Part5で「この表現、カジュアルすぎない?」と迷ってしまうこと、ありませんか?
「ビジネスメールで I'm って使っていいの?」「gonna や wanna は絶対ダメ?」という疑問を持つ方も多いはずです。
実は、文語と口語の使い分けは場面とオーディエンスで判断すれば、確実に正解できるようになります。
今回は、TOEICのビジネス文脈で重要な、書き言葉と話し言葉の使い分けを詳しく解説していきます。
文語と口語の基本を理解しよう
文語と口語の違いを簡単に説明すると、スーツと私服の使い分けのようなものです。
スーツ(文語):正式な場面で着る → フォーマルな表現
私服(口語):普段着として使う → カジュアルな表現
場面に応じて適切な「服装」を選ぶように、英語も文脈に合った表現を選ぶ必要があります。
Part5では、このような「表現レベルの選択」が年間約6-8問出題されます。
フォーマル表現(文語)の特徴
ビジネス文書や公式文書で使われる表現です。
完全形の使用
短縮形を使わず、完全な形で表現します。
We _____ pleased to announce the new policy.
(A) are
(B) 're
(C) will
(D) 'll
正解は(A)です。 フォーマルな発表文なので、短縮形ではなく完全形の are を使います。
フォーマルな場面での完全形:
- I am → ❌ I'm
- We are → ❌ We're
- It is → ❌ It's
- Cannot → ❌ Can't
- Will not → ❌ Won't
より正式な語彙の選択
より格式高い単語を使います。
We would like to _____ our gratitude for your support.
(A) show
(B) express
(C) say
(D) tell
正解は(B)です。 gratitude(感謝)には express という格式高い動詞が適切です。
フォーマル vs インフォーマル語彙:
- ask → request(依頼する)
- get → obtain(入手する)
- help → assist(支援する)
- start → commence(開始する)
- end → conclude(終了する)
受動態の多用
責任の所在を曖昧にしたり、より客観的に表現します。
The decision _____ after careful consideration.
(A) was made
(B) we made
(C) made
(D) has made
正解は(A)です。 フォーマルな文書では受動態で客観性を示します。
複雑な文構造
関係詞や分詞構文を使った複雑な文を好みます。
The proposal, which was submitted last week, requires further review.
(先週提出された提案は、さらなる検討が必要です)
インフォーマル表現(口語)の特徴
カジュアルな会話や親しい関係での表現です。
短縮形の使用
効率性を重視して短縮形を使います。
I _____ think this approach will work.
(A) do not
(B) don't
(C) did not
(D) didn't
正解は(B)です。 カジュアルな意見表明なので短縮形の don't を使います。
よく使われる短縮形:
- I'm, you're, he's, she's, it's, we're, they're
- isn't, aren't, wasn't, weren't
- can't, won't, shouldn't, couldn't
- I'll, you'll, he'll, she'll, we'll, they'll
シンプルな語彙
日常的で分かりやすい単語を使います。
Let's _____ the meeting for next week.
(A) reschedule
(B) postpone
(C) move
(D) defer
正解は(C)です。 カジュアルな提案なので、シンプルな move が適切です。
能動態の使用
誰が何をしたかを明確にします。
We finished the project yesterday.
(昨日プロジェクトを終わらせました)
省略や話し言葉特有の表現
ただし、TOEICでは出題されない極端な口語表現:
- gonna (going to)
- wanna (want to)
- gotta (got to)
- kinda (kind of)
場面別の表現選択
Part5では文脈から適切なレベルを判断する必要があります。
ビジネス文書(フォーマル)
公式報告書、契約書、方針文書など。
The company is pleased to announce that profits have increased significantly.
(弊社は利益が大幅に増加したことを発表いたします)
特徴:
- 完全形の使用
- 受動態が多い
- 格式高い語彙
- 複雑な文構造
ビジネスメール(セミフォーマル)
同僚や取引先との日常的なやり取り。
I'm writing to confirm our meeting tomorrow. Can we reschedule for 3 PM?
(明日の会議の確認でご連絡しています。3時に変更できますか?)
特徴:
- 短縮形も使用可
- シンプルな語彙
- 直接的な表現
社内での会話(インフォーマル)
同僚との日常会話。
Hey, did you finish the report? We need to submit it today.
(レポート終わった?今日提出しないといけないんだ)
特徴:
- 短縮形が中心
- 省略表現
- カジュアルな語彙
敬語レベルの使い分け
相手との関係性による表現の選択です。
最上級の丁寧さ
顧客や重要な取引先に対して。
We would be grateful if you could consider our proposal.
(ご提案をご検討いただければ幸いです)
標準的な丁寧さ
一般的なビジネス関係に対して。
Please let us know if you have any questions.
(ご質問がございましたらお知らせください)
カジュアルな丁寧さ
親しい同僚に対して。
Let me know if you need any help.
(何か手伝いが必要だったら言って)
よく間違えやすいポイント
TOEICで特に注意すべき表現です。
1. 短縮形の使用場面
×(間違い):公式文書で短縮形
❌ The company's pleased to announce...
✅ The company is pleased to announce...
○(正解):メールでの短縮形
✅ I'm writing to confirm...
✅ We're planning to...
2. 語彙のフォーマル度
×(間違い):フォーマル文書でカジュアル語彙
❌ We got your letter and will get back to you.
✅ We received your letter and will respond to you.
3. 敬語レベルの選択
×(間違い):顧客に対してカジュアル
❌ Thanks for your order.
✅ Thank you for your order.
文脈判断のポイント
Part5で素早く判断するために:
1. 文書の種類を確認
- 公式文書:完全形 + フォーマル語彙
- ビジネスメール:短縮形可 + 標準語彙
- 社内メモ:カジュアル表現可
2. 相手との関係を推測
- 外部の重要人物:最高レベルの丁寧さ
- 一般取引先:標準的な丁寧さ
- 同僚・部下:適度にカジュアル
3. 内容の重要度を考慮
- 重要な発表:フォーマル
- 日常業務連絡:セミフォーマル
- 雑談的な内容:インフォーマル
練習問題にチャレンジ
理解度を確認してみましょう。
問題1:Dear valued customers, we _____ to inform you of our new service.
(A) want
(B) would like
(C) wanna
(D) 'd like
考えてみてくださいね。
正解は(B)です!
顧客向けの公式通知なので、最もフォーマルな would like を使います。
問題2:Hi John, _____ free for lunch tomorrow?
(A) Are you
(B) Will you be
(C) You
(D) You're
正解は(A)です!
同僚への親しみやすい誘いなので、カジュアルながらも完全な疑問文を使います。
表現レベル選択のコツ
効率的に判断するために:
-
相手を特定
- 顧客・上司 → フォーマル
- 同僚・部下 → セミフォーマル
-
文書の目的を確認
- 公式発表 → 最高レベル
- 日常連絡 → 標準レベル
-
短縮形の可否を判断
- 公式文書 → 完全形のみ
- メール・会話 → 短縮形可
まとめ
文語と口語の使い分けは、場面とオーディエンスで判断すれば確実に正解できます。
今回紹介した基準を使えば、
- 表現レベルの問題が瞬時に解ける
- 実際のビジネスでの適切な表現が選べる
- より自然で効果的なコミュニケーションができる
という効果が期待できます。
ぜひ今日から、この「場面判断」で文語・口語の使い分けをマスターしてくださいね!