Part5で命令文の問題が出た時、「please」と「kindly」のどちらを選ぶか、またどこに置くかで迷ってしまうこと、ありませんか?
実は、これらの丁寧表現は位置によって印象が大きく変わるんです。同じ「お願いします」でも、文頭に置くか文末に置くかで、相手に与える印象が全く違ってきます。
TOEICはビジネス英語なので、この微妙なニュアンスの違いを理解していることが、高得点への鍵となります。
今回は、TOEIC Part5で確実に正解するための命令文の丁寧表現と、please/kindlyの使い分け術をお伝えします。
命令文の丁寧表現とは?
命令文の丁寧表現を簡単に説明すると、**「指示を依頼に変える魔法の言葉」**です。
コンビニで店員さんに「レジ袋をください」とお願いする場面を想像してください。 「Give me a bag.」(袋をくれ)よりも「Please give me a bag.」(袋をください)の方が、同じ内容でも印象が全く違いますよね。
ビジネス英語では、この丁寧表現が必須なんです。
基本パターン:
- Please + 動詞の原形
- 動詞の原形 + please
- Kindly + 動詞の原形
pleaseの基本的な使い方
まず、最も一般的なpleaseから見ていきましょう。
pleaseの特徴
pleaseは「どうか」「お願いします」という意味で、命令文を丁寧な依頼に変える最も基本的な表現です。
レストランで注文する時に「コーヒーをお願いします」と言う場面を考えてください。 この「お願いします」の部分がpleaseの役割です。
丁寧度:★★★☆☆(中程度) フォーマル度:★★☆☆☆(やや低い)
pleaseの位置による違い
文頭のplease:より丁寧
Please submit your report by Friday.
(どうか金曜日までにレポートを提出してください)
文頭に置くことで、最初から丁寧な姿勢を示します。 上司から部下への指示でも、配慮のある表現になります。
文末のplease:軽い依頼
Submit your report by Friday, please.
(金曜日までにレポートを提出してください)
文末に置くと、もう少しカジュアルな印象になります。 同僚間での軽いお願いに適しています。
Part5での頻出パターン
_____ review the attached document and provide feedback.
(A) Please
(B) Kindly
(C) Would you
(D) Could you
正解は(A)です。 簡潔で一般的な依頼表現として、文頭のpleaseが適切です。
kindlyの使い方
次に、よりフォーマルなkindlyです。
kindlyの特徴
kindlyは「親切にも」「ご親切に」という意味で、pleaseよりもフォーマルで丁寧な表現です。
ビジネスメールで重要なクライアントにお願いをする場面を考えてください。 より敬意を込めた表現が必要な時に使うのがkindlyです。
丁寧度:★★★★☆(高い) フォーマル度:★★★★☆(高い)
kindlyの基本位置
kindlyは基本的に文頭に置きます。
Kindly confirm your attendance by tomorrow.
(明日までにご出席の確認をお願いいたします)
文末に置くことは稀で、文頭での使用が一般的です。
kindlyが適した場面
フォーマルなビジネス文書:
- 重要なクライアントへの依頼
- 公式な通知や案内
- 上級管理職への報告
例文:
Kindly submit your proposal by the deadline.
(期限までに提案書のご提出をお願いいたします)
Kindly note that the meeting has been rescheduled.
(会議が変更になったことをご留意ください)
Part5での出題例
_____ be advised that the office will be closed tomorrow.
(A) Please
(B) Kindly
(C) Would you
(D) You should
正解は(B)です。 公式な通知を表す「be advised that」にはkindlyが適切です。
丁寧度の段階
依頼表現には丁寧度の段階があります。
丁寧度の階層
命令形 ★☆☆☆☆(最も直接的)
Submit the report.
Please + 命令形 ★★★☆☆(一般的な依頼)
Please submit the report.
Kindly + 命令形 ★★★★☆(フォーマルな依頼)
Kindly submit the report.
Could you/Would you ★★★★★(最も丁寧)
Could you submit the report?
使い分けの基準
相手との関係:
- 同僚・部下 → Please
- 上司・クライアント → Kindly
- 重要な取引先 → Could you/Would you
内容の重要度:
- 日常的な業務 → Please
- 重要な案件 → Kindly
- 緊急・重大事項 → Could you/Would you
実践トレーニング
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
練習問題1(制限時間:10秒)
_____ ensure that all documents are properly filed.
(A) Please
(B) Kindly
(C) You should
(D) It is important to
書類の適切な整理について述べている文ですね。
正解は(A)です!
一般的な業務指示なので、pleaseが適切です。 「すべての書類が適切に整理されるようお願いします」という意味になります。
練習問題2(制限時間:10秒)
_____ note that the quarterly meeting has been postponed.
(A) Please
(B) Kindly
(C) You must
(D) We would like you to
四半期会議の延期に関する公式通知ですね。
正解は(B)です!
「note that」(〜をご留意ください)という公式な通知表現にはkindlyが適切です。 フォーマルな案内文書でよく使われるパターンです。
ビジネスメールでの使い分け
TOEICはビジネス英語なので、実際のビジネス場面での使い分けが重要です。
社内メールでの例
同僚への依頼:
Please send me the updated spreadsheet when you have a chance.
(お時間のある時に、更新されたスプレッドシートを送ってください)
上司への報告:
Please find the attached monthly report for your review.
(ご査収のため、月次レポートを添付いたします)
外部メールでの例
クライアントへの依頼:
Kindly confirm your availability for the meeting next week.
(来週の会議のご都合を確認していただけますでしょうか)
重要な取引先への案内:
Kindly be informed that our office hours will change starting next month.
(来月より営業時間が変更になることをお知らせいたします)
緊急時の表現
緊急性がある場合:
Please respond as soon as possible.
(可能な限り早急にご返答ください)
Kindly provide an immediate response.
(至急ご回答をお願いいたします)
よくある間違いパターン
日本人学習者が特に間違えやすいパターンを見てみましょう。
間違いパターン1:フォーマル度の判断ミス
❌ カジュアルな場面でkindlyを使いすぎる
✅ 相手との関係と場面に応じて選択する
間違いパターン2:位置の間違い
❌ Kindly submit your report, kindly.
✅ Kindly submit your report.
kindlyは基本的に文頭のみで使用します。
間違いパターン3:過度な丁寧表現
❌ Please kindly submit your report.
✅ Please submit your report. / Kindly submit your report.
pleaseとkindlyを同時に使うのは冗長です。
間違いパターン4:命令形との混同
❌ You please submit the report.
✅ Please submit the report.
pleaseは命令文に付けるもので、平叙文には使いません。
特別な表現パターン
基本的な使い方に加えて、特別なパターンも覚えておきましょう。
「Please note that」パターン
Please note that the office will be closed tomorrow.
(明日はオフィスが閉まることにご注意ください)
このパターンは非常に頻出です。
「Kindly be advised that」パターン
Kindly be advised that your application has been approved.
(お客様の申請が承認されたことをお知らせいたします)
公式な通知でよく使われます。
「Please find attached」パターン
Please find attached the requested documents.
(ご依頼の書類を添付いたします)
メールの添付ファイルについて述べる定型表現です。
本番での解答テクニック
Part5で確実に正解するためのコツをお伝えします。
-
文脈のフォーマル度をチェック
- カジュアル → Please
- フォーマル → Kindly
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定型表現を覚える
- Please note that...
- Kindly be advised that...
- Please find attached...
-
相手との関係を考慮
- 社内の一般的な依頼 → Please
- 外部への丁寧な依頼 → Kindly
-
10秒ルールを守る
- 丁寧表現問題は比較的短時間で判断可能
まとめ
命令文の丁寧表現は、相手との関係と場面のフォーマル度で使い分けます。
今回紹介した使い分けのポイントを意識すれば、
- Part5での丁寧表現問題の正答率が90%以上になる
- ビジネス英語でのコミュニケーション力が向上する
- 適切な敬語レベルを選択できるようになる
という効果が期待できます。
Please(一般的な依頼)とKindly(フォーマルな依頼)の使い分けをマスターして、確実にスコアアップを目指しましょう!