Part5で時制の混在に困ったことはありませんか?
「一つの文で過去形と現在形が混じってもいいの?」「時制をどう統一すればいいか分からない」と悩むこと、ありますよね。
実は、時制の統一には明確なルールがあり、そのテクニックを覚えれば5秒以内で確実に正解できるようになります。
今回は、TOEIC Part5で年間約22問出題される時制問題の完全攻略法をお伝えします。
時制の混在とは何か
時制の混在を簡単に説明すると、一つの文や段落で異なる時制が不適切に使われている状態です。
例えば、映画のタイムラインを想像してみてください。 過去のシーンと現在のシーンが適切に整理されていないと、観客は混乱しますね。
これと同じように、英語の時制も適切に統一されていないと、読み手が時間の流れを理解できなくなってしまうんです。
Part5での出題パターン
時制問題は、Part5で年間約22問出題されます。
主な出題パターンは以下の4つです。
パターン1:時制統一問題
最も頻出するのが、文中の時制を統一する問題です。
例題:
When I arrived at the office, my colleague _____ already left.
(A) has
(B) had
(C) have
(D) will have
正解は(B)です。 arrivedが過去形なので、それより前の動作はhad leftで表現するからです。
パターン2:時制選択問題
文脈に応じて適切な時制を選ぶ問題も頻出です。
パターン3:時間副詞との整合性
時間を表す副詞と時制の組み合わせを問う問題があります。
パターン4:条件文・仮定法での時制
if節などでの時制選択を問う問題も出題されます。
間違えやすいポイント
日本人学習者が特に間違えやすいのは、以下の点です。
- 基準時制の見極め:どの動詞が基準となるか判断できない
- 時間の前後関係:動作の順序を正しく時制で表現できない
- 完了形の使い分け:過去完了・現在完了・未来完了の区別が曖昧
特に基準時制からの相対的な時制選択は、多くの人が見落としがちです。
時制統一の基本ルール
では、実際の時制統一ルールを見ていきましょう。
ルール1:基準時制の確立
主節の時制が基準
主節が現在形 → 従属節も現在系で統一
主節が過去形 → 従属節も過去系で統一
例:
✓ I think that he is busy.(現在-現在)
✓ I thought that he was busy.(過去-過去)
✗ I thought that he is busy.(混在:NG)
ルール2:時間の前後関係の表現
過去基準での前後関係
基準:過去形(arrived)
それより前:過去完了(had finished)
それより後:過去形/would(would start)
例:
When I arrived, he had already finished his work.
(到着時点で、既に仕事を終えていた)
現在基準での前後関係
基準:現在形(know)
過去の経験:現在完了(have lived)
将来の予定:未来形(will move)
例:
I know that he has lived here for five years.
(現在知っている、5年間住んでいるという経験)
ルール3:例外的な時制混在
普遍的事実は現在形
✓ He told me that the earth is round.
(地球が丸いという普遍的事実)
現在も続く状態
✓ She said that she lives in Tokyo.
(発言時点でも東京に住んでいる)
時制選択のテクニック
テクニック1:基準動詞の特定
Step 1:主節の動詞を確認
I believe / I believed
He says / He said
Step 2:時間の流れを図式化
過去 ←→ 現在 ←→ 未来
had done → did → will do
Step 3:相対的な時制を選択
基準が過去なら:
- より前 → 過去完了
- 同時 → 過去形
- より後 → would/was going to
テクニック2:時間副詞との整合性
現在完了と相性の良い副詞
already, just, yet, ever, never, recently, lately,
since, for, so far, up to now
過去形と相性の良い副詞
yesterday, last week, ago, in 2020, when, at that time
未来形と相性の良い副詞
tomorrow, next week, soon, in the future, later
テクニック3:文脈からの時制推測
ビジネス文書での典型パターン
会議・プレゼンテーション:
Yesterday's meeting was productive.
The presenter explained that sales have increased.
(説明は過去、売上増加は現在まで継続)
計画・予定:
We decided that we will launch the product next month.
(決定は過去、発売は未来)
条件文での時制統一
実現可能な条件(第1条件文)
If + 現在形, 未来形/命令文
If it rains tomorrow, we will cancel the event.
仮想的な条件(第2条件文)
If + 過去形, would + 動詞原形
If I had more time, I would study harder.
過去の仮定(第3条件文)
If + 過去完了, would have + 過去分詞
If I had known, I would have helped you.
練習問題にチャレンジ
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
問題1:The manager announced that the project _____ completed next month.
(A) is
(B) was
(C) will be
(D) would be
正解は(D)です!
announced(過去形)が基準なので、未来の予定はwould beで表現します。
問題2:I have been working here since I _____ from university.
(A) graduate
(B) graduated
(C) have graduated
(D) will graduate
正解は(B)です!
sinceの後は具体的な過去の時点なので、過去形graduatedが適切です。
時制チェックリスト
自己確認のステップ
Step 1:基準時制の確認
主節の動詞の時制は?
現在形 / 過去形 / 未来形
Step 2:時間関係の整理
従属節の動作は主節に対して:
同時 / より前 / より後
Step 3:時間副詞との照合
already, since, ago など
時間副詞と時制は一致している?
Step 4:文脈の確認
文書全体の時間設定は?
現在の状況 / 過去の報告 / 将来の計画
よくある間違いパターン
混在エラー1:
✗ I thought he is busy.
✓ I thought he was busy.
混在エラー2:
✗ He said he will come tomorrow.
✓ He said he would come the next day.
混在エラー3:
✗ When I arrived, he already left.
✓ When I arrived, he had already left.
まとめ
時制の統一は、基準時制の確立と時間関係の整理がポイントです。
今回紹介したテクニックを意識すれば、Part5での正答率が確実に上がります。
- 基準確立:主節の時制を基準にする
- 前後関係:完了形で時間の前後を表現
- 副詞整合:時間副詞と時制を一致させる
- 文脈理解:文書全体の時間設定を把握
ぜひ今日から実践して、時制問題を得点源にしてくださいね!