Part5で関係副詞の問題が出た時、「コンマがあるかないか」で迷ってしまうこと、ありませんか?
実は、関係副詞におけるコンマの有無は単なる句読点の問題ではなく、文の意味を大きく変える重要な要素なんです。
この違いを理解していないと、文法的には正しくても文脈に合わない選択をしてしまい、Part5で点数を落としてしまう可能性があります。
今回は、TOEIC Part5で高得点を取るための関係副詞の非制限用法と、コンマによる意味の違いを徹底解説します。
関係副詞の2つの用法
関係副詞を簡単に説明すると、「場所・時・理由」を表しながら文を繋ぐ副詞です。
会社での出張報告を例に考えてみてください。
「私が訪問した東京支社は忙しかった」と「私が訪問した東京支社、そこは忙しかった」では、情報の伝え方が違いますよね。
基本の2つの用法:
- 制限用法:コンマなし(必要不可欠な情報)
- 非制限用法:コンマあり(補足的な情報)
制限用法:必要不可欠な情報
まず、制限用法から詳しく見ていきましょう。
制限用法の特徴
制限用法は、コンマを使わずに関係副詞節が先行詞を限定・特定する用法です。
レストランで友人に「昨日行った店が美味しかった」と話す場面を考えてください。
「昨日行った」という情報がなければ、どの店のことか分からないため、この情報は必要不可欠ですよね。
基本構造:
先行詞 + 関係副詞 + 主語 + 動詞(コンマなし)
制限用法の例
This is the office where I work.
(これは私が働いているオフィスです)
→ 複数のオフィスの中から特定の一つを指定
I remember the day when we first met.
(私たちが初めて会った日を覚えています)
→ 多くの日の中から特定の一日を限定
That's the reason why he quit his job.
(それが彼が仕事を辞めた理由です)
→ 複数の理由の中から特定の理由を示す
Part5での制限用法
The conference room _____ the meeting was held needs renovation.
(A) where
(B) , where
(C) when
(D) , when
正解は(A)です。 複数の会議室の中から会議が行われた特定の部屋を限定しているため、コンマなしのwhereを使います。
非制限用法:補足的な情報
次に、非制限用法です。
非制限用法の特徴
非制限用法は、コンマを使って関係副詞節が先行詞に補足的な情報を追加する用法です。
友人に「東京駅で待ち合わせよう、そこは便利だから」と提案する場面を考えてください。
「東京駅」は既に特定されているので、「便利だから」は追加の説明ですよね。
基本構造:
先行詞, + 関係副詞 + 主語 + 動詞(コンマあり)
非制限用法の例
We visited Tokyo, where we enjoyed delicious food.
(私たちは東京を訪れ、そこで美味しい食べ物を楽しみました)
→ 東京は既に特定されており、補足説明を追加
The meeting was held in December, when everyone was busy.
(会議は12月に開催され、その時期は皆忙しかった)
→ 12月は既に特定されており、状況を補足
He missed the deadline, which is why he was criticized.
(彼は締切を逃し、それが批判された理由でした)
→ 理由を補足的に説明
Part5での非制限用法
The company moved to Osaka, _____ it expanded its operations.
(A) where
(B) when
(C) why
(D) which
正解は(A)です。 大阪は既に特定されており、そこでの活動を補足的に説明しているため、コンマありのwhereが適切です。
意味の違いを理解する
同じ関係副詞でも、コンマの有無で意味が大きく変わります。
whereの意味の違い
制限用法(コンマなし):
I want to visit the place where you grew up.
(あなたが育った場所を訪れたい)
→ 複数の場所から特定の一つを限定
非制限用法(コンマあり):
I want to visit your hometown, where you grew up.
(あなたの故郷を訪れたい、そこであなたは育った)
→ 故郷は既に特定、追加情報として説明
whenの意味の違い
制限用法(コンマなし):
I'll never forget the time when we worked together.
(私たちが一緒に働いた時期を決して忘れません)
→ 多くの時期から特定の期間を限定
非制限用法(コンマあり):
He joined the company in 2020, when the market was unstable.
(彼は2020年に入社し、その時市場は不安定だった)
→ 2020年は既に特定、当時の状況を補足
whyの意味の違い
制限用法(コンマなし):
That's the reason why she changed jobs.
(それが彼女が転職した理由です)
→ 複数の理由から特定の理由を限定
非制限用法(コンマあり):
She failed the exam, which is why she was disappointed.
(彼女は試験に失敗し、それで失望していた)
→ 失望の理由を補足的に説明
実践トレーニング
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
練習問題1(制限時間:20秒)
The department _____ she works is located on the fifth floor.
(A) where
(B) , where
(C) when
(D) , when
「彼女が働いている部署」について述べている文ですね。
正解は(A)です!
複数の部署の中から、彼女が働いている特定の部署を限定しているため、コンマなしのwhereを使います。 「場所」を表すのでwhenではありません。
練習問題2(制限時間:20秒)
The project was completed in March, _____ the team celebrated their success.
(A) where
(B) , where
(C) when
(D) , when
3月という時期とチームの祝賀について述べている文ですね。
正解は(D)です!
3月は既に特定されており、その時にチームが祝ったという補足情報を追加しているため、コンマありのwhenを使います。
非制限用法の特別なルール
非制限用法には、制限用法にはない特別なルールがあります。
固有名詞との組み合わせ
固有名詞は既に特定されているため、関係副詞は非制限用法になることが多いです。
We visited Kyoto, where we saw many temples.
(私たちは京都を訪れ、そこで多くの寺を見ました)
The meeting was held on Monday, when everyone was available.
(会議は月曜日に開催され、その時は皆都合が良かった)
唯一の存在との組み合わせ
世界に一つしかないものや、文脈で唯一と分かるものには非制限用法を使います。
They moved to the capital, where opportunities are abundant.
(彼らは首都に移住し、そこでは機会が豊富だ)
The CEO announced the decision in the board meeting, when all directors were present.
(CEOは取締役会で決定を発表し、その時は全役員が出席していた)
よくある間違いパターン
日本人学習者が特に間違えやすいパターンを見てみましょう。
間違いパターン1:コンマの意味を理解していない
❌ コンマは単なる句読点と思い込む
✅ コンマの有無で意味が変わることを理解する
間違いパターン2:固有名詞でコンマを忘れる
❌ We went to Paris where we enjoyed shopping.
✅ We went to Paris, where we enjoyed shopping.
間違いパターン3:制限・非制限の判断ミス
❌ 文脈を無視して機械的に選択
✅ 先行詞が特定済みかどうかを判断
ビジネス英語での使い分け
TOEICはビジネス英語なので、ビジネス場面での適切な使い分けが重要です。
会議での表現
制限用法:
The time when we can schedule the meeting is limited.
(会議をスケジュールできる時間は限られています)
非制限用法:
The meeting was held in Conference Room A, where we discussed the budget.
(会議は会議室Aで開催され、そこで予算について話し合いました)
レポートでの記述
制限用法:
The department where the problem occurred needs investigation.
(問題が発生した部署は調査が必要です)
非制限用法:
The incident happened in Q3, when sales were declining.
(その事件は第3四半期に起こり、その時期は売上が減少していました)
プレゼンテーションでの説明
制限用法:
This is the strategy that explains why we succeeded.
(これが私たちが成功した理由を説明する戦略です)
非制限用法:
We implemented the new system in January, when the workload was manageable.
(私たちは1月に新システムを導入しました、その時期は作業量が管理可能でした)
本番での解答テクニック
Part5で確実に正解するためのコツをお伝えします。
-
先行詞の特定状況をチェック
- 既に特定済み → 非制限用法(コンマあり)
- 複数から選択 → 制限用法(コンマなし)
-
固有名詞に注意
- 固有名詞は通常、非制限用法
-
文脈の流れを読む
- 限定が必要 → 制限用法
- 補足説明 → 非制限用法
-
選択肢のコンマを確認
- コンマの有無が決め手になることが多い
-
20秒ルールを守る
- 関係副詞問題は慎重に考える必要がある
まとめ
関係副詞の制限用法と非制限用法は、コンマの有無によって意味が大きく変わります。
今回紹介した使い分けのポイントを意識すれば、
- Part5での関係副詞問題の正答率が85%以上になる
- 複雑な文構造の理解が深まる
- ビジネス英語の表現力が向上する
という効果が期待できます。
制限用法(特定・限定)と非制限用法(補足・追加)の基本概念を理解して、コンマの意味を正確に把握することで、確実にスコアアップを目指しましょう!