Part5で「この動詞はどの文型で使うの?」と迷うことはありませんか?
文型問題は「覚えるもの」と思われがちですが、実は動作の方向性を理解すれば確実に判断できます。
主語(主体)から目的語(客体)への動作の流れを把握するだけで、複雑に見える文型も瞬時に見分けられるようになります。
今回は、主語と目的語の関係を軸にした文型選択法で、Part5の得点を安定させる方法をお伝えします。
主体と客体の基本概念
文型理解の核心は「誰が何をどうするか」という動作の方向性です。
レストランでの注文を例にしてみましょう。 「お客様がメニューを注文する」という場面で、お客様が主体(動作をする人)、メニューが客体(動作を受ける物)になります。
英語では、この主体が主語(Subject)、客体が**目的語(Object)**として文の骨格を作るんです。
動詞は、この主体と客体を「どのように結びつけるか」を決める重要な役割を持っています。 つまり、動詞の性質によって文型が決まるということです。
Part5での文型出題パターン
文型に関する問題は、Part5で年間約3-5問出題されます。
主な出題パターンは以下の4つです。
パターン1:自動詞vs他動詞
動詞が目的語を必要とするかどうかを判断する問題です。
例題:
The presentation _____ smoothly despite technical difficulties.
(A) proceeded
(B) proceeded with
(C) was proceeded
(D) was proceeded with
正解は(A)です。 proceedは自動詞なので、目的語を必要としません。
パターン2:文型による語順
動詞の文型によって語順が変わる問題です。
例題:
The manager _____ the project to the new team leader.
(A) assigned
(B) was assigned
(C) assigning
(D) assignment
正解は(A)です。 assign someone something(SVOO文型)の用法です。
パターン3:前置詞の必要性
動詞の文型によって前置詞が必要になる場合の判断です。
5つの基本文型の見分け方
文型判断を簡単にするために、動作の方向性で整理してみましょう。
第1文型(SV):動作完結型
主語だけで動作が完了する文型です。
The meeting started. (会議が始まった)
動作が主語の中で完結し、外に向かわない状態です。 まるで、一人でできることのようなイメージですね。
第2文型(SVC):状態説明型
主語の状態や性質を説明する文型です。
The proposal sounds interesting. (提案は興味深く聞こえる)
主語=補語の関係が成り立ちます。 「提案=興味深い」という等式が作れるんです。
第3文型(SVO):直接作用型
主語の動作が目的語に直接影響する文型です。
The team completed the project. (チームがプロジェクトを完了した)
動作の矢印が主語から目的語へ一直線に向かう、最もシンプルな関係です。
第4文型(SVOO):授受型
主語が間接目的語に直接目的語を与える文型です。
The CEO gave the employees a bonus. (CEOが従業員にボーナスを与えた)
「誰に何を」という2つの目的語がある構造です。 プレゼントを渡すような、3者間の関係をイメージしてください。
第5文型(SVOC):変化・結果型
主語の動作によって目的語が変化する文型です。
The training made the staff confident. (研修がスタッフを自信にあふれるようにした)
目的語=補語の関係が成り立ちます。 「スタッフ=自信にあふれる」状態に変化させたということです。
間違えやすいポイント
日本人学習者が特に間違えやすいのは、以下の点です。
- 自動詞と他動詞の混同:riseとraise、lieとlayなどの区別
- 前置詞の脱落:dependやconsistなど、前置詞が必須の動詞
- 文型の暗記優先:動詞の意味より文型パターンを重視してしまう
特に動作の方向性無視は、多くの人が見落としがちです。 動詞の意味と動作の流れを理解せずに、パターンだけで覚えようとすると間違いの原因になります。
瞬時判断の4ステップ
では、実際の解き方を見ていきましょう。
ステップ1:動作の出発点確認
まず、主語(動作をする人・物)を特定します。
文の主人公が明確になれば、動作の出発点が分かります。
ステップ2:動作の到達点チェック
次に、動作が「どこに向かうか」を確認します。
目的語があるか、補語で状態を表すか、それとも主語内で完結するかを判断します。
ステップ3:動作の性質判断
動作が「与える」「変化させる」「説明する」のどのタイプかを見極めます。
これで文型の大枠が決まります。
ステップ4:語順と前置詞確認
最後に、文型に適した語順と必要な前置詞があるかを確認します。
練習問題にチャレンジ
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
問題1:The new system _____ employees to work more efficiently.
(A) enables
(B) is enabled
(C) enabling
(D) enable
「新しいシステムが従業員を効率的に働けるようにする」ですね。
正解は(A)です!
enable someone to doは第5文型(SVOC)の構造です。 主語(system)の動作によって目的語(employees)が「効率的に働ける状態」に変化します。
問題2:The conference _____ at 9 AM sharp.
(A) began
(B) was begun
(C) beginning
(D) begins
正解は(A)です!
beginは自動詞として使われる場合、第1文型(SV)になります。 会議が始まるという動作は、主語(conference)内で完結しています。
頻出動詞の文型パターン
文型判断を速くするために、頻出動詞のパターンを整理しました。
授受動詞(第4文型SVOO)
give, send, show, tell, teach, offer, provide
これらは「誰に何を」の構造を取ります。
使役・知覚動詞(第5文型SVOC)
make, let, have / see, hear, watch
目的語の状態変化や動作を表します。
状態動詞(第2文型SVC)
be, become, seem, appear, sound, look, feel
主語の状態や性質を説明します。
まとめ
文型選択のポイントは、動作の方向性を理解することです。
主語(主体)から目的語(客体)への動作の流れを把握すれば、どの文型かが自然に見えてきます。 この4ステップを意識すれば、Part5の文型問題で迷うことはなくなります。
ぜひ次の学習で、動作の方向性に注目して問題を解いてみてくださいね!