専門的な単語と日常的な単語のどちらを選べばいいか迷ったことはありませんか?
Part5で「The company will _ the new policy next month」のような問題を見ると、「implement」なのか「start」なのか悩んでしまいますよね。
実は、TOEICでは文脈と文書の性格に応じて、適切な語彙レベルを選ぶ力が求められているんです。
今回は、専門用語と日常語を適切に使い分ける実践的な方法をマスターしていきましょう。
専門用語と日常語の基本概念
語彙レベルの選択を簡単に理解するには、「聞き手との関係」と「場面の正式度」で考えると分かりやすいです。
例えば、病院での説明を想像してください。 医師同士の会話:「患者の症状が悪化している」(専門的) 患者への説明:「具合が悪くなっています」(一般的)
英語のビジネス文書でも、同じように相手と状況に応じた語彙選択が重要なんです。
Part5での語彙レベル問題の出題パターン
専門・一般語彙の選択問題は、Part5で年間約4-6問出題される重要項目です。
主な出題パターンは以下の通りです。
パターン1:ビジネス専門用語 vs 日常語
ビジネス文書では専門用語を好む傾向があります。
例題:
The board will _____ the merger proposal at tomorrow's meeting.
(A) talk about
(B) discuss
(C) chat about
(D) speak of
正解は(B)です。 取締役会という正式な場面では、カジュアルな「talk about」より、フォーマルな「discuss」が適切です。
パターン2:フォーマル表現 vs カジュアル表現
文書の正式度に応じた語彙選択が求められます。
例題:
We need to _____ our marketing strategy to improve sales.
(A) change
(B) modify
(C) switch
(D) fix
正解は(B)です。 マーケティング戦略という専門領域では、「modify」が最も適切なレベルです。
パターン3:技術用語 vs 一般用語
業界特有の表現かどうかで判断します。
例題:
The IT department will _____ the new software system next week.
(A) put in
(B) set up
(C) implement
(D) install
正解は(D)です。 ソフトウェアに関しては、技術用語の「install」が最も正確です。
適切な語彙レベルを選ぶ4つの判断基準
実際の問題で正しい語彙レベルを選ぶコツをお伝えします。
基準1:文書の種類を確認
文書の性格によって期待される語彙レベルが決まります。
フォーマルな文書
- 会社の公式発表:announce → declare
- 契約書:agree → consent
- 学術論文:show → demonstrate
カジュアルな文書
- 社内メール:help → assist
- 同僚との連絡:ask → inquire
- 日常会話:get → obtain
基準2:主語と文脈を分析
主語や文脈から適切なレベルを推測します。
組織・機関が主語 → フォーマルな表現を選ぶ
- The government will implement the policy
- The board will approve the budget
個人が主語 → 比較的カジュアルな表現も可能
- I will check the details
- She will help with the project
基準3:目的語の専門性
目的語が専門的なら、動詞も専門的になりがちです。
専門的な目的語
- implement a strategy(戦略を実行する)
- conduct research(研究を行う)
- analyze data(データを分析する)
一般的な目的語
- do work(仕事をする)
- make plans(計画を立てる)
- get results(結果を得る)
基準4:コロケーション(語の結びつき)
慣用的な語の組み合わせも判断材料になります。
ビジネスでよく使う組み合わせ
- conduct a meeting(会議を行う)
- implement changes(変更を実施する)
- submit a report(報告書を提出する)
よくある語彙レベルの間違いパターン
日本人学習者が特に注意すべきポイントを整理しました。
間違い1:過度にカジュアルな選択
ビジネス文書でカジュアルすぎる語彙を選んでしまう。
間違い例
- ❌ The CEO will talk about the new strategy
- ✅ The CEO will discuss the new strategy
間違い例
- ❌ We need to fix the problem
- ✅ We need to resolve the issue
間違い2:過度に専門的な選択
日常的な文脈で専門用語を使いすぎる。
間違い例
- ❌ Could you facilitate opening the door?
- ✅ Could you help open the door?
間違い3:文脈を無視した選択
文書の種類に関係なく、同じレベルの語彙を使う。
公式文書では:utilize(活用する)
日常会話では:use(使う)
実践問題で判断力をチェック
語彙レベルの判断力を確認してみましょう。
問題1:The human resources department will _____ all job applications carefully.
(A) look at
(B) examine
(C) check out
(D) see
判断のポイント:HR部門による公式な手続き
正解は(B)です!
人事部による正式な審査プロセスなので、 フォーマルな「examine」が最も適切です。
問題2:Please _____ your supervisor before making any changes to the schedule.
(A) ask
(B) consult
(C) talk to
(D) speak with
判断のポイント:業務上の正式な相談
正解は(B)です!
スケジュール変更という業務上の重要事項なので、 「consult」が最も適切なレベルです。
業界別の専門用語パターン
TOEICでよく出る業界ごとの語彙レベルを整理しました。
金融・会計分野
専門用語
- allocate(割り当てる)
- audit(監査する)
- forecast(予測する)
- evaluate(評価する)
一般用語
- give(与える)
- check(確認する)
- guess(推測する)
- judge(判断する)
IT・技術分野
専門用語
- configure(設定する)
- optimize(最適化する)
- integrate(統合する)
- upgrade(アップグレードする)
一般用語
- set up(設定する)
- improve(改善する)
- combine(組み合わせる)
- improve(改良する)
マーケティング分野
専門用語
- target(ターゲットにする)
- segment(セグメント化する)
- promote(プロモートする)
- launch(立ち上げる)
一般用語
- aim at(狙う)
- divide(分ける)
- advertise(宣伝する)
- start(始める)
文脈から語彙レベルを判断するテクニック
より高度な判断力を身につけるためのテクニックです。
テクニック1:文体の一貫性
同じ文書内では語彙レベルを統一します。
フォーマルな文書例:
The board will convene to deliberate the proposal and subsequently announce their decision.
テクニック2:読み手を意識
誰が読むかで語彙レベルを調整します。
社内向け:より専門的な用語可能
顧客向け:分かりやすい一般的な用語
テクニック3:緊急度・重要度
内容の重要性でも語彙レベルが変わります。
重要な発表:announce → declare
日常の連絡:tell → inform
まとめ
専門用語と日常語の選択のポイントは、文脈と読み手に応じた適切なレベルを判断することです。
この記事で紹介した選択方法を使えば、Part5での正答率が確実に向上します。
特に重要なのは:
- 文書の正式度を確認
- 主語・目的語の専門性を分析
- 業界特有の表現を理解
- コロケーションを活用
ぜひ今日から実践して、語彙選択のセンスを磨いてくださいね!