Part5で-ing形の問題が出ると、「これは何の用法?」と混乱していませんか?
「現在分詞、動名詞、分詞構文...用語は覚えたけど、実際の問題では区別できない」という悩み、よく聞きます。
実は、-ing形には3つの明確なパターンがあり、それを10秒で見分ける方法があるんです。
今回は、分詞構文を中心に、-ing形を完全攻略する独学法をお伝えします。
分詞構文とは?基本を理解しよう
分詞構文を動画の編集に例えて理解してみましょう。
動画を作るとき、メインの映像と背景音楽を同時に流しますよね。 メインの映像(主文)は最も重要で、背景音楽(分詞構文)は補助的な情報を提供します。
分詞構文の基本構造
分詞構文は主文に付け加える補助的な情報を表します。
例文:
Walking to the station, I met my old friend.
(駅に向かって歩いていると、昔の友人に会った)
ここで「Walking to the station」が分詞構文です。 メインの出来事「I met my old friend」に時間的な背景を加えています。
通常の文との比較
分詞構文を使わない場合:
While I was walking to the station, I met my old friend.
分詞構文を使った場合:
Walking to the station, I met my old friend.
分詞構文を使うことで、文がよりコンパクトで洗練された印象になります。
Part5での分詞構文出題パターン
分詞構文は、Part5で年間約4-6問出題されます。
主な出題パターンは以下の3つです。
パターン1:文頭の分詞構文
最も頻出するパターンです。
例題:
_____ the quarterly report, the manager found several errors.
(A) Review
(B) Reviewing
(C) Reviewed
(D) To review
文頭に来る分詞構文では、主語と動詞の関係がポイントになります。
正解は(B)です。 主語「the manager」が「review(確認する)」という動作を行うため、現在分詞reviewingが正解です。
パターン2:文中の分詞構文
カンマで区切られた分詞構文も頻出です。
例題:
The CEO, _____ about the results, decided to call an emergency meeting.
(A) concern
(B) concerning
(C) concerned
(D) to concern
正解は(C)です。 「CEO」が「心配している状態」なので、過去分詞concernedが正解です。
パターン3:後置修飾の分詞
名詞の直後に来る分詞も重要なパターンです。
例題:
The documents _____ on the desk need to be filed immediately.
(A) place
(B) placing
(C) placed
(D) to place
正解は(C)です。 「書類」が「置かれている状態」なので、過去分詞placedが正解です。
-ing形を10秒で判別する3ステップ
では、実際にどう判別すればいいのか、実践的な方法をお教えします。
ステップ1:主語との関係をチェック(3秒)
まず、主語と動詞の関係を確認します。
主語が動作を行う → 現在分詞(-ing)
The student studying hard passed the exam.
(一生懸命勉強している学生が試験に合格した)
主語が動作を受ける → 過去分詞(-ed)
The book written by him became a bestseller.
(彼によって書かれた本がベストセラーになった)
ステップ2:文での役割を判断(4秒)
次に、-ing形が文でどんな役割を果たしているか判断します。
修飾(形容詞的)→ 現在分詞
The running man is my brother.(走っている男性)
補助情報(副詞的)→ 分詞構文
Running fast, he caught the train.(速く走って)
主語・目的語(名詞的)→ 動名詞
Running is good exercise.(走ることは)
ステップ3:文脈で最終確認(3秒)
最後に、選んだ答えで文全体が自然に読めるか確認します。
特に時制や意味の整合性をチェックしましょう。
間違えやすいポイント
日本人学習者が特に間違えやすいのは、以下の点です。
- 能動・受動の判断ミス:主語が動作を行うか受けるかの判断を間違える
- 分詞と動名詞の混同:-ing形を見ると自動的に動名詞だと思ってしまう
- 時制の不一致:主文の時制と分詞構文の時制が合わない
特に能動・受動の判断は、多くの人が苦手とするポイントです。
分詞構文の意味パターン
分詞構文には、文脈によって異なる意味があります。
時を表す分詞構文
例文:
Entering the office, she greeted everyone.
(オフィスに入ると、彼女は皆に挨拶した)
「〜すると」「〜する時」の意味になります。
理由を表す分詞構文
例文:
Being tired, I went to bed early.
(疲れていたので、早く寝た)
「〜なので」「〜だから」の意味になります。
条件を表す分詞構文
例文:
Working hard, you will succeed.
(一生懸命働けば、成功するでしょう)
「〜すれば」「〜なら」の意味になります。
譲歩を表す分詞構文
例文:
Knowing the risk, she decided to invest.
(リスクを知っていながら、彼女は投資することにした)
「〜にもかかわらず」の意味になります。
練習問題にチャレンジ
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
問題1:_____ by the deadline, the team worked overtime.
(A) Pressure
(B) Pressuring
(C) Pressured
(D) To pressure
10秒で考えてみてください。
正解は(C)です!
主語「the team」が「プレッシャーを受けている状態」なので、過去分詞pressuredが正解です。 「締切にプレッシャーをかけられて」という受動の意味になります。
問題2:The manager, _____ the presentation carefully, noticed some mistakes.
(A) review
(B) reviewing
(C) reviewed
(D) to review
正解は(B)です!
主語「the manager」が「確認している」という能動の関係なので、現在分詞reviewingが正解です。 「プレゼンを注意深く確認しながら」という意味になります。
独学でマスターするコツ
分詞構文を効率よく身につけるための独学法をご紹介します。
コツ1:例文を声に出して読む
分詞構文のリズムを体で覚えることが大切です。
毎日5分、例文を音読する習慣をつけましょう。
コツ2:日本語から英語に変換練習
「〜しながら」「〜すると」という日本語を見たら、分詞構文で表現する練習をします。
コツ3:ニュース記事で実例を探す
英語のニュース記事には分詞構文がよく使われています。
見つけたらノートに書き写して、構造を分析してみてください。
コツ4:間違いノートを作る
練習問題で間違えた部分は、必ずノートに記録します。
なぜ間違えたかの理由も一緒に書くと、同じミスを防げます。
まとめ
分詞構文の理解は、主語と動詞の関係がすべてのカギです。
この記事で紹介した10秒判別法を使えば、Part5での正答率が確実に上がります。
- ステップ1:主語との関係をチェック(能動か受動か)
- ステップ2:文での役割を判断(修飾か補助情報か)
- ステップ3:文脈で最終確認
分詞構文は最初は難しく感じますが、パターンを覚えれば必ず得点源になります。
今日から実践して、-ing形をマスターしてくださいね!