Part5で「color と colour、どっちが正しいの?」と迷ってしまうこと、ありませんか?
「lift と elevator の違いは?」「アメリカ英語とイギリス英語、どちらを使えばいい?」という疑問を持つ方も多いはずです。
実は、英語には地域による標準形があり、TOEICや国際ビジネスではその違いを理解することが重要です。
今回は、Part5で知っておくべき地域差と、国際的なコミュニケーションで配慮すべき点を詳しく解説していきます。
標準形と変異形の基本を理解しよう
地域差を簡単に説明すると、料理の地域料理のようなものです。
標準形:基本レシピ → 国際的に通用する形
変異形:地域の味付け → その地域での好ましい形
どちらも正しく、場面に応じて使い分けることが大切なんです。
Part5では、このような「地域差」を意識した問題が年間約2-3問出題されます。
TOEICでの位置づけ
TOEICは国際的なビジネステストとして設計されています。
TOEICの基本方針
- アメリカ英語を基準とする
- イギリス英語も正解として認める
- 地域差による減点はしない
- ビジネス文脈での適切性を重視
The company will _____ its operations globally.
(A) standardize (アメリカ英語)
(B) standardise (イギリス英語)
(C) standard
(D) standards
正解は(A)または(B)です。 両方とも正しい表記として認められます。
スペルの地域差
最も分かりやすい違いです。
-or vs -our
アメリカ英語:-or
イギリス英語:-our
The _____ of the product is excellent.
(A) color (アメリカ)
(B) colour (イギリス)
(C) coloring
(D) colorful
どちらも正解ですが、一つの文書内では統一することが重要です。
主要な-or/-our単語:
- color / colour(色)
- honor / honour(名誉)
- labor / labour(労働)
- favor / favour(好意)
- behavior / behaviour(行動)
-ize vs -ise
アメリカ英語:-ize
イギリス英語:-ise
We need to _____ our procedures.
(A) organize (アメリカ)
(B) organise (イギリス)
(C) organization
(D) organizing
両方とも正解です。
主要な-ize/-ise単語:
- organize / organise(組織する)
- realize / realise(理解する)
- recognize / recognise(認識する)
- maximize / maximise(最大化する)
- analyze / analyse(分析する)
-er vs -re
アメリカ英語:-er
イギリス英語:-re
The conference _____ is located downtown.
(A) center (アメリカ)
(B) centre (イギリス)
(C) central
(D) centered
主要な-er/-re単語:
- center / centre(中心)
- theater / theatre(劇場)
- meter / metre(メートル)
- fiber / fibre(繊維)
その他のスペル差
アメリカ → イギリス
defense → defence(防御)
license → licence(名詞:ライセンス)
practice → practise(動詞:練習する)
gray → grey(灰色)
語彙の地域差
同じ意味で異なる単語を使います。
日常語彙の違い
The _____ will arrive at 3 PM.
(A) elevator (アメリカ)
(B) lift (イギリス)
(C) stairs
(D) escalator
文脈によりどちらも正解です。
主要な語彙差:
交通関連
- subway / underground(地下鉄)
- truck / lorry(トラック)
- gas / petrol(ガソリン)
- parking lot / car park(駐車場)
ビジネス関連
- vacation / holiday(休暇)
- fall / autumn(秋)
- apartment / flat(アパート)
- cell phone / mobile phone(携帯電話)
建物・設備
- first floor / ground floor(1階)
- bathroom / toilet(トイレ)
- faucet / tap(蛇口)
- flashlight / torch(懐中電灯)
ビジネス語彙の違い
Please review the _____ before the meeting.
(A) schedule (アメリカで一般的)
(B) timetable (イギリスで一般的)
(C) agenda
(D) minutes
両方とも正解ですが、文脈で適切性が変わります。
文法の地域差
構文や動詞の使い方の違いです。
集合名詞の扱い
アメリカ英語:集合名詞を単数扱い
イギリス英語:集合名詞を複数扱いも可
The team _____ working hard.
(A) is (アメリカ的)
(B) are (イギリス的)
(C) was
(D) were
TOEICでは(A)が一般的ですが、(B)も文法的に正しいです。
前置詞の違い
アメリカ:on the weekend
イギリス:at the weekend
アメリカ:different from
イギリス:different to / different from
アメリカ:Monday through Friday
イギリス:Monday to Friday
助動詞の使い方
shall の使用頻度:
- アメリカ:ほとんど使わない(will を使用)
- イギリス:提案で使用(Shall we go?)
_____ we start the meeting now?
(A) Will (アメリカ的)
(B) Shall (イギリス的)
(C) Can
(D) Could
現在完了と過去形
アメリカ英語:過去形を好む傾向
イギリス英語:現在完了を好む傾向
I just finished the report. (アメリカ的)
I have just finished the report. (イギリス的)
国際ビジネスでの配慮
グローバルなコミュニケーションでの注意点です。
統一性の重要性
一つの文書内では統一することが重要です。
❌ 混在例:
The company will organize a colour-coded system for the center.
✅ 統一例(アメリカ):
The company will organize a color-coded system for the center.
✅ 統一例(イギリス):
The company will organise a colour-coded system for the centre.
相手に合わせる配慮
相手の地域に合わせることが礼儀的です。
- アメリカ企業との取引 → アメリカ英語
- イギリス企業との取引 → イギリス英語
- 国際的な場面 → どちらでも可(統一が重要)
誤解を避ける表現
地域差が大きい語彙は避ける、または説明を加えます。
明確でない:Please use the lift.
明確:Please use the elevator/lift.
説明付き:Please use the lift (elevator).
TOEICでの実践的対応
Part5での効果的な解法です。
対応1:両方を正解として認識
地域差のある選択肢が複数ある場合は、文法的正確性で判断します。
対応2:文脈で判断
文書の全体的な傾向から、どちらの英語かを判断します。
対応3:より一般的な形を選択
迷ったときはアメリカ英語を選ぶ(TOEICの基準のため)。
地域差を意識した学習法
効果的な学習方法です。
方法1:辞書での確認
地域表示(US/UK)を意識して語彙を覚えます。
方法2:メディアでの使い分け
- アメリカメディア:CNN, Wall Street Journal
- イギリスメディア:BBC, Financial Times
方法3:ビジネス文書の分析
実際の国際企業の文書で地域差の使い分けを観察します。
よくある質問と対応
Q: どちらを覚えるべき?
A: 両方を認識し、一つを主軸にして統一使用する。
Q: 混在して使ってもいい?
A: 一つの文書内では統一することが重要。
Q: TOEICではどちらが有利?
A: どちらも正解だが、アメリカ英語がわずかに多い。
練習問題にチャレンジ
理解度を確認してみましょう。
問題1:The company decided to _____ its marketing strategy.
(A) standardize
(B) standardise
(C) standard
(D) standards
考えてみてくださいね。
正解は(A)または(B)です!
決定したのはマーケティング戦略を標準化することなので、動詞が必要。(A)はアメリカ英語、(B)はイギリス英語でどちらも正解です。
問題2:Please check the _____ of the product.
(A) color
(B) colour
(C) coloring
(D) Both A and B
正解は(D)です!
colorはアメリカ英語、colourはイギリス英語で、どちらも「色」という意味で正しいです。
まとめ
地域差はどちらも正しい表現であり、統一性と相手への配慮が重要です。
今回紹介した知識を活用すれば、
- 国際的なビジネス感覚が身につく
- より柔軟な英語理解ができるようになる
- グローバルなコミュニケーションが円滑になる
という効果が期待できます。
ぜひ今日から、この「地域差への理解」で英語力をより国際的にレベルアップさせてくださいね!