Part5の冠詞問題で「aとtheのどちらを選べばいいか分からない」と悩むことはありませんか?
多くの学習者が「冠詞は感覚で覚えるもの」と思いがちですが、実は明確な判断基準があります。
その基準とは「既知と未知」の概念です。 この考え方をマスターすれば、5秒以内で確実に正解できるようになります。
今回は、話し手と聞き手の共通認識を瞬時に判断し、冠詞問題を得点源に変える方法をお伝えします。
既知と未知の基本概念
冠詞選択の核心は「その名詞が既知か未知か」を判断することです。
簡単に言うと、コンビニでの買い物を想像してみてください。 「レジ袋をお付けしますか?」と店員さんに聞かれるとき、どちらも同じレジ袋を思い浮かべていますよね。
これが「既知」の状態です。 お互いが「どのレジ袋か」を共通して理解している状況なんです。
一方、初めて訪れるカフェで「テーブル席はあちらです」と案内されるとき、あなたはまだ具体的にどのテーブルかは分かりません。 これが「未知」の状態です。
Part5での冠詞出題パターン
冠詞問題は、Part5で年間約4-6問出題されます。
主な出題パターンは以下の3つです。
パターン1:初回登場vs再登場
文章中で名詞が初めて登場するか、2回目以降かを判断する問題です。
例題:
The company hired a new manager. _____ manager has extensive experience.
(A) A
(B) An
(C) The
(D) (冠詞なし)
正解は(C)です。 2回目の登場なので、話し手と聞き手の両方が「どのmanager」か分かっているからです。
パターン2:状況から特定可能
文脈や状況から、特定の物を指していることが明らかな場合です。
例題:
Please turn off _____ lights before leaving the office.
(A) a
(B) an
(C) the
(D) (冠詞なし)
正解は(C)です。 オフィスの電気は、その場にいる人なら「どの電気か」が分かるからです。
間違えやすいポイント
日本人学習者が特に間違えやすいのは、以下の点です。
- 固有名詞との混同:The United Statesのような固有名詞と一般名詞を区別できない
- 可算・不可算の優先:冠詞より先に可算・不可算を考えてしまう
- 日本語の感覚:「その」があるからthe、ないからaと機械的に判断する
特に文脈無視は、多くの人が見落としがちです。 単語単体ではなく、必ず前後の文を読んで判断する必要があります。
5秒判断の3ステップ
では、実際の解き方を見ていきましょう。
ステップ1:共通認識チェック
まず、話し手と聞き手が「どれを指しているか」を共通して理解できるかチェックします。
前の文で言及されていたり、状況から明らかに特定できる場合は「既知」です。
ステップ2:初回登場の確認
その名詞が文章中で初めて登場するかを確認します。
初回登場で、特に特定する必要がない場合は「未知」となります。
ステップ3:特定性の判断
最後に、その名詞が特定の1つを指しているか、一般的な1つを指しているかを判断します。
特定の1つならthe、一般的な1つならa/anを選択します。
練習問題にチャレンジ
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
問題1:The meeting will be held in _____ conference room on the third floor.
(A) a
(B) an
(C) the
(D) (冠詞なし)
3階にある会議室なので、特定の部屋を指していますね。
正解は(C)です!
3階という場所が特定されているため、どの会議室かが明確に決まります。 話し手も聞き手も「どの会議室」かを共通して理解できる状況です。
問題2:I need to buy _____ computer for my new job.
(A) a
(B) an
(C) the
(D) (冠詞なし)
正解は(A)です!
特定のコンピュータではなく、一般的な「コンピュータ(1台)」が必要という意味です。 どのブランドや型番かは、この時点では決まっていません。
実践での時短テクニック
5秒判断をさらに確実にするコツがあります。
キーワードスキャン法
文中の以下のキーワードを瞬時に探します。
- 場所の限定:in the office, on the desk → the
- 順序:first, second, last → the
- 前の文との関連:前の文に同じ名詞 → the
- 一般的な1つ:初回登場で特定されない → a/an
2択判断法
theか a/anかで迷ったら、以下を自問します。
「相手はどれのことか分かるかな?」
分かる → the 分からない → a/an
この質問だけで、90%以上の問題が解けます。
まとめ
冠詞選択のポイントは、話し手と聞き手の共通認識を判断することです。
既知(the)か未知(a/an)かは、文脈と状況で決まります。 この3ステップを意識すれば、Part5の冠詞問題で迷うことはなくなります。
ぜひ次の模試で、5秒判断法を試してみてくださいね!