Part5でbecauseとbecause ofのどちらを選ぶか迷って時間をロスしていませんか?
「理由を表すのはどちらも同じなのに、なぜ使い分けが必要なの?」と混乱してしまうこと、ありますよね。
実は、この2つには明確な文法的役割の違いがあり、それを理解すれば10秒以内に迷わず正解できるようになります。
今回は、接続詞と前置詞の違いから、実践的な判別テクニックまで、分かりやすく解説していきます。
becauseとbecause ofの根本的な違い
まず、この2つの違いを電車の乗り換えに例えて理解しましょう。
電車で目的地に向かうとき、こんな説明をしますよね。
- 「雨が降っているから、電車が遅れています」(文で説明)
- 「雨のせいで、電車が遅れています」(名詞で説明)
これと同じように、英語でも理由の表し方が2種類あるんです。
because = 接続詞(文をつなぐ)
becauseは接続詞で、2つの文をつなぐ役割があります。
例文:
The meeting was canceled because it was raining heavily.
(激しく降っていたので、会議は中止になった)
becauseの後には「it was raining heavily」という完全な文が続きます。
because of = 前置詞(名詞を導く)
一方、because ofは前置詞で、名詞や名詞句を導きます。
例文:
The meeting was canceled because of the heavy rain.
(激しい雨のせいで、会議は中止になった)
because ofの後には「the heavy rain」という名詞句が続きます。
Part5での出題パターン
because/because of問題は、Part5で年間約3-5問出題されます。
主な出題パターンは以下の3つです。
パターン1:空欄の後に完全な文がある場合
最も頻出するパターンです。
例題:
The project was delayed _____ the software had technical issues.
(A) because
(B) because of
(C) due to
(D) owing to
空欄の後に「the software had technical issues」という完全な文があります。
正解は(A)です。 完全な文をつなぐには接続詞becauseが必要です。
パターン2:空欄の後に名詞句がある場合
こちらも頻出パターンです。
例題:
The flight was canceled _____ bad weather conditions.
(A) because
(B) because of
(C) since
(D) as
空欄の後に「bad weather conditions」という名詞句があります。
正解は(B)です。 名詞句を導くには前置詞because ofが必要です。
パターン3:動名詞が続く場合
動名詞(〜ing)が続く場合も前置詞を使います。
例題:
The system crashed _____ overloading the server.
(A) because
(B) because of
(C) since
(D) for
正解は(B)です。 動名詞overloadingは名詞的な働きをするため、前置詞が必要です。
瞬間判別テクニック
では、実際にどう判別すればいいのか、実践的なテクニックをお教えします。
テクニック1:後ろを3秒でチェック
空欄の直後を見て、以下を確認します。
文の要素が揃っているか?
- 主語 + 動詞 → 接続詞because
- 名詞だけ → 前置詞because of
判別例:
_____ the manager was absent(主語+動詞)→ because
_____ the manager's absence(名詞)→ because of
テクニック2:「that節」に置き換えてみる
迷ったときは、後ろの部分を「that + 文」に置き換えられるかチェックします。
置き換え可能 → because
because it was raining
= because that it was raining(文法的には不自然だが構造は同じ)
置き換え不可能 → because of
because of the rain
= because of that the rain(意味不明)
テクニック3:「〜ing」の判別法
動名詞か現在分詞かで判別が変わります。
動名詞(名詞的) → because of
because of overworking(働きすぎること)
現在分詞を含む文 → because
because he is overworking(彼が働きすぎているので)
動名詞は前に冠詞(the)がつくことが多いので、それもヒントになります。
間違えやすいポイント
日本人学習者が特に間違えやすいのは、以下の点です。
- 動名詞の判別ミス:「〜ing」を見ると自動的にbecauseを選んでしまう
- 省略された主語の見落とし:主語が省略されていても文として成立する場合がある
- 複合名詞の混同:「weather condition」のような複合名詞を文だと勘違いする
特に動名詞の判別は、多くの人が苦手とするポイントです。
確実に正解するための3ステップ
実際の問題での解き方を、ステップごとに見ていきましょう。
ステップ1:後ろの構造を確認
空欄の直後を見て、以下のどちらか判断します。
- 主語 + 動詞の文構造がある
- 名詞・名詞句・動名詞のみ
ステップ2:品詞を選択
ステップ1の結果に基づいて品詞を選びます。
- 文構造あり → 接続詞(because)
- 名詞のみ → 前置詞(because of)
ステップ3:文脈で最終確認
選んだ答えで文全体が自然に読めるか確認します。
理由を表す表現として意味が通じていればOKです。
練習問題にチャレンジ
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
問題1:The conference was postponed _____ the keynote speaker became ill.
(A) because
(B) because of
(C) due to
(D) owing to
後ろの構造をチェックしてみてください。
正解は(A)です!
「the keynote speaker became ill」は主語 + 動詞の完全な文なので、接続詞becauseが正解です。
問題2:Sales decreased _____ strong competition from rival companies.
(A) because
(B) because of
(C) since
(D) as
正解は(B)です!
「strong competition from rival companies」は名詞句なので、前置詞because ofが必要です。 competitionが主な名詞で、形容詞strongと前置詞句from rival companiesが修飾しています。
類似表現との使い分け
because of以外にも、理由を表す前置詞があります。
due to / owing to
基本的にbecause ofと同じ使い方ですが、よりフォーマルです。
使い方:
The delay was due to technical problems.
The cancellation was owing to bad weather.
thanks to
ポジティブな理由に使われることが多いです。
使い方:
The project succeeded thanks to everyone's hard work.
TOEICでは、文脈に応じて適切な表現を選ぶ問題も出題されます。
まとめ
becauseとbecause ofの使い分けは、後ろに続く要素の品詞で決まります。
- 文(主語+動詞) → because(接続詞)
- 名詞・名詞句・動名詞 → because of(前置詞)
この基本ルールを覚えて、空欄の直後を3秒でチェックする習慣をつければ、迷わず正解できるようになります。
次回のTOEICでは、because系の問題を見たら「後ろは文?名詞?」と自問して、確実に得点してくださいね!