Part6で「文法的には正しそうなのに、なぜかしっくりこない」と感じることはありませんか?
「単語の意味は知っているけれど、どの組み合わせが自然なのか分からない」「ネイティブが使う自然な表現を選べない」という悩みを抱えている学習者は非常に多いんです。
実は、これらの問題の多くは「コロケーション」という、英語の自然な単語の組み合わせに関する知識不足が原因です。
この記事では、Part6のコロケーション問題を確実に解くためのテクニックと、頻出する自然な単語の組み合わせパターンをお伝えします。正しいアプローチを身につければ、コロケーション問題を10秒以内で確実に解答できるようになります。
コロケーションとは何か
まず、コロケーションの基本概念と重要性を理解しましょう。
コロケーションの定義
コロケーションとは、自然に一緒に使われる単語の組み合わせのことです。
例:
正しいコロケーション:make a decision(決定を下す)
間違った組み合わせ:do a decision(❌)
正しいコロケーション:heavy rain(大雨)
間違った組み合わせ:strong rain(❌)
文法的には正しくても、ネイティブスピーカーには不自然に聞こえる組み合わせがあります。
なぜコロケーションが重要なのか
Part6での重要性:
1.
自然性の判断:ネイティブらしい表現を選択
2.
文脈適合性:状況に最も適した表現を判断
3.
選択肢の絞り込み:効率的な解答プロセス
コロケーションの知識があることで、直感的に正解を判断できるようになります。
Part6でのコロケーション問題の特徴
問題の特徴:
- 似た意味の動詞・形容詞・名詞の選択
- ビジネス場面での自然な表現
- 慣用的な言い回しの知識
例題:
The company will _____ a meeting to discuss the new policy.
(A) make (B) do (C) hold (D) take
分析:
「会議を開く」の自然な表現 → hold a meeting
正解:(C) hold
主要なコロケーションパターン
Part6で頻出するコロケーションパターンを体系的に学びましょう。
動詞+名詞のコロケーション
ビジネス活動に関するコロケーション
make系のコロケーション:
make a decision(決定を下す)
make progress(進歩する)
make an appointment(予約を取る)
make a presentation(プレゼンをする)
make a profit(利益を上げる)
take系のコロケーション:
take action(行動を取る)
take responsibility(責任を取る)
take place(開催される)
take advantage(利用する)
take a break(休憩を取る)
give系のコロケーション:
give a presentation(プレゼンをする)
give feedback(フィードバックを与える)
give priority(優先権を与える)
give permission(許可を与える)
give notice(通知する)
do系のコロケーション:
do business(ビジネスをする)
do research(研究する)
do work(仕事をする)
do damage(損害を与える)
do favors(好意を示す)
例題分析:
The team will _____ a thorough analysis of the market data.
(A) make (B) do (C) conduct (D) perform
分析:
「分析を行う」→ conduct an analysis(専門的・体系的な分析)
正解:(C) conduct
形容詞+名詞のコロケーション
ビジネス文書でよく使われる組み合わせ
重要度を表すコロケーション:
major problem(大きな問題)
significant improvement(大幅な改善)
minor issue(小さな問題)
critical situation(重要な状況)
urgent matter(緊急事項)
程度を表すコロケーション:
dramatic increase(劇的な増加)
steady growth(着実な成長)
rapid expansion(急速な拡張)
gradual decline(徐々な減少)
substantial savings(大幅な節約)
品質を表すコロケーション:
high quality(高品質)
excellent performance(優秀な実績)
outstanding results(優れた結果)
poor service(劣悪なサービス)
effective solution(効果的な解決策)
例題分析:
The new software has shown _____ results in improving productivity.
(A) excellent (B) perfect (C) complete (D) total
分析:
「結果」と自然に組み合わさる形容詞 → excellent results
正解:(A) excellent
前置詞を含むコロケーション
よく出る前置詞の組み合わせ
依存・基づくことを表す:
depend on(〜に依存する)
based on(〜に基づいて)
according to(〜によると)
in accordance with(〜に従って)
結果・影響を表す:
result in(〜という結果になる)
lead to(〜につながる)
contribute to(〜に貢献する)
owing to(〜のために)
時間・期間を表す:
during the meeting(会議中に)
within the deadline(締切内に)
by the end of(〜の終わりまでに)
throughout the project(プロジェクト全体を通して)
例題分析:
The success of the project depends _____ effective teamwork.
(A) in (B) on (C) at (D) for
分析:
「depend」と組み合わさる前置詞 → depend on
正解:(B) on
自然性の判断テクニック
コロケーションの自然性を判断する具体的なテクニックをご紹介します。
頻度による判断
使用頻度の高い組み合わせを優先:
例:「契約を結ぶ」
(A) make a contract(使用頻度:中)
(B) sign a contract(使用頻度:高)
(C) do a contract(使用頻度:低)
(D) take a contract(使用頻度:低)
判断:最も一般的な表現 → sign a contract
意味の適合性チェック
文脈に最も適した意味の組み合わせを選択:
例:The company will _____ new employees next month.
文脈:人事採用について
(A) hire(雇用する)
(B) rent(賃貸する)
(C) borrow(借りる)
(D) lend(貸す)
分析:
人に対する動詞 → hire が最適
正解:(A) hire
語感・リズムの確認
音読して自然に聞こえるかを確認:
例:The meeting will _____ at 3 PM.
(A) start(始まる)
(B) begin(始まる)
(C) commence(開始する)
音読確認:
- "start at 3 PM" → 自然
- "begin at 3 PM" → やや硬い
- "commence at 3 PM" → 非常にフォーマル
文脈:一般的なビジネス会議 → start が最適
文脈分析によるコロケーション選択
文脈を活用したコロケーション選択の方法をご紹介します。
フォーマルレベルの判断
文書の種類による適切な表現レベル:
公式文書・契約書レベル
commence(開始する)
terminate(終了する)
execute(実行する)
pursuant to(〜に従って)
一般ビジネス文書レベル
start(始める)
finish(終える)
carry out(実行する)
according to(〜によると)
カジュアルな連絡レベル
begin(始める)
end(終える)
do(する)
based on(〜に基づいて)
業界・分野による選択
分野特有のコロケーション:
財務・会計分野
generate revenue(収益を生む)
cut costs(コストを削減する)
maximize profits(利益を最大化する)
manage budget(予算を管理する)
マーケティング分野
launch campaign(キャンペーンを開始する)
target audience(ターゲット層)
brand awareness(ブランド認知度)
market share(市場シェア)
人事・管理分野
recruit staff(スタッフを採用する)
provide training(研修を提供する)
evaluate performance(実績を評価する)
motivate employees(従業員を動機づける)
例題分析:
文脈:新製品のマーケティング戦略について
The marketing team will _____ a comprehensive campaign next quarter.
(A) make (B) launch (C) start (D) begin
分析:
1. マーケティング分野の文脈
2. キャンペーンとの組み合わせ
3. 専門的なビジネス表現
判断:launch a campaign(マーケティング用語)
正解:(B) launch
効率的な解答テクニック
コロケーション問題を効率的に解く実践的なテクニックをご紹介します。
瞬間認識法
よく出るコロケーションを瞬時に認識:
3秒以内で判断できるパターン:
make + decision/progress/appointment
take + action/responsibility/place
give + presentation/feedback/priority
hold + meeting/conference/event
判断手順:
- 空欄の前後の単語を確認(1秒)
- 知っているコロケーションと照合(1秒)
- 選択肢から該当するものを選択(1秒)
消去法の活用
明らかに不自然な組み合わせを除外:
例:The company will _____ a new policy.
(A) introduce(導入する)
(B) translate(翻訳する)
(C) transport(運ぶ)
(D) transform(変換する)
消去過程:
1. translate/transport/transform → 意味的に不適切
2. introduce → 「政策を導入する」自然な表現
正解:(A) introduce
語源・語幹分析法
単語の語源から適切な組み合わせを推測:
例:The project requires _____ planning.
(A) careful(注意深い)
(B) careless(不注意な)
(C) caring(思いやりのある)
(D) carefree(のんきな)
分析:
プロジェクトには慎重な計画が必要 → careful planning
正解:(A) careful
よくある間違いパターン
コロケーション問題でよくある間違いと対策をご紹介します。
間違い1:直訳による選択
問題例:
The meeting will _____ place tomorrow.
(A) make (B) do (C) take (D) have
間違った思考:
「場所を作る」だから make place
正しい分析:
「開催される」の慣用表現 → take place
正解:(C) take
対策:
英語の慣用表現として覚える。
間違い2:文法重視・意味軽視
問題例:
The company provides _____ service to all customers.
(A) excellent (B) perfectly (C) completely (D) totally
間違った思考:
「副詞が動詞を修飾するから perfectly」
正しい分析:
service(名詞)を修飾 → 形容詞が必要 → excellent service
正解:(A) excellent
対策:
品詞と意味の適合性を両方確認する。
間違い3:レベル違いの表現選択
文脈に対して過度にフォーマル、またはカジュアルな表現を選んでしまう間違いです。
対策:
- 文書の種類を確認
- 相手との関係性を考慮
- 文脈の丁寧さレベルに合わせる
頻出コロケーション一覧
Part6で特に頻出するコロケーションをカテゴリー別にまとめました。
会議・イベント関連
hold a meeting/conference(会議を開く)
attend a seminar/workshop(セミナーに参加する)
cancel an appointment(予約をキャンセルする)
postpone a deadline(締切を延期する)
schedule a presentation(プレゼンを予定する)
業績・成果関連
achieve goals/objectives(目標を達成する)
exceed expectations(期待を上回る)
meet requirements(要件を満たす)
improve performance(実績を向上させる)
increase productivity(生産性を向上させる)
問題・解決関連
face challenges/difficulties(課題に直面する)
solve problems/issues(問題を解決する)
address concerns(懸念に対処する)
overcome obstacles(障害を克服する)
identify solutions(解決策を特定する)
変化・改善関連
implement changes(変更を実施する)
introduce improvements(改善を導入する)
make adjustments(調整を行う)
adopt new methods(新しい方法を採用する)
modify procedures(手順を修正する)
練習方法と定着のコツ
コロケーション知識を効率的に身につける方法をご紹介します。
段階的学習法
第1段階:基本パターン習得
- 頻出コロケーション100個の暗記
- 動詞別・名詞別のグループ化
- 例文での確認
第2段階:文脈判断練習
- Part6形式での実践練習
- 文脈に応じた適切な選択
- フォーマルレベルの判断練習
第3段階:応用・定着
- 時間制限付きの演習
- 類似コロケーションの比較
- 実際のビジネス文書での確認
効果的な暗記法
コロケーションカード法:
- カードの表:日本語の意味
- カードの裏:英語のコロケーション
- 毎日10個ずつ追加
例文暗記法:
ビジネス場面の例文ごと暗記
例:We need to make a decision about the budget.
(予算について決定を下す必要があります)
グループ化記憶法:
同じ動詞・名詞を使うコロケーションをまとめて覚える
make: decision, progress, appointment, presentation
take: action, responsibility, place, advantage
毎日の練習メニュー
5分間練習(毎日):
- 新しいコロケーション:5個
- 復習:10個
15分間練習(週3回):
- Part6コロケーション問題:8問
- 間違い分析:7分
この練習により、4週間でコロケーション判断力が大幅に向上します。
まとめ
Part6のコロケーション問題は、自然な単語の組み合わせを覚えることで確実に解答できるようになります。
重要なのは、単語の意味だけでなく、どの単語と組み合わせて使われるかを理解することです。
この記事でご紹介したコロケーションパターンと判断テクニックを毎日5分練習すれば、コロケーション問題での正答率が95%以上に向上します。
ぜひ今日から実践して、自然で流暢な英語表現力を身につけてください!