Part5で形容詞の位置に関する問題が出ると、「名詞の前?動詞の後?」と迷ってしまうこと、ありませんか?
形容詞は基本的に名詞の前に置きますが、実は位置によって意味が変わるものや、特定の位置でしか使えないものがあるんです。
これを知らないと、文法的には正しくても意味が全く違ってしまう可能性があります。
今回は、TOEIC Part5で確実に正解するための形容詞の位置ルールと、位置による意味の違いを徹底解説します。
形容詞の基本的な2つの用法
形容詞の用法を簡単に説明すると、**「名詞を直接修飾」か「動詞を通して説明」**かの違いです。
コンビニで商品を選ぶ場面を想像してください。
「新しいお弁当」と言う時と「このお弁当は新しい」と言う時では、「新しい」の使われ方が違いますよね。
基本の2つの用法:
- 限定用法:形容詞 + 名詞(直接修飾)
- 叙述用法:主語 + be動詞 + 形容詞(間接説明)
限定用法:名詞の前で直接修飾
まず、限定用法から詳しく見ていきましょう。
限定用法の特徴
限定用法は、形容詞が名詞の直前に置かれて、その名詞を直接修飾する使い方です。
スマホで写真を撮る時に「美しい風景」と言う場面を考えてください。
「美しい」が「風景」を直接説明していますよね。
基本構造:
形容詞 + 名詞
例:a beautiful landscape(美しい風景)
限定用法の例
We need a reliable employee.
(私たちは信頼できる従業員が必要だ)
She bought an expensive car.
(彼女は高価な車を買った)
They live in a modern apartment.
(彼らは現代的なアパートに住んでいる)
Part5での頻出パターン
The company is looking for _____ candidates for the position.
(A) qualify
(B) qualified
(C) qualification
(D) qualifying
正解は(B)です。 候補者を直接修飾する限定用法として、過去分詞の形容詞qualifiedを使います。
叙述用法:動詞の後で間接説明
次に、叙述用法です。
叙述用法の特徴
叙述用法は、be動詞などの後に形容詞が置かれて、主語の状態や性質を説明する使い方です。
レストランで料理を食べて「この料理は美味しい」と感想を言う場面を考えてください。
「美味しい」が「この料理は」という主語について説明していますよね。
基本構造:
主語 + be動詞 + 形容詞
例:The food is delicious.(料理は美味しい)
叙述用法の例
The meeting was productive.
(会議は生産的だった)
This problem seems difficult.
(この問題は難しそうだ)
The employees became excited.
(従業員たちは興奮した)
Part5での出題例
The presentation was very _____ and informative.
(A) interest
(B) interested
(C) interesting
(D) interestingly
正解は(C)です。 be動詞の後の叙述用法として、形容詞interestingを使います。
位置によって意味が変わる形容詞
ここからが重要なポイントです。形容詞の中には、位置によって意味が変わるものがあります。
responsible:責任のある vs 責任を負う
限定用法:a responsible person(責任感のある人)
叙述用法:He is responsible for the project.(彼がプロジェクトの責任者だ)
レストランで店長と新人スタッフを比較する場面を考えてください。 店長は「責任感のある人」(人格)であり、同時に店舗運営に「責任を負っている」(役割)という違いです。
available:利用可能な vs 手が空いている
限定用法:available resources(利用可能な資源)
叙述用法:The manager is available now.(マネージャーは今手が空いている)
present:現在の vs 出席している
限定用法:the present situation(現在の状況)
叙述用法:All members were present.(全員が出席していた)
Part5での出題例
All the _____ employees attended the training session.
(A) available
(B) present
(C) responsible
(D) involved
正解は(B)です。 「出席した従業員全員」という意味で、限定用法のpresentを使います。
限定用法でのみ使える形容詞
一部の形容詞は、限定用法でしか使えません。
main:主要な
✅ the main reason(主要な理由)
❌ The reason is main.
オフィスビルで「メインエントランス」と「サブエントランス」を区別する場面を考えてください。 「メイン」は常に他のものとの比較で使われるため、単独では使えません。
former:前の、元の
✅ my former colleague(元同僚)
❌ My colleague is former.
mere:単なる
✅ a mere mistake(単なる間違い)
❌ The mistake is mere.
Part5での頻出語
限定用法のみの形容詞:
- main(主要な)
- former(前の)
- latter(後の)
- mere(単なる)
- utter(全くの)
- sheer(純粋な)
叙述用法でのみ使える形容詞
逆に、叙述用法でしか使えない形容詞もあります。
alive:生きている
✅ The fish is alive.(魚は生きている)
❌ an alive fish
水族館で魚を見ている場面を考えてください。 「生きている」という状態は一時的なものなので、名詞を直接修飾できません。
asleep:眠っている
✅ The baby is asleep.(赤ちゃんは眠っている)
❌ an asleep baby
awake:起きている
✅ I am awake.(私は起きている)
❌ an awake person
Part5での頻出語
叙述用法のみの形容詞:
- alive(生きている)
- asleep(眠っている)
- awake(起きている)
- afraid(恐れて)
- alone(一人で)
- aware(気づいて)
実践トレーニング
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
練習問題1(制限時間:15秒)
The _____ manager will handle all customer complaints.
(A) available
(B) responsibility
(C) responsible
(D) responsibly
マネージャーの性質について述べている文ですね。
正解は(C)です!
「責任感のある管理者」という意味で、限定用法のresponsibleを使います。 「The manager is responsible」なら「管理者が責任を負っている」という叙述用法になります。
練習問題2(制限時間:15秒)
All participants must be _____ during the entire training session.
(A) presence
(B) present
(C) presentation
(D) presently
参加者の状態について述べている文ですね。
正解は(B)です!
「出席している」という状態を表す叙述用法のpresentを使います。 be動詞の後なので、形容詞が必要です。
複合形容詞の位置ルール
複合形容詞(ハイフンでつながれた形容詞)にも位置のルールがあります。
限定用法での複合形容詞
a well-known author(有名な作家)
a five-year plan(5年計画)
a user-friendly interface(使いやすいインターフェース)
スマホアプリの説明で「ユーザーフレンドリーなデザイン」と言う場面を考えてください。 複合形容詞は通常、名詞の前で使われます。
叙述用法では分離
The author is well known.(その作家は有名だ)
The plan is five years long.(その計画は5年間だ)
The interface is user friendly.(そのインターフェースは使いやすい)
Part5での出題例
Our company offers _____ solutions to small businesses.
(A) cost-effective
(B) cost effective
(C) effectively cost
(D) effective cost
正解は(A)です。 名詞の前の限定用法では、ハイフンでつながれた複合形容詞を使います。
よくある間違いパターン
日本人学習者が特に間違えやすいパターンを見てみましょう。
間違いパターン1:意味を考えずに位置だけで判断
❌ 「形容詞だから名詞の前」という思い込み
✅ その形容詞が限定用法・叙述用法のどちらで使えるかを確認
間違いパターン2:位置による意味の違いを無視
❌ responsibleは「責任のある」という意味だけと思い込む
✅ 限定用法と叙述用法で意味が変わることを理解
間違いパターン3:a-で始まる形容詞の特殊性を忘れる
❌ an alive animal
✅ The animal is alive.
本番での解答テクニック
Part5で確実に正解するためのコツをお伝えします。
-
空欄の位置を最初にチェック
- 名詞の前 → 限定用法可能な形容詞
- be動詞の後 → 叙述用法可能な形容詞
-
特殊な形容詞を覚える
- 限定用法のみ:main, former, mere など
- 叙述用法のみ:alive, asleep, afraid など
-
意味の違いに注意
- responsible, available, present など
-
15秒ルールを守る
- 位置問題は基本パターンなので15秒以内で判断
-
複合形容詞のハイフンに注意
- 限定用法ではハイフンあり
- 叙述用法では分離
まとめ
形容詞の位置は、文法的な正しさだけでなく意味にも大きく影響します。
今回紹介した位置ルールを意識すれば、
- Part5での形容詞位置問題の正答率が95%以上になる
- 1問あたりの解答時間が15秒以内になる
- 英作文での形容詞使用が正確になる
という効果が期待できます。
限定用法(名詞の前)と叙述用法(動詞の後)の基本を押さえて、位置による意味の違いも含めて確実にマスターしましょう!