Part5で「この単語、動詞?名詞?」と品詞が分からなくて困ることはありませんか?
「record って『レコード』と『記録する』で発音が違うの?」「なぜ同じスペルで意味が変わるの?」という疑問を持つ方も多いはずです。
実は、英語にはアクセントの位置で品詞と意味が変わる単語があり、パターンを覚えれば簡単に見分けられます。
今回は、Part5で頻出するアクセント変化単語を、覚えやすいルールとともに詳しく解説していきます。
強勢と無強勢の基本を理解しよう
アクセントの違いを簡単に説明すると、太鼓の叩き方のようなものです。
強勢(ストレス):強く叩く → 強いアクセント
無強勢:軽く叩く → 弱いアクセント
この強弱のパターンで、単語の品詞と意味が決まるんです。
Part5では、このような「アクセント関連」の語彙問題が年間約2-4問出題されます。
基本ルール:2音節単語のアクセント
最も重要な基本パターンです。
ルール1:名詞は第1音節にアクセント
前にアクセント = 名詞
The company will _____ the meeting.
(A) record (名詞:レコード)
(B) record (動詞:記録する)
(C) recording
(D) recorded
文脈から動詞が必要なので、(B) re-CORD (動詞)が正解です。
ルール2:動詞は第2音節にアクセント
後ろにアクセント = 動詞
アクセントパターン:
- 名詞:第1音節強勢 (RE-cord)
- 動詞:第2音節強勢 (re-CORD)
頻出アクセント変化単語
Part5でよく出る重要単語です。
record(レコード / 記録する)
名詞:RE-cord /ˈrekɔːrd/ (レコード、記録)
動詞:re-CORD /rɪˈkɔːrd/ (記録する)
例文:
- This record shows our sales data.(この記録は売上データを示している)
- We need to record the meeting.(会議を記録する必要がある)
present(プレゼント / 発表する)
名詞:PRE-sent /ˈpreznt/ (贈り物、現在)
動詞:pre-SENT /prɪˈzent/ (発表する、贈る)
例文:
- Thank you for the present.(プレゼントをありがとう)
- I will present the proposal.(提案を発表します)
contract(契約 / 契約する)
名詞:CON-tract /ˈkɒntrækt/ (契約)
動詞:con-TRACT /kənˈtrækt/ (契約する、縮小する)
例文:
- Please sign the contract.(契約書に署名してください)
- We will contract with them.(彼らと契約します)
object(物体 / 反対する)
名詞:OB-ject /ˈɒbdʒɪkt/ (物体、目的)
動詞:ob-JECT /əbˈdʒekt/ (反対する)
例文:
- What is that object?(あの物体は何ですか?)
- I object to this plan.(この計画に反対します)
progress(進歩 / 進歩する)
名詞:PRO-gress /ˈprəʊgres/ (進歩)
動詞:pro-GRESS /prəˈgres/ (進歩する)
例文:
- We made good progress.(良い進歩を遂げました)
- The project will progress smoothly.(プロジェクトは順調に進むでしょう)
その他の重要アクセント変化単語
conflict(対立 / 対立する)
名詞:CON-flict /ˈkɒnflɪkt/ (対立、紛争)
動詞:con-FLICT /kənˈflɪkt/ (対立する)
conduct(行為 / 実施する)
名詞:CON-duct /ˈkɒndʌkt/ (行為、実施)
動詞:con-DUCT /kənˈdʌkt/ (実施する、指揮する)
contest(コンテスト / 争う)
名詞:CON-test /ˈkɒntest/ (コンテスト)
動詞:con-TEST /kənˈtest/ (争う、異議を唱える)
content(内容 / 満足した)
名詞:CON-tent /ˈkɒntent/ (内容)
形容詞:con-TENT /kənˈtent/ (満足した)
desert(砂漠 / 見捨てる)
名詞:DE-sert /ˈdezət/ (砂漠)
動詞:de-SERT /dɪˈzɜːt/ (見捨てる)
文脈による判断方法
Part5での実践的な解法です。
ステップ1:文の構造を確認
The company will _____ all meetings.
→ 助動詞 will の後なので動詞が必要
→ re-CORD(動詞)
ステップ2:前後の語を確認
Please sign the _____.
→ 冠詞 the の後なので名詞が必要
→ CON-tract(名詞)
ステップ3:文脈の意味を確認
We made excellent _____ this quarter.
→ made の目的語で「成果」の意味が必要
→ PRO-gress(名詞:進歩)
3音節以上の単語のアクセント
より複雑なパターンです。
語尾による判定
-tion, -sion で終わる語:語尾の前の音節にアクセント
- inforMAtion(情報)
- organizAtion(組織)
- presentAtion(発表)
-ic で終わる語:語尾の前の音節にアクセント
- econOMic(経済の)
- academIC(学術の)
- systematIC(系統的な)
-ity で終わる語:語尾の前の前の音節にアクセント
- responsibiLIty(責任)
- opportuNIty(機会)
- qualiTY(品質)
覚え方のコツ
効率的な記憶法です。
コツ1:動作をイメージ
動詞は行動なので、エネルギーが後ろに向かう
- re-CORD:「コード」に向かって記録
- pre-SENT:「セント」に向かって発表
コツ2:名詞は物や概念
名詞は物なので、最初に注目が集まる
- RE-cord:最初の「レ」が目立つ
- PRE-sent:最初の「プレ」が重要
コツ3:ペアで覚える
対比して覚えると記憶に残りやすい
- RE-cord(記録) ↔ re-CORD(記録する)
- CON-tract(契約) ↔ con-TRACT(契約する)
よくある間違いパターン
日本人学習者が特に注意すべき点です。
間違い1:カタカナ発音の影響
❌ record を常に「レコード」で発音 ✅ 動詞の時は re-CORD
間違い2:品詞の混同
❌ This records shows...(動詞で使用) ✅ This record shows...(名詞で使用)
間違い3:文脈無視
❌ アクセントだけで意味を決める ✅ 文脈と文法で品詞を確認してからアクセントを決める
練習問題にチャレンジ
理解度を確認してみましょう。
問題1:We need to _____ the contract details carefully.
(A) record
(B) records
(C) recording
(D) recorded
考えてみてくださいね。
正解は(A)です!
need to の後なので動詞の原形が必要。re-CORD(記録する)が正解です。
問題2:The manager will _____ the new policy next week.
(A) present
(B) presents
(C) presenting
(D) presentation
正解は(A)です!
will の後なので動詞の原形が必要。pre-SENT(発表する)が正解です。
アクセントと意味の関係
なぜアクセントで意味が変わるのかを理解しましょう。
歴史的な理由
英語の語彙は様々な言語から借用されており、それぞれ異なるアクセントパターンを持っていました。 時代とともに、品詞によってアクセントが固定化されたのです。
機能的な理由
名詞:情報の核となる概念なので、最初に強調 動詞:行動の方向性を示すので、後ろに向かって強調
この原理を理解すると、新しい単語でもアクセントが予測しやすくなります。
実践的な学習法
日常でできる練習方法です。
方法1:音読練習
名詞と動詞を交互に読んで、アクセントの違いを体感する。
方法2:文脈作成
同じ単語を名詞と動詞で使った文を作って練習する。
方法3:シャドーイング
ネイティブの発音を聞いて、アクセントを真似する。
まとめ
アクセント変化単語は基本ルールを覚えれば簡単に判別できます。
今回紹介した方法を使えば、
- 品詞判別が確実にできるようになる
- より自然な英語発音が身につく
- 語彙問題での正答率が向上する
という効果が期待できます。
ぜひ今日から、この「アクセントパターン」で英語の語彙力をレベルアップさせてくださいね!