Part5で受動態か能動態かで迷って、貴重な時間を使ってしまうことはありませんか?
「主語を見ても、どちらを選べばいいか分からない」という悩み、多くの学習者が抱えています。
実は、受動態・能動態の判断は主語との関係を理解すれば、3秒以内で確実に解けるようになります。
今回は、独学でマスターできる実践的なテクニックを、分かりやすく解説していきます。
受動態・能動態問題の重要性
受動態・能動態の判断問題は、Part5で年間8-12問出題される重要な問題タイプです。
最新の出題傾向を分析すると、以下のパターンが見えてきます。
- ビジネス文書での報告:全体の40%
- 会議・イベントの説明:全体の30%
- 製品・サービスの紹介:全体の20%
- 人事・採用関連:全体の10%
これらの場面での典型的な表現を覚えることで、効率的に対策できます。
基本原理:主語が「する」か「される」か
まず、受動態・能動態の基本的な違いを確認しましょう。
能動態(主語が動作をする)
レストランで注文する場面を想像してください。
I ordered a pizza.(私がピザを注文した)
この場合、「私」が注文という動作を行っています。 主語が動作の主体なので、能動態です。
受動態(主語が動作を受ける)
今度はピザの立場で考えてみましょう。
A pizza was ordered by me.(ピザが私によって注文された)
この場合、「ピザ」が注文という動作を受けています。 主語が動作を受ける側なので、受動態です。
3秒判断の核心テクニック
TOEICで素早く判断するための、実践的な方法をお教えします。
ステップ1:主語を特定する(1秒)
まず文の主語が何かを確認します。 主語は文の最初にある名詞です。
ステップ2:「する」「される」を判断(1秒)
主語に対して以下の質問をします。
「この主語は自分で動作をするか?それとも他から動作を受けるか?」
ステップ3:動詞の形を選択(1秒)
判断結果に基づいて動詞の形を選びます。
- 主語が「する」→ 能動態(動詞の原形・過去形など)
- 主語が「される」→ 受動態(be動詞 + 過去分詞)
頻出パターン別攻略法
TOEICでよく出る場面別に、判断のコツを見ていきましょう。
パターン1:会議・イベント関連
例題:
The meeting _____ for next Monday.
(A) scheduled
(B) will schedule
(C) is scheduled
(D) scheduling
判断のポイント:
「会議」は自分でスケジュールを決められませんよね?
誰かによってスケジュールを決められる存在です。
正解は(C)is scheduled です!
パターン2:製品・商品関連
例題:
This product _____ by our research team.
(A) developed
(B) was developed
(C) will develop
(D) developing
判断のポイント:
「製品」は自分で開発できません。
研究チームによって開発される存在です。
正解は(B)was developed です!
パターン3:文書・報告書関連
例題:
The report _____ all the necessary information.
(A) contains
(B) is contained
(C) was containing
(D) contained
判断のポイント:
「報告書」は情報を含むものです。
自分で情報を含んでいるので、能動態が適切です。
正解は(A)contains です!
間違えやすいポイントと対策
日本人学習者が特に混乱しやすいケースを整理しました。
混乱ポイント1:人が主語の場合
The employee _____ to attend the training.
(A) required
(B) was required
(C) requires
(D) requiring
対策:
「従業員は訓練参加を要求する?要求される?」
従業員は会社から要求される立場ですね。
正解は(B)was required
混乱ポイント2:物が主語で能動的な場合
The new system _____ processing time significantly.
(A) reduced
(B) was reduced
(C) reduces
(D) reducing
対策:
「新システムが処理時間を短縮する」と考えます。
システム自体が短縮という効果をもたらすので能動態です。
正解は(C)reduces
混乱ポイント3:by句がある場合
by句(〜によって)がある文は、必ず受動態です。 この場合は迷わず受動態を選んでください。
実践的な判断フローチャート
以下の手順で、確実に判断できます。
1. 主語を特定する
↓
2. by句はあるか?
Yes → 受動態確定
No → 次のステップへ
↓
3. 主語は動作の主体か対象か?
主体 → 能動態
対象 → 受動態
↓
4. 時制を確認して動詞の形を選択
このフローに従えば、迷うことなく正解を選べます。
頻出動詞と判断のコツ
TOEIC頻出動詞の典型的なパターンを覚えましょう。
受動態になりやすい動詞
- schedule(予定する)→ 会議がscheduled
- cancel(取り消す)→ イベントがcanceled
- develop(開発する)→ 製品がdeveloped
- establish(設立する)→ 会社がestablished
- require(要求する)→ 従業員がrequired
能動態で使われがちな動詞
- contain(含む)→ 報告書がcontains
- increase(増加する)→ 売上がincreases
- improve(改善する)→ 品質がimproves
- provide(提供する)→ 会社がprovides
- offer(提供する)→ サービスがoffers
演習問題で実力確認
3秒判断テクニックを使って解いてみましょう。
問題1(制限時間:15秒)
All employees _____ to wear identification badges.
(A) require
(B) required
(C) are required
(D) requiring
判断過程:
- 主語:All employees(全従業員)
- 従業員は自分で要求する?要求される?
- 会社から要求される立場 → 受動態
正解は(C)are required です!
問題2(制限時間:15秒)
The new software _____ our workflow efficiency.
(A) enhanced
(B) was enhanced
(C) enhances
(D) enhancing
判断過程:
- 主語:The new software(新しいソフトウェア)
- ソフトウェアが効率を向上させる → 能動態
- 現在の状況なので現在形
正解は(C)enhances です!
学習スケジュール:1週間マスタープラン
効率的な学習計画をご提案します。
Day 1-2:基本理解
- 受動態・能動態の基本概念を復習
- 主語との関係性を理解
- 基本例文を20個音読
Day 3-4:パターン学習
- 頻出パターン10個を暗記
- TOEIC形式の問題を30問解く
- 間違えた問題の分析
Day 5-6:実践演習
- 3秒判断テクニックを使って問題演習
- Part5の受動態・能動態問題を50問
- 時間を測って解答速度を確認
Day 7:総復習
- 全パターンの総まとめ
- 苦手なポイントの重点復習
- 模試で実力確認
本番での時間短縮テクニック
試験本番で使える、さらなる時短術をお教えします。
テクニック1:選択肢の形で予想
選択肢を見た瞬間に、受動態・能動態問題だと分かります。
- be動詞 + 過去分詞 → 受動態の選択肢
- 動詞の原形・過去形 → 能動態の選択肢
テクニック2:by句を最優先チェック
文中にby句があれば、問答無用で受動態です。 他の判断は不要になります。
テクニック3:典型的な主語パターンを覚える
- 会議、イベント → 大抵受動態
- システム、製品の効果 → 大抵能動態
- 人(従業員、参加者)→ 文脈次第
よくある質問と解決策
Q1:主語が人の場合、判断に迷います
A1:
その人が「する立場」か「される立場」かを考えてください。
- 管理職 → することが多い(能動態傾向)
- 一般従業員 → されることが多い(受動態傾向)
Q2:by句がない受動態もありますか?
A2:
はい、あります。by句は省略されることが多いです。
主語との関係で判断することが重要です。
Q3:時制の判断も同時に必要ですか?
A3:
まず受動態・能動態を決めてから、時制を考えましょう。
一度に判断しようとすると混乱します。
まとめ
受動態・能動態の判断は、主語との関係さえ理解すれば3秒で解けます。
今回紹介したテクニックを1週間実践すれば、
- 判断時間が3分の1に短縮
- 正答率が90%以上に向上
- Part5全体の時間に余裕が生まれる
という効果が期待できます。
主語が「する」か「される」かを瞬時に判断して、確実に得点を重ねていきましょう!