Part5で「start」と「commence」のどちらを選ぶか迷ったことはありませんか?
標準的な用法と変種の使い分けが出てくると、「どちらも意味は同じなのに」「TOEICではどっちが正解?」と悩んでしまうこと、ありますよね。
実は、TOEICでの標準・変種用法の使い分けは3つの判断基準と5つの重要カテゴリーをマスターすれば、25秒以内に確実に正解できるようになります。
今回は、年間約4-5問出題されるこの重要分野を完全攻略して、高得点につなげていきましょう。
標準・変種用法の基本を理解しよう
標準・変種用法を簡単に説明すると、「同じ意味でも使用場面によって適切さが変わる表現の違い」です。
例えば、会議の開始を伝えるときを想像してみてください。 カジュアルな場面:「Let's start the meeting.」 フォーマルな場面:「Let's commence the meeting.」
TOEICはビジネス英語を基準としているため、よりフォーマルで標準的な表現が好まれるんです。
Part5での出題パターン
標準・変種用法は、Part5で年間約4-5問出題されます。
主な出題パターンは以下の4つです。
パターン1:フォーマル度による選択問題
最も頻出するのが、同じ意味の語でフォーマル度が異なる選択肢から選ぶ問題です。
例題:
The company will _____ a new training program next month.
(A) start
(B) commence
(C) begin
(D) initiate
正解は(D)です。 なぜなら、ビジネス文書では「initiate」が最もフォーマルで適切だからです。
パターン2:ビジネス英語特有の表現問題
一般英語では使わないが、ビジネス英語では標準的な表現を選ぶ問題も頻出します。
「purchase」vs「buy」のような使い分けが典型例です。
パターン3:冗長表現の回避問題
同じ意味を表すより簡潔で標準的な表現を選ぶ問題もあります。
「in order to」vs「to」のような選択が出題されます。
パターン4:地域変種の標準化問題
アメリカ英語・イギリス英語の差異で、TOEICで標準とされる表現を選ぶ問題もあります。
ただし、これは比較的出題頻度が低いです。
5つの重要カテゴリーをマスター
TOEICで重要な5つのカテゴリーを整理しましょう。
カテゴリー1:動作・行為を表す動詞
フォーマル度:高 → 低
- commence - 開始する(最もフォーマル)
- initiate - 始める(プロジェクト等で使用)
- begin - 始める(標準的)
- start - 始める(やややカジュアル)
ビジネス文書での使い分け
- プロジェクト開始:initiate
- 会議開始:commence
- 一般的開始:begin
カテゴリー2:購入・取得を表す動詞
フォーマル度:高 → 低
- acquire - 取得する(企業買収等)
- purchase - 購入する(ビジネス標準)
- obtain - 得る(許可・資格等)
- buy - 買う(カジュアル)
カテゴリー3:連絡・通信を表す動詞
フォーマル度:高 → 低
- notify - 通知する(公式通知)
- inform - 知らせる(ビジネス標準)
- advise - 助言する(専門的)
- tell - 言う(カジュアル)
カテゴリー4:支援・援助を表す動詞
フォーマル度:高 → 低
- facilitate - 促進する(プロセス改善)
- assist - 支援する(ビジネス標準)
- aid - 援助する(やや硬い)
- help - 手伝う(カジュアル)
カテゴリー5:変更・修正を表す動詞
フォーマル度:高 → 低
- modify - 修正する(システム・計画)
- revise - 改訂する(文書・方針)
- adjust - 調整する(設定・予定)
- change - 変える(一般的)
3つの判断基準
適切な表現を選ぶための3つの基準を見ていきましょう。
基準1:文書の種類を確認
公式文書・契約書
- 最もフォーマルな表現を選択
- commence, initiate, facilitate
ビジネスメール・報告書
- 標準的なビジネス表現を選択
- begin, purchase, inform
社内連絡・日常業務
- やや親しみやすい表現も可
- start, buy, tell
基準2:対象・規模を考慮
企業レベルの大きな事項
- acquire (企業買収)
- commence (プロジェクト開始)
- facilitate (業務改善)
部署レベルの事項
- purchase (設備購入)
- initiate (新施策)
- modify (業務変更)
個人レベルの事項
- obtain (資格取得)
- assist (個人支援)
- adjust (個人スケジュール)
基準3:受信者との関係性
上司・顧客・外部関係者
- 最もフォーマルな表現を使用
同僚・部下
- 標準的なビジネス表現を使用
親しい同僚
- やや親しみやすい表現も可
間違えやすいポイント
日本人学習者が特に間違えやすいのは、以下の点です。
- カジュアル表現の過度な使用:日常会話の感覚でstart, buyを選んでしまう
- 過度なフォーマル化:すべてを最もフォーマルな表現にしてしまう
- 文脈の無視:文書の種類や関係性を考慮せずに選択
特にカジュアル表現の過度な使用は、多くの人が見落としがちです。
確実に正解するための判断フロー
では、実際の解き方を見ていきましょう。
ステップ1:文書の種類を特定
メール、報告書、契約書などの種類を確認します。
ステップ2:動詞の意味カテゴリーを判別
開始、購入、連絡、支援、変更のどのカテゴリーかを特定します。
ステップ3:適切なフォーマル度を選択
文書の種類と文脈に応じて、最適なレベルの表現を選びます。
練習問題にチャレンジ
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
問題1:The board of directors will _____ the merger proposal at next week's meeting.
(A) start
(B) begin
(C) commence
(D) initiate
考えてみてくださいね。
正解は(C)です!
取締役会という公式な場での重要な議論なので、最もフォーマルな「commence」が適切です。
問題2:Please _____ me when the shipment arrives.
(A) tell
(B) inform
(C) notify
(D) advise
正解は(B)です!
ビジネスメールでの標準的な依頼なので、「inform」が最も適切です。
実践での瞬間判断テクニック
本番で素早く解くためのコツをお伝えします。
-
文脈キーワードを探す
- board, executive, official → 最もフォーマル
- team, department, staff → 標準的
- colleague, daily, routine → やや親しみやすい
-
動詞の対象を確認
- 企業・組織レベル → フォーマル
- 部署レベル → 標準的
- 個人レベル → やや親しみやすい
-
文書の受信者を推測
- 外部・上司 → フォーマル
- 同僚 → 標準的
頻出表現の完全リスト
TOEICで特によく出る標準・変種のペアを整理しましょう。
開始・終了系
- commence / begin / start
- conclude / finish / end
- initiate / launch / start
購入・取得系
- acquire / purchase / buy
- obtain / get / receive
- procure / purchase / buy
連絡・通信系
- notify / inform / tell
- communicate / contact / call
- correspond / write / email
変更・調整系
- modify / revise / change
- adjust / adapt / alter
- update / refresh / change
ビジネス文書での実例
実際のビジネス場面での使い分けを見てみましょう。
契約書・公式文書
The company shall commence operations on January 1st.
Both parties agree to modify the terms as specified.
ビジネスメール
We will begin the project next week.
Please inform us of any changes to the schedule.
社内連絡
Let's start the meeting at 2 PM.
Please tell me when you're ready.
まとめ
標準・変種用法のポイントは、「文書の種類を把握する」「動詞の意味カテゴリーを理解する」「適切なフォーマル度を選択する」ということです。
この記事で紹介した5つのカテゴリーと3つの判断基準を意識すれば、Part5での正答率が確実に上がります。
ぜひ今日から実践して、スコアアップを目指してくださいね!