Part5で動詞の活用形が出ると、「どの形を選べばいいんだろう?」と迷ってしまうことはありませんか?
実は、動詞の4つの形(原形・過去形・過去分詞・ing形)には明確な使い分けルールがあります。 このルールを覚えれば、Part5の動詞問題で迷うことはもうありません。
今回は、600点を目指す方に向けて、動詞活用形を5秒で判断する実践的なテクニックをお伝えします。
動詞4形態の基本:まずは全体像を理解しよう
動詞の活用形は、コンビニの商品棚のように決まった場所に決まった形が置かれています。
英語の動詞には4つの基本形があります。
- 原形:辞書に載っている基本の形(work)
- 過去形:過去の出来事を表す(worked)
- 過去分詞:完了形や受動態で使う(worked)
- ing形:進行形や動名詞で使う(working)
この4つの形は、それぞれ決まった役割があります。
簡単に言うと、電車の車両のように「1号車は原形、2号車は過去形」という感じで、使用場面が決まっているんです。
原形が必要な5つの場面
原形は「動詞の素の形」です。 以下の場面では必ず原形を使います。
場面1:助動詞の後
ルール:
助動詞(will、can、must、should等)の後は必ず原形
例題:
We will _____ the project next month.
(A) complete
(B) completed
(C) completing
(D) completion
正解は(A)です。 willの後なので原形completeが必要です。
場面2:to不定詞
ルール:
toの後は必ず原形(to + 原形)
例題:
The manager decided to _____ the meeting.
(A) postpone
(B) postponed
(C) postponing
(D) postponement
正解は(A)です。 to不定詞なので原形postponeを使います。
場面3:使役動詞・知覚動詞の後
ルール:
make、let、see、hear、watch等の後の動詞は原形
例題:
The supervisor made him _____ overtime.
(A) work
(B) worked
(C) working
(D) to work
正解は(A)です。 makeの後なので原形workが必要です。
場面4:現在形(3人称単数以外)
ルール:
主語がI、you、we、they、複数名詞の場合は原形
場面5:命令文
ルール:
命令文は動詞の原形で始まる
過去形が必要な3つの場面
過去形は「過去の一点で起きた出来事」を表します。
場面1:明確な過去の時点
ルール:
yesterday、last week、ago等があれば過去形
例題:
The team _____ the deadline last Friday.
(A) meet
(B) met
(C) meeting
(D) meets
正解は(B)です。 last Fridayという過去の時点があるので過去形metを使います。
場面2:過去の習慣
ルール:
過去によくしていたことを表す場合
場面3:仮定法過去
ルール:
現在の事実と反対のことを仮定する場合
過去分詞が必要な4つの場面
過去分詞は「完了・経験・受動」を表す重要な形です。
場面1:現在完了形(have/has + 過去分詞)
ルール:
経験・完了・継続・結果を表す場合
例題:
I have _____ this book twice.
(A) read(原形)
(B) read(過去形)
(C) read(過去分詞)
(D) reading
正解は(C)です。 現在完了形なので過去分詞readが必要です。
場面2:受動態(be + 過去分詞)
ルール:
主語が動作を受ける場合
例題:
The report was _____ by the accountant.
(A) prepare
(B) prepared
(C) preparing
(D) preparation
正解は(B)です。 受動態なので過去分詞preparedを使います。
場面3:過去完了形(had + 過去分詞)
ルール:
過去のある時点より前の出来事
場面4:分詞の形容詞的用法
ルール:
名詞を修飾する場合(受動の意味)
ing形が必要な4つの場面
ing形は「進行・継続・動作の途中」を表します。
場面1:現在進行形(be + ing)
ルール:
今現在進行中の動作
例題:
She is _____ a report for tomorrow's meeting.
(A) write
(B) wrote
(C) written
(D) writing
正解は(D)です。 現在進行形なので-ing形writingが必要です。
場面2:動名詞(動詞を名詞として使用)
ルール:
主語・目的語・前置詞の後で使用
例題:
I enjoy _____ English novels.
(A) read
(B) reading
(C) to read
(D) reads
正解は(B)です。 enjoyの後は動名詞なのでreadingを使います。
場面3:現在分詞(能動的修飾)
ルール:
名詞を修飾する場合(能動の意味)
場面4:分詞構文
ルール:
理由・時・条件等を表す場合
規則動詞vs不規則動詞:覚え方のコツ
動詞は変化のパターンで2つに分かれます。
規則動詞のパターン
基本ルール:
過去形・過去分詞は「-ed」をつける
work → worked → worked
play → played → played
study → studied → studied
注意点:
- 子音+yで終わる場合:y→iに変えて-ed
- 短母音+子音で終わる場合:子音を重ねて-ed
不規則動詞の頻出パターン
Part5でよく出る不規則動詞を覚えましょう。
AAA型(3つとも同じ):
cut → cut → cut
put → put → put
read → read → read(発音は変わる)
ABA型(1番目と3番目が同じ):
come → came → come
run → ran → run
become → became → become
ABB型(2番目と3番目が同じ):
bring → brought → brought
buy → bought → bought
teach → taught → taught
ABC型(3つとも違う):
go → went → gone
see → saw → seen
do → did → done
瞬間判断のための5ステップ
実際の問題で使える手順をお伝えします。
ステップ1:文の構造を3秒で把握
主語・動詞・目的語の位置を確認します。
ステップ2:動詞の前を確認
助動詞、be動詞、have/hasがないかチェックします。
ステップ3:時間表現をスキャン
yesterday、already、now等の時間を表す語を探します。
ステップ4:文の意味を判断
能動態か受動態か、進行中か完了かを判断します。
ステップ5:選択肢から選択
4つのパターンのどれに当てはまるか決定します。
実践練習問題
理解度を確認してみましょう。
練習問題1
The company has _____ three new employees this month.
(A) hire
(B) hired
(C) hiring
(D) hires
考え方:
「has」があるので現在完了形→過去分詞が必要
正解は(B)です。
練習問題2
We are _____ to expand our business overseas.
(A) plan
(B) planned
(C) planning
(D) plans
考え方:
「are」があるので進行形→-ing形が必要
正解は(C)です。
練習問題3
The meeting will _____ at 2 PM sharp.
(A) start
(B) started
(C) starting
(D) starts
考え方:
「will」があるので助動詞の後→原形が必要
正解は(A)です。
練習問題4
All documents must be _____ by tomorrow.
(A) submit
(B) submitted
(C) submitting
(D) submission
考え方:
「be」があり受動態→過去分詞が必要
正解は(B)です。
よくある間違いパターン
Part5でひっかかりやすい罠をご紹介します。
間違い1:完了形でing形を選ぶ
❌ I have finishing the report. ⭕ I have finished the report.
have/hasの後は必ず過去分詞です。
間違い2:受動態で原形を選ぶ
❌ The letter was write yesterday. ⭕ The letter was written yesterday.
be動詞の後は過去分詞(受動態)です。
間違い3:助動詞の後で過去形を選ぶ
❌ You should went home early. ⭕ You should go home early.
助動詞の後は必ず原形です。
間違い4:動名詞でto不定詞を選ぶ
❌ I enjoy to read books. ⭕ I enjoy reading books.
enjoyの後は動名詞(-ing形)です。
動詞活用形の暗記テクニック
効率的に覚える方法をお教えします。
テクニック1:グループ化して覚える
似たパターンの動詞をまとめて覚えます。
-ought系:
bring → brought → brought
buy → bought → bought
think → thought → thought
テクニック2:例文で覚える
単語だけでなく文で覚えると定着しやすくなります。
テクニック3:音読練習
声に出して活用形を言うことで記憶に定着させます。
テクニック4:毎日5個ずつ
一度に覚えようとせず、少しずつ確実に覚えていきます。
本番での時短テクニック
限られた時間で確実に正解する方法です。
3秒ルール:構造判断
文の構造を3秒で把握し、必要な動詞形を特定します。
キーワード識別
will、has、be、toなどのキーワードで瞬時に判断します。
消去法活用
明らかに違う選択肢を先に除外します。
パターン認識
頻出のパターンを覚えておき、瞬時に適用します。
まとめ
動詞活用形の使い分けは、パターンを覚えれば必ず解けるようになります。
今回お伝えした4つの基本形の使い分けを覚えれば、
- Part5の動詞問題で8割以上正解できる
- 解答時間が半分以下になる
- 他の文法問題にも応用できる
という効果が期待できます。
まずは規則動詞から始めて、徐々に不規則動詞もマスターしていきましょう。 毎日少しずつ練習すれば、必ず600点の壁を突破できます!