Part5で「many employees」と「much information」のどちらが正しいか迷っていませんか?
「数を表す語はたくさんあるけど、どれをいつ使えばいいかわからない」という悩み、よく聞きます。
実は、数量形容詞には可算・不可算名詞との厳格なルールがあり、それを覚えれば迷わず正解できるようになります。
今回は、many、much、few、littleの使い分けから、実践的な覚え方まで、完全攻略法をお伝えします。
数量形容詞とは?基本を理解しよう
数量形容詞をお店での買い物に例えて理解してみましょう。
スーパーで買い物をするとき、こんな風に数えますよね。
- りんご:「たくさんのりんご」「少しのりんご」(個数で数える)
- 水:「たくさんの水」「少しの水」(量で数える)
英語でも同じように、個数で数えるものと量で測るもので使う形容詞が違うんです。
数量形容詞の基本分類
数量形容詞は、名詞の種類によって使い分けます。
可算名詞用:
- many(たくさんの)
- few(少しの)
- a few(いくつかの)
不可算名詞用:
- much(たくさんの)
- little(少しの)
- a little(少しの)
なぜ使い分けが必要なのか?
英語では、名詞の性質によって修飾する形容詞が決まっています。
これは文法の根本的なルールで、間違えると不自然な英語になってしまいます。
many vs much:「たくさん」の使い分け
「たくさん」を表すmanyとmuchの使い分けを詳しく見ていきましょう。
many:可算名詞と組み合わせ
manyは数えられる名詞(可算名詞)と使います。
正しい例:
many employees(たくさんの従業員)
many meetings(たくさんの会議)
many customers(たくさんの顧客)
間違った例:
many information ❌
many equipment ❌
many advice ❌
much:不可算名詞と組み合わせ
muchは数えられない名詞(不可算名詞)と使います。
正しい例:
much information(たくさんの情報)
much equipment(たくさんの設備)
much time(たくさんの時間)
間違った例:
much employees ❌
much meetings ❌
much books ❌
覚え方のコツ
many = M + ountable(数えられる) much = M + ass noun(不可算名詞)
頭文字のMで覚えると忘れにくいです。
few vs little:「少し」の使い分け
「少し」を表すfewとlittleの使い分けも重要です。
few:可算名詞と組み合わせ
fewは数えられる名詞(可算名詞)と使います。
基本的なfew:
few people(少数の人々)
few opportunities(少ない機会)
few mistakes(少ないミス)
a few(いくつかの):
a few people(何人かの人々)
a few minutes(数分間)
a few suggestions(いくつかの提案)
little:不可算名詞と組み合わせ
littleは数えられない名詞(不可算名詞)と使います。
基本的なlittle:
little time(少しの時間)
little money(少しのお金)
little experience(少ない経験)
a little(少しの):
a little time(少しの時間)
a little help(少しの手助け)
a little information(少しの情報)
few vs a few、little vs a littleの違い
few/little:否定的なニュアンス(足りない) a few/a little:肯定的なニュアンス(あることはある)
例:
Few people came. (がっかり:ほとんど来なかった)
A few people came. (まあまあ:何人かは来た)
Part5での数量形容詞出題パターン
数量形容詞は、Part5で年間約5-6問出題されます。
主な出題パターンは以下の3つです。
パターン1:可算・不可算名詞の判別
最も基本的なパターンです。
例題:
The company hired _____ new employees last month.
(A) many
(B) much
(C) little
(D) a little
employeesは可算名詞なので、manyが正解です。
正解は(A)です。
パターン2:否定文・疑問文での使い方
否定文や疑問文では使い方が変わることがあります。
例題:
We don't have _____ time to complete the project.
(A) many
(B) much
(C) few
(D) little
timeは不可算名詞で、否定文なので、muchが正解です。
正解は(B)です。
パターン3:a few vs few、a little vs littleの選択
意味の微妙な違いを問う問題です。
例題:
Could you give me _____ advice on this matter?
(A) few
(B) a few
(C) little
(D) a little
adviceは不可算名詞で、「少しの助言」という肯定的な意味なので、a littleが正解です。
正解は(D)です。
よく出る可算・不可算名詞の組み合わせ
TOEICで頻出する名詞との正しい組み合わせをまとめました。
可算名詞との組み合わせ(many/few)
人・組織系:
- many/few employees(従業員)
- many/few customers(顧客)
- many/few participants(参加者)
- many/few companies(会社)
物・事象系:
- many/few meetings(会議)
- many/few opportunities(機会)
- many/few problems(問題)
- many/few suggestions(提案)
文書・データ系:
- many/few reports(報告書)
- many/few documents(文書)
- many/few emails(メール)
- many/few files(ファイル)
不可算名詞との組み合わせ(much/little)
抽象概念系:
- much/little information(情報)
- much/little knowledge(知識)
- much/little experience(経験)
- much/little advice(助言)
時間・お金系:
- much/little time(時間)
- much/little money(お金)
- much/little effort(努力)
- much/little progress(進歩)
物質・材料系:
- much/little equipment(設備)
- much/little furniture(家具)
- much/little software(ソフトウェア)
- much/little research(研究)
判別のコツ:3ステップ法
正しい数量形容詞を選ぶための実践的な方法をお教えします。
ステップ1:名詞の種類を判定(3秒)
まず、修飾する名詞が可算か不可算かを判断します。
判定のヒント:
- 複数形になっている → 可算名詞
- sがついていない単数 → 不可算名詞の可能性大
- 具体的な形がある → 可算名詞
- 抽象的な概念 → 不可算名詞
ステップ2:意味を確認(2秒)
「たくさん」なのか「少し」なのかを文脈で判断します。
文脈のヒント:
- 肯定的な文脈 → many/much
- 否定的な文脈 → few/little
- 疑問文・否定文 → much(不可算の場合)
ステップ3:最終チェック(1秒)
選択肢を当てはめて、自然な英語になるか確認します。
よくある間違いパターン
日本人学習者が特に間違えやすいパターンをまとめました。
パターン1:informationとの組み合わせミス
間違い:
many informations ❌
few informations ❌
正しい:
much information ✅
little information ✅
pieces of information ✅
パターン2:timeとの組み合わせミス
間違い:
many time ❌
few time ❌
正しい:
much time ✅
little time ✅
パターン3:peopleとの組み合わせミス
間違い:
much people ❌
little people ❌
正しい:
many people ✅
few people ✅
覚えやすい記憶法
数量形容詞の使い分けを忘れないための記憶法をご紹介します。
語呂合わせ法
「マニー(many)は数(かず)える」 → manyは可算名詞と使う
「マッチ(much)は量(りょう)」 → muchは不可算名詞(量)と使う
イメージ法
many/few:りんごのイメージ(1個、2個と数える) much/little:水のイメージ(コップ1杯、2杯と量で測る)
対比法
可算名詞:many books ⟷ few books
不可算名詞:much water ⟷ little water
対になる表現で覚えると記憶に残りやすいです。
練習問題にチャレンジ
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
問題1:The meeting provided _____ useful information for the project.
(A) many
(B) much
(C) few
(D) little
3ステップ法を使って考えてみてください。
正解は(B)です!
informationは不可算名詞で、「有益な情報を提供した」という肯定的な文脈なので、muchが正解です。
問題2:_____ employees attended the training session yesterday.
(A) Many
(B) Much
(C) Little
(D) A little
正解は(A)です!
employeesは可算名詞の複数形で、「昨日研修に出席した」という肯定的な文脈なので、Manyが正解です。
問題3:We have _____ time left before the deadline.
(A) many
(B) much
(C) few
(D) little
正解は(D)です!
timeは不可算名詞で、「締切まで残り少ない」という文脈から否定的なニュアンスなので、littleが正解です。
まとめ
数量形容詞の使い分けは、名詞の可算・不可算の性質がすべてです。
この記事のポイントを整理すると:
- 可算名詞:many(たくさん)、few(少し)
- 不可算名詞:much(たくさん)、little(少し)
- 判別法:名詞の種類 → 意味 → 最終チェック
名詞の性質をしっかり把握して、適切な数量形容詞を選ぶことが成功の鍵です。
次回のTOEICでは、数量形容詞を見たら「この名詞は数える?量る?」と自問して、確実に得点してくださいね!