してください。 「手伝って」と直接言うより「手伝ってもらえる?」と丁寧に言う方が、相手への配慮が感じられますよね。
英語の助動詞の過去形も同じように、現在形より丁寧で控えめなニュアンスを表現するんです。
基本の変化:
- can → could(能力・可能性)
- will → would(意志・習慣)
- may → might(許可・可能性)
- shall → should(義務・提案)
could:能力・可能性・丁寧な依頼
まず、couldの用法から見ていきましょう。
couldの主な用法
couldは「できた」「できるかもしれない」「していただけませんか」という意味で使われます。
スマホのアプリが動かない時に「昨日はちゃんと使えたのに」と思う気持ちや、友人に「ちょっと手伝ってもらえる?」とお願いする場面がcouldの感覚です。
主な用法:
1.
過去の能力:I could swim when I was young.
2.
現在の可能性:It could rain tomorrow.
3.
丁寧な依頼:Could you help me?
Part5での頻出パターン
_____ you please send me the document by email?
(A) Can
(B) Could
(C) Will
(D) Would
正解は(B)です。 丁寧な依頼を表すcouldが最適です。
would:意志・習慣・仮定
次に、wouldの用法です。
wouldの主な用法
wouldは「〜したい」「〜したものだった」「〜するだろう」という意味で使われます。
レストランでの注文で「コーヒーをお願いします」と言う時や、昔話で「祖父はよく散歩をしたものだった」と話す場面がwouldの感覚です。
主な用法:
1.
丁寧な意志:I would like some coffee.
2.
過去の習慣:He would often visit us.
3.
仮定法:If I were rich, I would travel.
Part5での出題例
I _____ appreciate it if you could respond by Friday.
(A) will
(B) would
(C) can
(D) could
正解は(B)です。 「〜していただければありがたいのですが」という丁寧な表現でwouldを使います。
might:可能性・許可・推量
3つ目は、mightの用法です。
mightの主な用法
mightは「〜かもしれない」「〜してもよい」という意味で、mayより控えめな表現です。
天気予報を見ながら「雨が降るかもしれない」と言う時や、上司に「早退してもよろしいでしょうか」と許可を求める場面がmightの感覚です。
主な用法:
1.
低い可能性:It might rain this afternoon.
2.
丁寧な許可:Might I ask a question?
3.
控えめな推量:She might be busy now.
Part5での出題例
The meeting _____ be postponed due to the weather conditions.
(A) will
(B) would
(C) might
(D) should
正解は(C)です。 天候次第で延期の「可能性がある」という意味でmightを使います。
should:義務・提案・推量
最後に、shouldの用法です。
shouldの主な用法
shouldは「〜すべきだ」「〜したらどうですか」「〜のはずだ」という意味で使われます。
友人へのアドバイスで「もっと勉強した方がいいよ」と言う時や、電車の時刻を確認して「もうすぐ着くはずだ」と言う場面がshouldの感覚です。
主な用法:
1.
義務・忠告:You should study harder.
2.
提案:We should leave early.
3.
推量:The train should arrive soon.
Part5での出題例
All employees _____ attend the safety training session.
(A) could
(B) would
(C) might
(D) should
正解は(D)です。 安全講習への参加は「義務」なので、shouldを使います。
使い分けの判断基準
では、実際の判断方法を見ていきましょう。
判断ステップ1:文脈のキーワードを確認
まず、文中のキーワードから用法を判断します。
couldのキーワード:
- please, possibly, perhaps(依頼・可能性)
wouldのキーワード:
- like, prefer, if(意志・仮定)
mightのキーワード:
- perhaps, possibly, due to(可能性・推量)
shouldのキーワード:
- must, necessary, advisable(義務・提案)
判断ステップ2:話者の態度を考える
次に、話者がどのような態度で話しているかを考えます。
- 依頼・お願い → could
- 希望・意志 → would
- 不確実な推量 → might
- 強い推奨・義務 → should
実践トレーニング
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
練習問題1(制限時間:15秒)
_____ you mind if I opened the window?
(A) Could
(B) Would
(C) Might
(D) Should
「窓を開けても気になさいませんか?」という丁寧な許可の求め方ですね。
正解は(B)です!
「Would you mind if...?」は丁寧な許可を求める定型表現です。 「〜しても構いませんか」という意味になります。
練習問題2(制限時間:15秒)
The package _____ arrive by tomorrow if it was sent yesterday.
(A) could
(B) would
(C) might
(D) should
昨日送られた荷物の到着について推量している文ですね。
正解は(D)です!
「昨日送られたなら、明日までには着くはずだ」という論理的な推量なので、shouldを使います。
微妙な違いとニュアンス
同じような場面でも、助動詞によってニュアンスが変わります。
可能性の強さの違い
It will rain tomorrow.(確実:100%)
It should rain tomorrow.(かなり確実:80-90%)
It might rain tomorrow.(可能性低い:30-50%)
It could rain tomorrow.(可能性あり:50-70%)
丁寧さの度合い
Can you help me?(普通の依頼)
Could you help me?(丁寧な依頼)
Would you help me?(より丁寧な依頼)
Might I ask for your help?(非常に丁寧・フォーマル)
提案・アドバイスの強さ
You must study.(命令:強制的)
You should study.(忠告:強い推奨)
You could study.(提案:選択肢の一つ)
You might want to study.(控えめな提案)
よくある間違いパターン
日本人学習者が特に間違えやすいパターンを見てみましょう。
間違いパターン1:意味だけで判断
❌ 「〜かもしれない」だからmightを選ぶ
✅ 文脈と確実性の度合いで判断する
間違いパターン2:現在形との混同
❌ Can you help me?(カジュアルすぎる場面で使用)
✅ Could you help me?(ビジネス場面では過去形が適切)
間違いパターン3:shouldの用法の誤解
❌ shouldは「〜すべき」の意味だけと思い込む
✅ 推量(〜のはずだ)の意味もある
ビジネス場面での使い分け
TOEICはビジネス英語なので、ビジネス場面での使い分けも重要です。
会議での発言
We should discuss this issue.(この問題を議論すべきです)
We could consider other options.(他の選択肢も検討できます)
This might cause some problems.(これは問題を引き起こすかもしれません)
I would suggest postponing the meeting.(会議の延期を提案したいと思います)
メールでの表現
Could you please review the document?(書類をご確認いただけますでしょうか)
I would appreciate your feedback.(ご意見をいただければ幸いです)
The report should be ready by Friday.(レポートは金曜日までに完成するはずです)
There might be some delays.(遅れが生じる可能性があります)
本番での解答テクニック
Part5で確実に正解するためのコツをお伝えします。
-
文脈のキーワードを最初にチェック
- 依頼表現 → could
- 希望表現 → would
- 不確実性 → might
- 義務・推奨 → should
-
話者の意図を考える
- 丁寧にお願い → could/would
- 控えめな推量 → might
- 強い推奨 → should
-
定型表現を覚える
- Could you please...?
- I would like...
- It might be...
- You should...
-
15秒ルールを守る
- 助動詞問題は15秒以内で判断可能
まとめ
助動詞の過去形は、それぞれの特徴とニュアンスを理解すれば確実に解けます。
今回紹介した使い分けのポイントを意識すれば、
- Part5での助動詞過去形問題の正答率が90%以上になる
- 1問あたりの解答時間が15秒以内になる
- ビジネス英語の表現力が向上する
という効果が期待できます。
could(依頼・可能性)、would(意志・仮定)、might(控えめな推量)、should(義務・推奨)の基本を押さえて、確実にスコアアップを目指しましょう!