Part5の基本問題で「aとanのどちらを選べばいいかわからない」と悩んでいませんか?
「hourの前はaかan?」「universityの前はどっち?」と迷ってしまうこと、ありますよね。
実は、a/anの選択には簡単な音のルールがあり、そのルールさえ知れば確実に正解できるようになります。
今回は、Part5で年間約3問出題されるa/anの音韻ルールを、分かりやすくお伝えします。
a/anの音韻ルールの基本を理解しよう
a/anの選択を簡単に説明すると、発音のしやすさを重視したルールです。
歌を歌う時を想像してみてください。 「あいうえお」と「あんいうえお」では「あん」の方が歌いやすい このように、音の繋がりの良さを重視しているんです。
これと同じように、英語のa/anも発音のしやすさを基準に使い分けられています。
基本ルール:音で判断する
a/anの選択は文字ではなく音で判断します。
基本的なルール
子音音で始まる語の前:a 母音音で始まる語の前:an
重要ポイント:
- 文字ではなく**音(発音)**で判断
- 最初の音が何かを確認する
- スペルに惑わされない
子音音で始まる語(a を使用)
一般的な子音音
- a book(本)- /b/音
- a car(車)- /k/音
- a dog(犬)- /d/音
- a house(家)- /h/音
- a meeting(会議)- /m/音
- a project(プロジェクト)- /p/音
特殊な場合:母音文字で始まるが子音音
u-音で始まる語(/j/音):
- a university(大学)- /juː/音で始まる
- a uniform(制服)- /juː/音で始まる
- a European(ヨーロッパ人)- /juː/音で始まる
- a useful(有用な)- /juː/音で始まる
o-音で始まる語(/w/音):
- a one-time(一度の)- /w/音で始まる
- a one-year(1年の)- /w/音で始まる
母音音で始まる語(an を使用)
一般的な母音音
- an apple(りんご)- /æ/音
- an elephant(象)- /e/音
- an idea(アイデア)- /aɪ/音
- an office(オフィス)- /ɒ/音
- an umbrella(傘)- /ʌ/音
特殊な場合:子音文字で始まるが母音音
h-が無音の語:
- an hour(時間)- /aʊə/音で始まる(hは無音)
- an honest(正直な)- /ɒnɪst/音で始まる(hは無音)
- an honor(名誉)- /ɒnə/音で始まる(hは無音)
略語・頭字語:
- an MBA(経営学修士)- /em/音で始まる
- an FBI(連邦捜査局)- /ef/音で始まる
- an HTML(マークアップ言語)- /eɪtʃ/音で始まる
Part5での出題パターン
a/anの音韻ルールは、Part5で年間約3問出題されます。
主な出題パターンは以下の3つです。
パターン1:基本的な選択
一般的な語での適切な冠詞を選択する問題です。
例題:
The company hired _____ new marketing manager.
(A) a
(B) an
(C) the
(D) (no article)
正解は(A)です。 「new」は/n/音(子音音)で始まるので「a」が適切です。
パターン2:特殊な発音の語
特殊な発音を持つ語での冠詞選択問題です。
例題:
The meeting will last _____ hour.
(A) a
(B) an
(C) the
(D) one
正解は(B)です。 「hour」は/aʊə/音(母音音)で始まるので「an」が適切です。
パターン3:略語・頭字語
略語や頭字語での冠詞選択問題です。
例題:
She has _____ MBA from Harvard.
(A) a
(B) an
(C) the
(D) (no article)
正解は(B)です。 「MBA」は/em/音(母音音)で始まるので「an」が適切です。
間違えやすいポイント
日本人学習者が特に間違えやすいのは、以下の点です。
- 文字に惑わされる:スペルだけを見て判断してしまう
- 特殊発音の理解不足:hour、universityなどの例外を知らない
- 略語の発音:頭字語の発音方法を理解していない
特に音と文字の違いは、多くの人が混乱しがちです。
確実に正解するための3ステップ
では、実際の解き方を見ていきましょう。
ステップ1:次の語の最初の音を確認する
まず、冠詞の次に来る語の最初の音を確認します。
文字ではなく実際の発音を考えましょう。
ステップ2:母音音か子音音かを判断する
次に、その音が母音音か子音音かを判断します。
特殊な発音の語(hour、universityなど)に注意しましょう。
ステップ3:適切な冠詞を選択する
最後に、音に基づいて適切な冠詞を選択します。
母音音なら「an」、子音音なら「a」です。
頻出する特殊発音語
文字は母音だが子音音で始まる語
u-系(/juː/音):
- a university, uniform, European, useful, unique
- a unit, union, universal, usual
o-系(/w/音):
- a one-day, one-time, one-year, once
文字は子音だが母音音で始まる語
h-無音系:
- an hour, honest, honor, heir
- an honorary, herb(アメリカ英語)
略語系(文字読み):
- an MBA, FBI, HTML, MP3, FAQ, CEO, HR
ビジネス文書での使用例
TOEICはビジネス英語がベースなので、実際のビジネス場面での使用例も確認しましょう。
会議・プレゼンテーション
- We need a new strategy for market expansion.(市場拡大のための新戦略が必要だ)
- An hour-long meeting was scheduled.(1時間の会議が予定された)
- She has an MBA in finance.(彼女は金融のMBAを持っている)
採用・人事
- The company is seeking a qualified candidate.(会社は適格な候補者を求めている)
- We hired an experienced manager.(経験豊富なマネージャーを雇った)
- A university degree is required.(大学の学位が必要だ)
練習問題にチャレンジ
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
問題1:The project requires _____ honest assessment of our capabilities.
(A) a
(B) an
(C) the
(D) some
考えてみてくださいね。
正解は(B)です!
「honest」は/ɒnɪst/音(母音音)で始まるので「an」が適切です。
問題2:She attended _____ European conference last month.
(A) a
(B) an
(C) the
(D) one
正解は(A)です!
「European」は/juː/音(子音音)で始まるので「a」が適切です。
地域差による注意点
アメリカ英語とイギリス英語の違い
herb(ハーブ):
- アメリカ英語:an herb(/ɜːrb/、h無音)
- イギリス英語:a herb(/hɜːrb/、h有音)
TOEIC では主にアメリカ英語基準なので、「an herb」が適切です。
実用的な覚え方
音韻グループで覚える
子音音グループ(a使用):
- b, c, d, f, g, h, j, k, l, m, n, p, q, r, s, t, v, w, x, y, z
- 特殊:u(/juː/), o(/w/)
母音音グループ(an使用):
- a, e, i, o(/ɒ/), u(/ʌ/)
- 特殊:h無音語、略語の多く
頻出語の暗記
必ず「a」:
- a university, a European, a one-time, a useful
必ず「an」:
- an hour, an honest, an MBA, an HTML
よくある間違いパターン
間違いパターン1:文字による判断
- ❌ an university(文字のuに注目)
- ✅ a university(/juː/音に注目)
間違いパターン2:h音の処理
- ❌ a hour(文字のhに注目)
- ✅ an hour(無音のhを理解)
間違いパターン3:略語の発音
- ❌ a MBA(文字のMに注目)
- ✅ an MBA(/em/音に注目)
まとめ
a/anの音韻ルールのポイントは、文字ではなく音で判断し、特殊発音語の例外を覚えることです。
この記事で紹介した3つのステップを意識すれば、Part5での正答率が確実に上がります。
特に「音の確認」と「特殊発音語の理解」を意識するだけで、冠詞での間違いが大幅に減ります。
ぜひ今日から実践して、スコアアップを目指してくださいね!