Part5で「The more you practice, the better you become」のような比例表現が出ると、「なぜtheが2つも?」と混乱してしまうことはありませんか?
「比例って数学じゃないの?」「英語でどう表現するの?」と疑問に思ってしまう方も多いですよね。
実は、英語には比例関係を表す特殊な構文があり、そのパターンを理解すれば迷わずに正解を選べるようになります。
今回は、730点突破に必要な比例表現の極意を、分かりやすく完全理解していきましょう。
比例表現とは?
比例表現を簡単に説明すると、「一方が増加すると他方も増加(または減少)する関係」を表す構文です。
例えば、練習量と上達の関係を想像してみてください。 練習すればするほど上手になるとき:
✅ The more you practice, the better you become.
(練習すればするほど、上手になります)
この「〜すればするほど、ますます〜」という関係を表すのが比例表現なんです。
比例表現の基本構文
比例表現には決まった構文パターンがあります。
基本構文
The + 比較級 + S + V, the + 比較級 + S + V
例文:
The harder you work, the more successful you will be.
(一生懸命働けば働くほど、より成功するでしょう)
構文の特徴:
- 2つの節で構成
- 両方とも「the + 比較級」で始まる
- カンマで区切られる
- 前半は条件、後半は結果
比例表現の4つのパターン
比例表現には主に以下の4つのパターンがあります。
パターン1:形容詞・副詞の比較級
最も基本的なパターンです。
The faster you type, the more efficient you are.
(タイピングが速ければ速いほど、効率的です)
The carefully you read, the better you understand.
(注意深く読めば読むほど、よく理解できます)
パターン2:more + 名詞
名詞を使った比例表現です。
The more money you save, the more secure you feel.
(お金を貯めれば貯めるほど、安心感が増します)
The more experience you gain, the more confident you become.
(経験を積めば積むほど、自信がつきます)
パターン3:less(反比例)
減少の関係を表すパターンです。
The less you worry, the happier you are.
(心配しなければしないほど、幸せです)
The fewer mistakes you make, the higher your score will be.
(ミスが少なければ少ないほど、スコアが高くなります)
パターン4:better/worse
goodとbadの比較級を使ったパターンです。
The better you prepare, the more confident you feel.
(準備をしっかりすればするほど、自信が持てます)
The worse the weather gets, the fewer people come.
(天気が悪くなればなるほど、来る人が少なくなります)
Part5での頻出出題パターン
比例表現は、Part5で年間約3-5問出題される上級レベルの文法項目です。
主な出題パターンは以下の4つです。
パターン1:比較級の選択
適切な比較級を選ぶパターンです。
例題:
The _____ you practice speaking, the more fluent you will become.
(A) more
(B) most
(C) much
(D) many
正解は(A)です。 「The more you practice」の構文で「more」が正解です。
パターン2:構文の完成
比例表現の構文を完成させるパターンです。
例題:
_____ experienced the candidate is, the higher the salary offer.
(A) More
(B) Most
(C) The more
(D) The most
正解は(C)です。 比例表現は「The more」で始まります。
パターン3:less/fewerの使い分け
減少表現の適切な形を選ぶパターンです。
例題:
The _____ time you spend on social media, the more productive you are.
(A) few
(B) fewer
(C) little
(D) less
正解は(D)です。 「time」は不可算名詞なので「less」が正解です。
パターン4:動詞の時制
適切な時制を選ぶパターンです。
例題:
The sooner we start, the earlier we _____ finish.
(A) will
(B) would
(C) can
(D) could
正解は(A)です。 未来の可能性を表すので「will」が適切です。
よく使われるバリエーション
比例表現にはいくつかのバリエーションがあります。
短縮形
日常会話でよく使われる短縮形です。
The sooner, the better.
(早ければ早いほど良い)
The more, the merrier.
(多ければ多いほど楽しい)
特殊な表現
決まった表現として使われるパターンです。
The bigger they are, the harder they fall.
(大きいものほど、倒れるときは激しい)
The older you get, the wiser you become.
(年を取るほど、賢くなる)
ビジネス表現
TOEICでよく出るビジネス文脈での表現です。
The more efficiently we work, the better our results.
(効率よく働くほど、結果が良くなる)
The less we spend, the more we save.
(支出を減らすほど、貯蓄が増える)
間違えやすいポイント
日本人学習者が特に間違えやすいのは、以下の点です。
- theを忘れる:「More you study, better you get」のような誤用
- 語順を間違える:比較級の位置を間違える
- 時制を統一しない:前半と後半で時制が合わない
- less/fewerを混同する:可算・不可算名詞での使い分け
特に「the」は絶対に必要で、これがないと比例表現になりません。
実践問題にチャレンジ
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
問題1:The _____ information you provide, the better we can help you.
(A) more
(B) most
(C) much
(D) many
考えてみてくださいね。
正解は(A)です!
「information」は不可算名詞で、比例表現の構文「The more + 名詞」のパターンです。 「情報を多く提供していただくほど、より良いサポートができます」という意味になります。
問題2:_____ mistakes you make, the lower your evaluation will be.
(A) More
(B) The more
(C) Most
(D) The most
こちらはどうでしょうか?
正解は(B)です!
比例表現は必ず「The + 比較級」で始まります。 「ミスが多ければ多いほど、評価が低くなります」という正比例の関係を表しています。
応用表現
比例表現の応用として、以下のような表現も覚えておきましょう。
all the more(なおさら)
強調を表す表現です。
The weather makes the situation all the more difficult.
(天気のせいで状況がなおさら困難になる)
none the less(それでもなお)
逆接を表す表現です。
He was tired but worked none the less efficiently.
(疲れていたが、それでも効率よく働いた)
all the better(なおさら良い)
肯定的な強調表現です。
If you can finish early, all the better.
(早く終われるなら、なおさら良い)
覚えておくべき重要ポイント
以下のポイントは必ず覚えてください。
構文の基本
The + 比較級 + S + V, the + 比較級 + S + V
よく使われる組み合わせ
The more... the better(多いほど良い)
The sooner... the better(早いほど良い)
The less... the more(少ないほど多い)
The harder... the more(困難なほど多い)
時制のルール
- 現在の事実 → 現在形
- 未来の可能性 → will/can
- 仮定的状況 → would/could
注意事項
- theは必須 → 省略不可
- 比較級を使用 → 原級や最上級は不可
- 語順を守る → the + 比較級 + 名詞/形容詞
まとめ
比例表現のポイントは、「The + 比較級」の構文パターンを正確に覚えることです。
基本構文:
- The + 比較級 + S + V, the + 比較級 + S + V
- 前半が条件、後半が結果
- 比例関係(正比例・反比例)を表現
この構文を理解して、よく使われる組み合わせを覚えれば、Part5での正答率が確実に上がります。
次回のTOEICでは、比例表現を見たら「The + 比較級の構文?」「比例関係はどっち?」と考える習慣をつけてくださいね!