Part5で否定疑問文が出ると、「YesとNoのどちらを選べばいいの?」と混乱してしまうことはありませんか?
「Didn't you finish the report?」に対して「はい、終わりました」と答えたいときに、「Yes」と「No」のどちらが正しいか迷ってしまう方も多いですよね。
実は、否定疑問文への答え方には日本語と英語で大きな違いがあり、3つのコツを知れば混乱せずに正解を選べるようになります。
今回は、600点突破に必要な否定疑問文への答え方を、分かりやすくマスターしていきましょう。
否定疑問文とは?
否定疑問文を簡単に説明すると、「否定語(not)を含む疑問文」のことです。
例えば、会議での確認場面を想像してみてください。 「レポートは終わっていないのですか?」という質問:
Didn't you finish the report?
(レポートは終わっていないのですか?)
この質問に対する答え方が、日本語と英語では異なるんです。
日本語と英語の違い
否定疑問文への答え方で最も重要なのは、日本語と英語の考え方の違いを理解することです。
日本語の考え方(質問に対する答え)
日本語では質問の内容に対して答えます。
質問:「レポートは終わっていないのですか?」
答え:「はい、終わっていません」(質問が正しい)
答え:「いいえ、終わりました」(質問が間違い)
英語の考え方(事実に対する答え)
英語では実際の事実に対して答えます。
質問:Didn't you finish the report?
答え:Yes, I did.(事実:終わった)
答え:No, I didn't.(事実:終わっていない)
混乱しない3つのコツ
否定疑問文で混乱しないための実践的なコツを紹介します。
コツ1:事実に注目する
質問の内容ではなく、実際の事実だけを考えます。
手順:
- 否定疑問文を聞く
- 質問を無視して事実だけを考える
- 事実が肯定なら「Yes」、否定なら「No」
例:
質問:Aren't you busy today?
事実:忙しい → Yes, I am.
事実:忙しくない → No, I'm not.
コツ2:疑問文を肯定文に変換する
否定疑問文を肯定疑問文に頭の中で変換します。
変換例:
Didn't you see the movie?
↓
Did you see the movie?
答え:
見た → Yes, I did.
見なかった → No, I didn't.
コツ3:「Yes = 肯定の事実」「No = 否定の事実」と覚える
シンプルな公式で覚えます。
Yes = 肯定の事実がある
No = 否定の事実がある
例:
Won't you join us?
参加する → Yes(肯定の事実)
参加しない → No(否定の事実)
Part5での頻出出題パターン
否定疑問文は、Part5で年間約4-6問出題される重要な文法項目です。
主な出題パターンは以下の4つです。
パターン1:基本的な否定疑問文への応答
最も基本的なパターンです。
例題:
A: Didn't the meeting start at 2 PM?
B: _____, it started at 3 PM.
(A) Yes
(B) No
(C) Not
(D) Don't
正解は(B)です。 事実は「2時に始まらなかった」なので「No」が正解です。
パターン2:現在の状況についての確認
現在進行中の状況を確認するパターンです。
例題:
A: Isn't the printer working?
B: _____, it's broken.
(A) Yes
(B) No
(C) Not
(D) Never
正解は(B)です。 プリンターが動いていない(否定の事実)ので「No」が正解です。
パターン3:能力や可能性についての質問
「できない」ことを確認するパターンです。
例題:
A: Can't you speak French?
B: _____, I learned it in college.
(A) Yes
(B) No
(C) Not
(D) Never
正解は(A)です。 フランス語を話せる(肯定の事実)ので「Yes」が正解です。
パターン4:過去の経験についての質問
過去の出来事を確認するパターンです。
例題:
A: Haven't you been to Tokyo before?
B: _____, this is my first time.
(A) Yes
(B) No
(C) Not
(D) Never
正解は(B)です。 行ったことがない(否定の事実)ので「No」が正解です。
よく間違える例文と正解
日本人が特に間違えやすい否定疑問文を見てみましょう。
例文1:仕事の完了確認
質問:Didn't you finish your work?
間違い:Yes, I didn't.(日本語的発想)
正解:No, I didn't.(事実:終わっていない)
正解:Yes, I did.(事実:終わった)
例文2:体調の確認
質問:Aren't you feeling well?
間違い:No, I'm not feeling well.(質問への同意)
正解:Yes, I'm not feeling well.(事実:体調が悪い)
正解:No, I'm feeling fine.(事実:体調が良い)
例文3:経験の確認
質問:Haven't you seen this movie?
間違い:Yes, I haven't.(日本語的発想)
正解:No, I haven't.(事実:見ていない)
正解:Yes, I have.(事実:見たことがある)
間違えやすいポイント
日本人学習者が特に間違えやすいのは、以下の点です。
- 日本語の「はい・いいえ」で考えてしまう:質問の内容に対して答えてしまう
- 「Yes, I didn't」のような矛盾した答え:YesとNoの後が一致しない
- 感情的に答えてしまう:事実よりも感情で判断してしまう
特に「Yes, I didn't」「No, I did」のような組み合わせは絶対にありません。
実践問題にチャレンジ
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
問題1:
A: Doesn't the store close at 9 PM?
B: _____, it closes at 8 PM.
(A) Yes
(B) No
(C) Not
(D) Don't
考えてみてくださいね。
正解は(B)です!
事実は「9時に閉まらない(8時に閉まる)」なので「No」が正解です。 「No, it closes at 8 PM.」となります。
問題2:
A: Can't you drive a car?
B: _____, I got my license last year.
(A) Yes
(B) No
(C) Not
(D) Never
こちらはどうでしょうか?
正解は(A)です!
事実は「運転できる」(肯定)なので「Yes」が正解です。 「Yes, I can drive.」という意味になります。
覚えておくべき重要パターン
以下のパターンは必ず覚えてください。
基本的な否定疑問文
Isn't it...? → 〜ではないのですか?
Aren't you...? → あなたは〜ではないのですか?
Didn't you...? → あなたは〜しなかったのですか?
Won't you...? → あなたは〜しないのですか?
Can't you...? → あなたは〜できないのですか?
答え方の公式
肯定の事実 → Yes + 肯定文
否定の事実 → No + 否定文
実際の会話での使い方
否定疑問文は日常会話でもよく使われます。
驚きを表す場合
Isn't this amazing? → これって驚くべきことではないですか?
Answer: Yes, it is! → はい、そうです!
確認を求める場合
Didn't we meet before? → 前に会ったことがありませんでしたか?
Answer: Yes, we did. → はい、ありました。
提案をする場合
Won't you join us for dinner? → 夕食を一緒にしませんか?
Answer: Yes, I'd love to. → はい、ぜひ。
まとめ
否定疑問文への答え方のポイントは、日本語の感覚を捨てて、事実だけに注目することです。
覚えるべき3つのコツ:
- 事実に注目する - 質問の内容ではなく現実を見る
- 肯定疑問文に変換する - 頭の中で「not」を取り除く
- 公式を覚える - Yes = 肯定の事実、No = 否定の事実
この原則を理解して練習すれば、Part5での正答率が確実に上がります。
次回のTOEICでは、否定疑問文を見たら「事実はどっち?」と考える習慣をつけてくださいね!