Part5で複数の形容詞が並んでいる問題を見ると、「どの順番が正しいの?」と迷ってしまうことはありませんか?
「大きな新しい赤い車」と「赤い新しい大きな車」、どちらが自然な英語か判断に困ってしまう方も多いですよね。
実は、英語の形容詞には明確な順序ルールがあり、このルールを知れば迷わずに正解を選べるようになります。
今回は、730点突破に必要な形容詞の順序ルールを、分かりやすく完全マスターしていきましょう。
形容詞の順序ルールとは?
形容詞の順序ルールを簡単に説明すると、「複数の形容詞を並べる際の決まった順番」のことです。
例えば、新しい車を買った時のことを想像してみてください。 その車を「大きな、新しい、赤い、日本の車」と説明する場合、英語では決まった順序があるんです。
これは英語話者にとって「自然に聞こえる順序」として定着しているルールなんです。
8つのカテゴリーによる順序
英語の形容詞は、以下の8つのカテゴリーに分けられ、この順序で並べるのが正しいとされています。
完全版!形容詞の順序
1. 【Opinion(意見・評価)】- beautiful, nice, good
2. 【Size(大きさ)】- big, small, large
3. 【Age(年齢・新旧)】- old, new, young
4. 【Shape(形状)】- round, square, long
5. 【Color(色)】- red, blue, white
6. 【Origin(出身・由来)】- Japanese, American, European
7. 【Material(材質)】- wooden, metal, plastic
8. 【Purpose(用途)】- sleeping (bag), cooking (pot)
覚え方のコツ
この順序を覚えるために、以下の頭文字を使いましょう: O-S-A-S-C-O-M-P (Opinion-Size-Age-Shape-Color-Origin-Material-Purpose)
「お産あっさり苦労マップ」などの語呂合わせで覚えると良いですね。
実際の使用例
では、具体的な例を見てみましょう。
例1:車の説明
✅ a beautiful big new red Japanese car
(美しい大きな新しい赤い日本の車)
Opinion → Size → Age → Color → Origin → 名詞
例2:テーブルの説明
✅ a nice small old round wooden table
(素敵な小さな古い丸い木製のテーブル)
Opinion → Size → Age → Shape → Material → 名詞
例3:バッグの説明
✅ an expensive large black leather handbag
(高価な大きな黒い革のハンドバッグ)
Opinion → Size → Color → Material → Purpose → 名詞
Part5での頻出出題パターン
形容詞の順序は、Part5で年間約4-6問出題される重要な文法項目です。
主な出題パターンは以下の3つです。
パターン1:2つの形容詞の順序
最も基本的なパターンです。
例題:
The company purchased a _____ computer system.
(A) new powerful
(B) powerful new
(C) new and powerful
(D) powerfully new
正解は(B)です。 「powerful」(意見)→「new」(年齢)の順序が正しいです。
パターン2:3つの形容詞の順序
より複雑な組み合わせのパターンです。
例題:
She wore a _____ dress to the party.
(A) beautiful long blue
(B) long beautiful blue
(C) blue beautiful long
(D) beautiful blue long
正解は(A)です。 「beautiful」(意見)→「long」(形状)→「blue」(色)の順序が正しいです。
パターン3:形容詞と副詞の混合
形容詞以外の修飾語が混じるパターンです。
例題:
The museum displays _____ artifacts.
(A) ancient valuable Chinese
(B) valuable ancient Chinese
(C) Chinese ancient valuable
(D) ancient Chinese valuable
正解は(B)です。 「valuable」(意見)→「ancient」(年齢)→「Chinese」(出身)の順序が正しいです。
間違えやすいポイント
日本人学習者が特に間違えやすいのは、以下の点です。
- 日本語の語順で考えてしまう:日本語の自然な順序と英語の順序が異なる
- 意見と事実の区別ができない:「beautiful」と「big」の違いを理解していない
- カテゴリーの判断に迷う:「old」と「antique」の区別など
特に「意見」と「事実」の区別は重要です。 「beautiful」は個人の意見、「big」は客観的な事実として扱われます。
カテゴリー別詳細解説
各カテゴリーの特徴と代表的な単語を詳しく見ていきましょう。
1. Opinion(意見・評価)
主観的な判断を表す形容詞
- beautiful, ugly, nice, wonderful, terrible, good, bad, interesting, boring
2. Size(大きさ)
客観的なサイズを表す形容詞
- big, small, large, tiny, huge, enormous, little
3. Age(年齢・新旧)
時間の経過を表す形容詞
- old, new, young, ancient, modern, fresh, aged
4. Shape(形状)
物理的な形を表す形容詞
- round, square, long, short, wide, narrow, thick, thin
5. Color(色)
色彩を表す形容詞
- red, blue, green, black, white, yellow, brown, pink
6. Origin(出身・由来)
国籍や地域を表す形容詞
- Japanese, American, Chinese, European, Asian, local
7. Material(材質)
素材を表す形容詞
- wooden, metal, plastic, glass, cotton, silk, leather
8. Purpose(用途)
目的や機能を表す形容詞
- sleeping (bag), cooking (pot), reading (glasses), running (shoes)
実践的な判断方法
迷ったときは、以下の手順で判断してください。
ステップ1:各形容詞をカテゴリー分けする
まず、それぞれの形容詞がどのカテゴリーに属するかを判断します。
ステップ2:O-S-A-S-C-O-M-Pの順序で並べる
カテゴリーが分かったら、決まった順序で並べ直します。
ステップ3:自然に聞こえるかチェックする
最後に、その順序が自然に聞こえるか確認します。
実践問題にチャレンジ
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
問題1:The store sells _____ furniture.
(A) expensive beautiful antique
(B) beautiful expensive antique
(C) antique beautiful expensive
(D) expensive antique beautiful
考えてみてくださいね。
正解は(B)です!
「beautiful」(意見)→「expensive」(意見)→「antique」(年齢)の順序が正しいです。 同じカテゴリー内では、より主観的なものが先に来る傾向があります。
問題2:She bought a _____ handbag.
(A) small Italian leather
(B) leather small Italian
(C) Italian small leather
(D) small leather Italian
こちらはどうでしょうか?
正解は(A)です!
「small」(大きさ)→「Italian」(出身)→「leather」(材質)の順序が正しいです。 S-O-M-Pの順序に従っています。
例外的なケース
形容詞の順序にも、いくつかの例外があります。
同じカテゴリー内の形容詞
同じカテゴリーに属する形容詞が複数ある場合は、「and」で繋ぐか、より一般的な形容詞を後に置きます。
a big and small problem → ❌
a big, small problem → ✅
慣用的な表現
一部の組み合わせは、慣用的に決まった順序があります。
black and white → ✅(慣用表現)
white and black → 不自然
まとめ
形容詞の順序のポイントは、O-S-A-S-C-O-M-Pの8つのカテゴリーを覚えることです。
この順序ルールを意識すれば、複数の形容詞が並んでいても迷わずに正解を選べるようになります。
最初は「お産あっさり苦労マップ」などの語呂合わせで覚えて、たくさんの例文に触れることで自然に身につけていきましょう。
次回のTOEICでは、形容詞を見たら「どのカテゴリー?」と考える習慣をつけてくださいね!