Part5で「discuss about」と「discuss」のどちらが正しいか瞬時に判断できますか?
他動詞・自動詞の問題が出てくると、「前置詞は必要?不要?」「目的語を直接取れる?」と悩んでしまうこと、ありますよね。
実は、他動性・自動性の判断は4つの識別パターンと3つの瞬間判断法をマスターすれば、15秒以内に確実に正解できるようになります。
今回は、年間約6-7問出題されるこの重要分野を完全攻略して、文構造の理解力を飛躍的に向上させていきましょう。
他動性・自動性の基本を理解しよう
他動性・自動性を簡単に説明すると、「動詞が目的語を直接取れるかどうか」の違いです。
例えば、「議論する」という意味の動詞を考えてみてください。 他動詞:discuss the plan(計画を議論する)← 直接目的語を取る 自動詞:talk about the plan(計画について話す)← 前置詞が必要
TOEICでは、この動詞の性質を正確に理解していることが重要なんです。
Part5での出題パターン
他動詞・自動詞は、Part5で年間約6-7問出題されます。
主な出題パターンは以下の4つです。
パターン1:前置詞の要不要問題
最も頻出するのが、動詞の後に前置詞が必要かどうかを判断する問題です。
例題:
We need to discuss _____ the budget for next year.
(A) about
(B) on
(C) with
(D) (前置詞不要)
正解は(D)です。 「discuss」は他動詞なので、直接目的語を取り、前置詞は不要です。
パターン2:似た意味の動詞選択問題
意味は似ているが他動性が異なる動詞から選ぶ問題も頻出します。
「raise/rise」「lay/lie」などが典型例です。
パターン3:受動態での動詞選択問題
受動態で使える動詞(他動詞)かどうかを判断する問題もあります。
自動詞は受動態にできないことがポイントです。
パターン4:文構造による動詞選択問題
文の構造から他動詞・自動詞のどちらが適切かを判断する問題もあります。
目的語の有無がヒントになります。
4つの識別パターンをマスター
他動詞・自動詞を識別する4つのパターンを整理しましょう。
パターン1:目的語の直接性
他動詞:動詞 + 目的語
discuss the problem(問題を議論する)
raise the price(価格を上げる)
affect the result(結果に影響する)
自動詞:動詞 + 前置詞 + 目的語
talk about the problem(問題について話す)
rise in price(価格が上がる)
depend on the result(結果に依存する)
パターン2:受動態の可否
他動詞:受動態可能
能動態:We discussed the plan.
受動態:The plan was discussed.
自動詞:受動態不可能
能動態:He arrived at the station.
受動態:× The station was arrived at. (不自然)
パターン3:目的語の種類
他動詞:人・物を直接目的語にできる
tell someone something
give someone something
show someone something
自動詞:前置詞を介して関係を表す
listen to someone
speak to someone
look at something
パターン4:文構造での判断
他動詞を要求する構造
SVO構造:主語 + 動詞 + 目的語
目的語が明確に存在する場合
自動詞を要求する構造
SV構造:主語 + 動詞
文が動詞で完結する場合
3つの瞬間判断法をマスター
実際の問題で瞬時に判断するための3つの方法を詳しく見ていきましょう。
判断法1:動詞の直後をチェック
動詞の直後に前置詞があるかを確認
discuss about → × (discussは他動詞)
discuss the plan → ○
talk the plan → × (talkは自動詞)
talk about the plan → ○
判断法2:文の完全性を確認
動詞だけで文が完結するかをチェック
He arrived. → ○ (自動詞、文が完結)
He discussed. → × (他動詞、目的語が必要)
判断法3:受動態変換テスト
受動態にできるかで判断
We solved the problem.
→ The problem was solved. (他動詞)
The price rose.
→ × was risen (自動詞、受動態不可)
間違えやすいポイント
日本人学習者が特に間違えやすいのは、以下の点です。
- 日本語の感覚の適用:「について議論する」→「discuss about」としてしまう
- 似た動詞の混同:「raise/rise」「lay/lie」の使い分けができない
- 前置詞の過度な使用:他動詞にも前置詞をつけてしまう
特に日本語の感覚の適用は、多くの人が見落としがちです。
確実に正解するための判断フロー
では、実際の解き方を見ていきましょう。
ステップ1:動詞の種類を特定
問題の動詞が他動詞か自動詞かを判断します。
ステップ2:文構造を分析
目的語があるか、前置詞が必要かを確認します。
ステップ3:選択肢を検証
各選択肢が文法的に正しいかをチェックします。
ステップ4:意味の妥当性を確認
選択した答えで文全体の意味が自然かを確認します。
練習問題にチャレンジ
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
問題1:The manager _____ the new policy with all employees.
(A) discussed
(B) talked
(C) spoke
(D) mentioned about
考えてみてくださいね。
正解は(A)です!
「discuss」は他動詞で直接目的語「the new policy」を取れます。「talk」「speak」は自動詞なので前置詞が必要です。
問題2:The temperature _____ significantly during the night.
(A) raised
(B) rose
(C) lifted
(D) increased up
正解は(B)です!
主語「temperature」が自ら上がったので、自動詞の「rose」が適切です。
重要な他動詞・自動詞ペア
TOEICでよく出る重要なペアを整理しましょう。
よく混同される動詞ペア
raise(他動詞)vs rise(自動詞)
他動詞:raise the price(価格を上げる)
自動詞:The price rises.(価格が上がる)
lay(他動詞)vs lie(自動詞)
他動詞:lay the book on the table(本をテーブルに置く)
自動詞:lie on the sofa(ソファに横になる)
affect(他動詞)vs effect(名詞)
他動詞:The rain affects the game.(雨が試合に影響する)
名詞:The effect of rain is significant.(雨の影響は大きい)
ビジネス英語の重要動詞
他動詞(直接目的語を取る)
discuss(議論する)
implement(実施する)
achieve(達成する)
manage(管理する)
develop(開発する)
自動詞(前置詞が必要)
depend on(〜に依存する)
consist of(〜から成る)
result in(〜の結果となる)
deal with(〜を扱う)
concentrate on(〜に集中する)
実践での瞬間判断テクニック
本番で素早く判断するためのコツをお伝えします。
-
動詞の直後をまずチェック
- 前置詞がある → 自動詞の可能性
- 名詞が直接ある → 他動詞の可能性
-
頻出動詞の性質を暗記
- discuss, mention, reach → 他動詞
- depend, consist, result → 自動詞
-
文の完結性をテスト
- 動詞で切っても意味が通る → 自動詞
- 動詞で切ると不完全 → 他動詞
-
受動態可能性を考慮
- 受動態で自然 → 他動詞
- 受動態で不自然 → 自動詞
前置詞との組み合わせパターン
自動詞でよく使われる前置詞の組み合わせを覚えましょう。
頻出の自動詞+前置詞
about系
talk about(〜について話す)
think about(〜について考える)
worry about(〜を心配する)
on系
depend on(〜に依存する)
concentrate on(〜に集中する)
focus on(〜に焦点を当てる)
of系
consist of(〜から成る)
approve of(〜を承認する)
think of(〜を思い浮かべる)
with系
deal with(〜を扱う)
agree with(〜に同意する)
comply with(〜に従う)
二重目的語を取る動詞
他動詞の中でも特別な構造を取る動詞があります。
人+物の二重目的語
give someone something
show someone something
tell someone something
send someone something
teach someone something
例文
Please give me the report.
Could you show us the presentation?
He told her the news.
目的語+補語の構造
make something/someone + 形容詞/名詞
consider something/someone + 形容詞/名詞
find something/someone + 形容詞/名詞
例文
This makes the process easier.
We consider him a valuable member.
I found the meeting productive.
ビジネス文書での使い分け
実際のビジネス場面での使い分けを見てみましょう。
会議・議論
他動詞の使用
We discussed the quarterly results.
(四半期の結果を議論しました)
The team reviewed the proposal.
(チームは提案を検討しました)
自動詞の使用
We talked about the new strategy.
(新戦略について話し合いました)
Let's focus on the key issues.
(重要な問題に焦点を当てましょう)
業務・作業
他動詞の使用
Please complete the assignment.
(課題を完成させてください)
We need to implement the changes.
(変更を実施する必要があります)
自動詞の使用
The project depends on the budget.
(プロジェクトは予算に依存しています)
The team consists of five members.
(チームは5人のメンバーから成ります)
よくある間違いパターン
TOEICでよく見る間違いパターンを整理しましょう。
間違いやすい他動詞
× discuss about the plan
○ discuss the plan
× mention about the issue
○ mention the issue
× reach to the goal
○ reach the goal
間違いやすい自動詞
× depend the weather
○ depend on the weather
× consist five people
○ consist of five people
× result failure
○ result in failure
まとめ
他動性・自動性のポイントは、「動詞の直後をチェックする」「目的語の必要性を判断する」「前置詞の要不要を見極める」「受動態の可能性を考慮する」ということです。
この記事で紹介した4つの識別パターンと3つの瞬間判断法を意識すれば、Part5での正答率が確実に上がります。
ぜひ今日から実践して、スコアアップを目指してくださいね!