Part5で再帰代名詞が出ると、「myselfとmeのどっち?」と迷っていませんか?
「自分自身を表すのはわかるけど、いつ使えばいいのか判断に迷う」という声をよく聞きます。
実は、再帰代名詞には7つの明確なルールがあり、それを覚えれば迷わず正解できるようになります。
今回は、myself、themselvesなど再帰代名詞の正しい使い方を、実践的にマスターしていきましょう。
再帰代名詞とは?基本を理解しよう
再帰代名詞を鏡を見る行為に例えて理解してみましょう。
朝、鏡で自分の身だしなみをチェックするとき、「自分が自分を見ている」状態ですよね。 この「自分が自分に対して何かをする」関係が、再帰代名詞の基本概念です。
再帰代名詞の基本形
人称に応じて、以下のような形があります。
単数形:
- I → myself(私自身)
- you → yourself(あなた自身)
- he → himself(彼自身)
- she → herself(彼女自身)
- it → itself(それ自身)
複数形:
- we → ourselves(私たち自身)
- you → yourselves(あなたたち自身)
- they → themselves(彼ら・彼女ら自身)
基本的な使い方
例文:
I introduced myself to the new manager.
(私は新しいマネージャーに自己紹介した)
ここで、主語「I」と目的語「myself」が同じ人を指しています。
Part5での再帰代名詞出題パターン
再帰代名詞は、Part5で年間約2-4問出題されます。
主な出題パターンは以下の3つです。
パターン1:目的語としての再帰代名詞
最も基本的なパターンです。
例題:
The employees should introduce _____ to the new clients.
(A) them
(B) themselves
(C) their
(D) they
主語「The employees」が自分たち自身を紹介するので、再帰代名詞が必要です。
正解は(B)です。 主語と目的語が同じ人たちを指すため、themselvesが正解です。
パターン2:前置詞の目的語としての使用
前置詞の後でも再帰代名詞が使われます。
例題:
The CEO spoke about _____ during the interview.
(A) him
(B) himself
(C) his
(D) he
正解は(B)です。 CEOが自分自身について話すので、himselfが正解です。
パターン3:強調用法
主語を強調する場合にも使われます。
例題:
The manager _____ will attend the conference.
(A) him
(B) himself
(C) his
(D) he
正解は(B)です。 「マネージャー自身が」という強調の意味でhimselfを使います。
再帰代名詞の正しい使い方7つのルール
では、実際の使い方ルールを詳しく見ていきましょう。
ルール1:主語と目的語が同一人物の場合
これが最も基本的なルールです。
正しい例:
She taught herself English.
(彼女は独学で英語を学んだ)
間違った例:
She taught her English. ❌
(彼女は彼女に英語を教えた → 別人になってしまう)
ルール2:前置詞の後で主語と同一人物を指す場合
前置詞の目的語としても使われます。
正しい例:
He bought a gift for himself.
(彼は自分のためにプレゼントを買った)
間違った例:
He bought a gift for him. ❌
(別の男性のためのプレゼントになってしまう)
ルール3:強調用法(apposition)
主語の直後に置いて強調します。
正しい例:
The president himself announced the news.
(大統領自身がそのニュースを発表した)
この場合、himselfがなくても文は成立しますが、強調の効果があります。
ルール4:byと組み合わせて「一人で」の意味
「by + 再帰代名詞」で「一人で」「独力で」を表します。
正しい例:
She completed the project by herself.
(彼女は一人でそのプロジェクトを完成させた)
ルール5:複数主語では複数形の再帰代名詞を使用
主語が複数なら、再帰代名詞も複数形にします。
正しい例:
The students introduced themselves.
(学生たちは自己紹介をした)
間違った例:
The students introduced himself. ❌
(人称と数が一致しない)
ルール6:主語がない場合は使えない
再帰代名詞は必ず同じ文の主語を指します。
間違った例:
This book is for myself. ❌
(主語がないのでmyselfは使えない)
正しい例:
This book is for me. ✅
(通常の目的格代名詞を使用)
ルール7:感情・状態を表す動詞では使わない場合が多い
一部の動詞では再帰代名詞を使わないのが普通です。
間違った例:
I feel myself tired. ❌
正しい例:
I feel tired. ✅
(feelは通常再帰代名詞を取らない)
間違えやすいポイント
日本人学習者が特に間違えやすいのは、以下の点です。
- 主語との人称・数の不一致:主語がtheyなのにhimselfを選んでしまう
- 不要な場面での使用:主語と目的語が別人なのに再帰代名詞を使ってしまう
- 前置詞との組み合わせミス:by以外の前置詞でも適用してしまう
特に人称・数の一致は、基本的なルールなのに見落としがちです。
よく出る再帰代名詞の表現
TOEICでよく見かける表現パターンをまとめました。
ビジネスでよく使われる表現
introduce oneself(自己紹介する)
Please introduce yourself to the team.
express oneself(自分を表現する)
She expressed herself clearly in the meeting.
distinguish oneself(頭角を現す)
He distinguished himself in the project.
日常的な表現
enjoy oneself(楽しむ)
We enjoyed ourselves at the party.
help oneself(自分で取る、勝手にする)
Please help yourself to some coffee.
make oneself at home(くつろぐ)
Please make yourself at home.
練習問題にチャレンジ
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
問題1:The new employees will introduce _____ at tomorrow's meeting.
(A) them
(B) themselves
(C) their
(D) they
ルールを思い出して考えてみてください。
正解は(B)です!
主語「The new employees」が自分たち自身を紹介するので、再帰代名詞themselvesが正解です。 ルール1(主語と目的語が同一人物)とルール5(複数主語では複数形)が適用されます。
問題2:I bought this book for _____.
(A) myself
(B) me
(C) my
(D) I
正解は(B)です!
これは引っかけ問題です。「自分のために」という意味でも、この文では単純に目的格代名詞meを使います。 「I bought myself this book」なら再帰代名詞が使えますが、前置詞forの後では通常の代名詞を使うのが自然です。
覚えやすい語呂合わせ
再帰代名詞のルールを忘れないために、こんな語呂合わせはいかがでしょうか?
「自分(じぶん)で自分(じぶん)に」
主語と目的語が「自分で自分に」の関係の時だけ、再帰代名詞を使う!
シンプルですが、本質を捉えた覚え方です。
まとめ
再帰代名詞の使い方は、主語と目的語が同一人物かどうかが判断のポイントです。
この記事で紹介した7つのルールを覚えれば、Part5での正答率が確実に上がります。
特に重要なルール:
- ルール1:主語と目的語が同一人物
- ルール5:人称・数の一致
- ルール6:主語がない場合は使えない
次回のTOEICでは、代名詞の問題を見たら「主語と目的語は同じ人?」と確認して、確実に得点してくださいね!