Part5で願望を表す表現が出ると、「hope」「wish」「want」「would like」のどれが適切か迷ってしまうこと、ありませんか?
これらの表現は日本語に訳すと「〜したい」「〜を望む」となりますが、実は実現可能性とフォーマル度によって明確な使い分けがあるんです。
TOEICはビジネス英語なので、この微妙なニュアンスの違いを理解していることが、高得点への重要なポイントとなります。
今回は、TOEIC Part5で確実に正解するための願望表現の4段階と、それぞれの使い分け術をお伝えします。
願望表現の4段階ランキング
願望表現を実現可能性とフォーマル度で分類すると、4つのレベルに分けられます。
4段階ランキング
1段階:want(直接的な欲求)
- 実現可能性:高い ★★★★☆
- フォーマル度:低い ★☆☆☆☆
2段階:would like(丁寧な希望)
- 実現可能性:高い ★★★★☆
- フォーマル度:高い ★★★★☆
3段階:hope(期待を込めた願望)
- 実現可能性:中程度 ★★★☆☆
- フォーマル度:中程度 ★★★☆☆
4段階:wish(非現実的な願望)
- 実現可能性:低い ★☆☆☆☆
- フォーマル度:中程度 ★★★☆☆
レストランでの注文場面を想像してください。 「コーヒーが欲しい」「コーヒーをお願いします」「コーヒーが飲めればいいな」「空を飛べたらいいのに」では、現実味とフォーマルさが全く違いますよね。
英語の願望表現も同じように、段階的な違いがあるんです。
1段階:want(直接的な欲求)
最も基本的で直接的なwantから見ていきましょう。
wantの特徴
wantは「〜が欲しい」「〜したい」という意味で、直接的で率直な欲求を表します。
コンビニで店員さんに「これください」と言う場面を考えてください。
遠慮なく、率直に自分の欲求を表現するのがwantです。
特徴:
- 実現可能性が高い
- カジュアルで直接的
- 日常会話でよく使用
wantの基本構文
want + 名詞:I want coffee.(コーヒーが欲しい)
want + to + 動詞:I want to go home.(家に帰りたい)
want + 人 + to + 動詞:I want you to help me.(手伝ってほしい)
wantの使用例
The customer wants a refund.
(お客様は返金を求めています)
We want to expand our business overseas.
(海外にビジネスを拡大したいと思っています)
The manager wants all reports submitted by Friday.
(マネージャーは全てのレポートを金曜日までに提出してほしがっています)
Part5でのwantパターン
The company _____ to hire more experienced engineers.
(A) wants
(B) hopes
(C) wishes
(D) would like
正解は(A)です。 採用という具体的で実現可能な計画について述べているため、wantが適切です。
2段階:would like(丁寧な希望)
wantを丁寧にしたwould likeです。
would likeの特徴
would likeは「〜していただきたい」「〜したいのですが」という意味で、wantの丁寧版です。
ビジネス会議で上司に提案する時に「この案を検討していただきたいのですが」と丁寧に表現する場面を考えてください。
内容はwantと同じでも、表現を丁寧にしたのがwould likeです。
特徴:
- 実現可能性が高い(wantと同レベル)
- フォーマルで丁寧
- ビジネス場面で頻繁に使用
would likeの基本構文
would like + 名詞:I would like some information.
would like + to + 動詞:I would like to discuss this matter.
would like + 人 + to + 動詞:I would like you to consider this proposal.
would likeの使用例
We would like to schedule a meeting next week.
(来週会議をスケジュールしたいと思います)
The client would like more details about the pricing.
(クライアントは価格についてより詳しい情報を求めています)
I would like you to review this contract carefully.
(この契約書を注意深く確認していただきたいと思います)
Part5でのwould likeパターン
The board of directors _____ to announce the new CEO appointment.
(A) want
(B) would like
(C) hope
(D) wish
正解は(B)です。 取締役会の公式発表という重要な場面では、丁寧なwould likeが適切です。
3段階:hope(期待を込めた願望)
より不確実性を含むhopeです。
hopeの特徴
hopeは「〜を望む」「〜だといいのですが」という意味で、実現への期待を表します。
友人に「明日は晴れるといいね」と話しかける場面を考えてください。
自分ではコントロールできないことに対する期待や願いを表現するのがhopeです。
特徴:
- 実現可能性は中程度
- 他者や状況に依存する事柄
- 期待やお願いのニュアンス
hopeの基本構文
hope + that節:I hope that you are well.
hope + to + 動詞:I hope to see you soon.
hope + for + 名詞:We hope for good weather.
hopeの使用例
We hope the project will be completed on schedule.
(プロジェクトが予定通り完了することを願っています)
I hope you can attend the conference next month.
(来月の会議にご参加いただけることを願っています)
The company hopes to achieve better results next quarter.
(会社は来四半期により良い結果を達成することを望んでいます)
Part5でのhopeパターン
We _____ that the new policy will improve employee satisfaction.
(A) want
(B) would like
(C) hope
(D) wish
正解は(C)です。 新政策の効果という不確実な未来について述べているため、hopeが適切です。
4段階:wish(非現実的な願望)
最も非現実的なwishです。
wishの特徴
wishは「〜だったらいいのに」という意味で、非現実的な願望や後悔を表します。
電車の遅延で遅刻しそうな時に「もっと早く家を出ていればよかった」と後悔する場面を考えてください。
実現が困難または不可能なことに対する願いを表現するのがwishです。
特徴:
- 実現可能性が低い
- 仮定法とよく組み合わせ
- 後悔や理想的な状況への憧れ
wishの基本構文
wish + 過去形:I wish I had more time.(もっと時間があればいいのに)
wish + 過去完了:I wish I had studied harder.(もっと勉強していればよかった)
wish + to + 動詞:I wish to express my gratitude.(感謝を表したいと思います)
wishの使用例
I wish the meeting could have been shorter.
(会議がもっと短ければよかったのに)
We wish we had started this project earlier.
(このプロジェクトをもっと早く始めていればよかった)
Many employees wish they had more flexible working hours.
(多くの従業員がもっと柔軟な勤務時間があればいいのにと思っています)
Part5でのwishパターン
The team _____ they had allocated more resources to market research.
(A) want
(B) would like
(C) hope
(D) wish
正解は(D)です。 過去の資源配分に対する後悔を表しているため、wishが適切です。
実践トレーニング
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
練習問題1(制限時間:15秒)
The CEO _____ to address all employees about the upcoming changes.
(A) wants
(B) would like
(C) hopes
(D) wishes
CEOが従業員への説明について述べている文ですね。
正解は(B)です!
CEOの公式な意向表明という重要で丁寧さが求められる場面なので、would likeが適切です。 「CEOは今後の変更について全従業員に説明したいと考えています」という意味になります。
練習問題2(制限時間:15秒)
We _____ the weather will be favorable for the outdoor event.
(A) want
(B) would like
(C) hope
(D) wish
屋外イベントの天候について述べている文ですね。
正解は(C)です!
天候は自分たちでコントロールできない要素なので、期待を表すhopeが適切です。 「屋外イベントに好天であることを願っています」という意味になります。
ビジネスシーンでの使い分け
TOEICはビジネス英語なので、実際のビジネス場面での適切な使い分けが重要です。
社内コミュニケーション
同僚への依頼(カジュアル):
I want you to check this report.
(このレポートをチェックしてほしい)
上司への提案(フォーマル):
I would like to propose a new marketing strategy.
(新しいマーケティング戦略を提案したいと思います)
プロジェクトの期待:
We hope the client will approve our proposal.
(クライアントが我々の提案を承認してくれることを願っています)
顧客対応
サービス提供(丁寧):
We would like to offer you our premium service.
(プレミアムサービスをご提供したいと思います)
要求への対応:
The customer wants immediate delivery.
(お客様は即座の配送を求めています)
結果への期待:
We hope you will be satisfied with our service.
(私どものサービスにご満足いただけることを願っています)
会議での発言
計画の表明:
The management wants to expand operations.
(経営陣は事業拡大を望んでいます)
丁寧な提案:
I would like to suggest postponing the launch.
(ローンチの延期を提案したいと思います)
将来への期待:
We hope this initiative will increase productivity.
(この取り組みが生産性向上につながることを期待しています)
よくある間違いパターン
日本人学習者が特に間違えやすいパターンを見てみましょう。
間違いパターン1:フォーマル度の判断ミス
❌ 重要なビジネス場面でwantを使用
✅ フォーマルな場面ではwould likeを使用
間違いパターン2:実現可能性の誤判断
❌ 確実な計画にhopeを使用
✅ 確実な計画にはwant/would likeを使用
間違いパターン3:wishの仮定法を忘れる
❌ I wish I have more time.
✅ I wish I had more time.
間違いパターン4:文脈を無視した選択
Context: The board meeting is very formal.
❌ The chairman wants to make an announcement.
✅ The chairman would like to make an announcement.
特別な表現パターン
基本的な使い方に加えて、特別なパターンも覚えておきましょう。
ビジネスでよく使う定型表現
would like to + 動詞:
I would like to schedule a meeting.(会議をスケジュールしたいと思います)
We would like to discuss this matter.(この件について話し合いたいと思います)
hope to + 動詞:
We hope to hear from you soon.(近いうちにご連絡をいただければと思います)
I hope to see you at the conference.(会議でお会いできることを願っています)
丁寧な断り表現
I would like to help, but I'm too busy.
(お手伝いしたいのですが、忙しすぎて)
I wish I could attend, but I have another commitment.
(参加できればいいのですが、別の約束があります)
本番での解答テクニック
Part5で確実に正解するためのコツをお伝えします。
-
場面のフォーマル度をチェック
- カジュアル → want
- フォーマル → would like
-
実現可能性を判断
- 確実・具体的 → want/would like
- 不確実・期待 → hope
- 非現実的 → wish
-
主語との関係を考える
- 自分がコントロール可能 → want/would like
- 他者に依存 → hope
- 過去への後悔 → wish
-
文脈のキーワードを見つける
- 計画、決定 → want/would like
- 天候、他者の行動 → hope
- 過去完了、仮定法 → wish
-
15秒ルールを守る
- 願望表現は文脈理解が重要
まとめ
願望表現の使い分けは、実現可能性とフォーマル度の2つの軸で判断します。
今回紹介した4段階の違いを意識すれば、
- Part5での願望表現問題の正答率が90%以上になる
- ビジネス英語での適切な敬語レベルを選択できる
- 相手や場面に応じた表現力が向上する
という効果が期待できます。
want(直接的)、would like(丁寧)、hope(期待)、wish(非現実的)の特徴を理解して、確実にスコアアップを目指しましょう!