Part6で「Working late, she finished the report」のような文を見て、戸惑ったことはありませんか?
このような分詞構文は、ビジネス英語でよく使われる高度な表現です。「文法は理解しているつもりだけど、この構文が出ると混乱する」という声をよく聞きます。
実は、分詞構文には明確なパターンがあり、それを理解すれば複雑な文も簡単に読み解けるようになります。 今回は、Part6で確実に得点するための分詞構文の読み解き方をお伝えします。
分詞構文とは何か
まず、分詞構文の基本的な概念を理解しましょう。
分詞構文の基本機能
分詞構文の役割:
- 2つの文を1つにまとめる
- 文章を簡潔で洗練された表現にする
- 時間、理由、条件などの関係を表現
基本パターン:
元の文:She worked late. She finished the report.
分詞構文:Working late, she finished the report.
(遅くまで働いて、彼女はレポートを完成させた)
なぜ分詞構文が使われるのか
ビジネス文書での利点:
1.
簡潔性:冗長な表現を避けられる
2.
流れの良さ:文章のリズムが向上
3.
プロフェッショナル感:洗練された印象を与える
TOEICはビジネス英語の試験なので、分詞構文は頻繁に出題されるんです。
分詞構文の基本パターン
分詞構文には主に2つの基本パターンがあります。
パターン1:現在分詞を使った分詞構文
構造:
~ing + , + 主文
意味:
時間・理由・方法などを表現
例文:
【時間を表す】
Entering the office, he greeted his colleagues.
(オフィスに入ると、彼は同僚に挨拶した)
【理由を表す】
Being tired, she decided to rest.
(疲れていたので、彼女は休むことにした)
【方法を表す】
Using new technology, we improved efficiency.
(新技術を使って、私たちは効率を向上させた)
パターン2:過去分詞を使った分詞構文
構造:
~ed + , + 主文
意味:
受動的な状況や完了した状態を表現
例文:
【受動的状況】
Asked about the proposal, he gave a detailed explanation.
(提案について質問され、彼は詳細な説明をした)
【完了した状態】
Finished with the meeting, they returned to their desks.
(会議を終えて、彼らは自分の席に戻った)
Part6での分詞構文出題パターン
Part6では、分詞構文がさまざまな形で出題されます。
出題パターン1:分詞の選択
典型的な問題:
_____ the contract carefully, she noticed several important details.
(A) Read
(B) Reading
(C) To read
(D) Having read
解法のポイント:
- 主語「she」が能動的に「読む」
- 時間の前後関係を確認
- 答え:(B) Reading または (D) Having read
出題パターン2:分詞構文の完成
典型的な問題:
_____ by the positive response, the team decided to expand the project.
(A) Encourage
(B) Encouraged
(C) Encouraging
(D) To encourage
解法のポイント:
- 主語「the team」が受動的に「励まされる」
- 過去分詞が適切
- 答え:(B) Encouraged
出題パターン3:分詞構文の文挿入
典型的な問題:
The manager reviewed the proposal. _____ He approved it immediately.
(A) Finding it excellent, he approved it immediately.
(B) Found it excellent, he approved it immediately.
(C) To find it excellent, he approved it immediately.
(D) He found it excellent, he approved it immediately.
分詞構文を読み解く3つのステップ
複雑な分詞構文も、以下の3ステップで確実に読み解けます。
Step 1:主語を特定する
重要なポイント:
分詞構文の主語は、主文の主語と同じです。
例:
Working hard, the team completed the project.
→ 主語:the team
→ teamが「working」も「completed」も行う
Step 2:分詞の種類を判断する
現在分詞(~ing)の場合:
- 主語が能動的に行う動作
- 同時進行や理由を表すことが多い
過去分詞(~ed)の場合:
- 主語が受動的に受ける動作
- 完了や状態を表すことが多い
Step 3:論理関係を把握する
主な論理関係:
- 時間:〜するとき、〜しながら
- 理由:〜なので、〜だから
- 条件:〜すれば、〜なら
- 譲歩:〜にもかかわらず
- 付帯状況:〜して、〜しながら
高度な分詞構文パターン
上級者向けの複雑な分詞構文パターンも理解しましょう。
完了形分詞構文
構造:
Having + 過去分詞
用法:
分詞構文の動作が主文より前に完了
例文:
Having finished the presentation, she answered questions.
(プレゼンテーションを終えた後、彼女は質問に答えた)
Having been informed of the changes, employees adapted quickly.
(変更について知らされた後、従業員は素早く適応した)
否定の分詞構文
構造:
Not + 分詞
例文:
Not knowing the password, he couldn't access the system.
(パスワードを知らなかったので、彼はシステムにアクセスできなかった)
Not having received a reply, she sent another email.
(返事をもらっていなかったので、彼女は別のメールを送った)
独立分詞構文
構造:
分詞構文に独自の主語がある
例文:
Weather permitting, we will hold the event outdoors.
(天気が許せば、私たちは屋外でイベントを開催します)
All things considered, the project was successful.
(すべてを考慮すると、プロジェクトは成功でした)
分詞構文の意味を正確に掴むコツ
コツ1:時間関係を意識する
同時進行:
Listening to music, she worked on the report.
(音楽を聞きながら、彼女はレポートに取り組んだ)
前後関係:
Having completed the analysis, he presented the results.
(分析を完了した後、彼は結果を発表した)
コツ2:因果関係を見抜く
原因→結果:
Being short of time, we postponed the meeting.
(時間が不足していたので、私たちは会議を延期した)
コツ3:文脈から判断する
文全体の流れ:
分詞構文だけでなく、文章全体の文脈から意味を判断することが重要です。
よくある間違いとその対策
間違いパターン1:主語の不一致
間違った例:
Walking to the office, the rain started.
(オフィスに歩いているとき、雨が降り始めた)
問題点:
「walking」の主語と「the rain」が一致しない
正しい表現:
Walking to the office, I noticed the rain starting.
または
As I was walking to the office, the rain started.
間違いパターン2:分詞の選択ミス
迷いやすい例:
_____ about the delay, customers expressed concern.
(A) Informing (B) Informed
判断方法:
- customers が「inform される」側
- 受動的な関係
- 答え:(B) Informed
間違いパターン3:時制の混同
注意すべき点:
- 分詞構文の時制は文脈で判断
- 完了形分詞構文(Having + 過去分詞)の使い分け
実践練習のススメ
効果的な練習方法
段階的アプローチ:
1.
基本パターンの習得:現在分詞・過去分詞の基本
2.
応用パターンの理解:完了形・否定形・独立分詞構文
3.
実践問題での応用:Part6形式での演習
日常学習での取り入れ方:
- ビジネス記事で分詞構文を探す
- 分詞構文を使った英作文練習
- 音読で自然なリズムを身につける
まとめ
分詞構文は、高度だが規則的な文法構造です。
マスターのポイント:
- 基本パターンの確実な理解
- 主語の一致を常に確認
- 論理関係の正確な把握
- 文脈を重視した意味理解
Part6での活用:
- 分詞の能動・受動を正確に判断
- 時間関係を意識した解答
- 文章全体の流れを重視
分詞構文をマスターすれば、Part6だけでなく、Part7の長文読解でも大きなアドバンテージになります。 今日から段階的に学習して、高度な英語力を身につけていきましょう!