Part5で原因や理由を表す前置詞の問題が出ると、「for、from、because of、どれを選べばいいの?」と迷ってしまうことはありませんか?
「同じような意味なのに、なぜ使い分けが必要なの?」と疑問に思う方も多いですよね。
実は、これらの前置詞には明確な使い分けルールがあり、そのルールを理解すれば迷わずに正解を選べるようになります。
今回は、600点突破に必要な原因・理由の前置詞の使い分け術を、分かりやすくマスターしていきましょう。
原因・理由の前置詞とは?
原因・理由の前置詞を簡単に説明すると、「なぜそうなったのか」を表す語句です。
例えば、遅刻の理由を説明する場面を想像してみてください。 雨で遅刻した場合、英語では以下のような表現があります:
✅ I was late because of the rain.(雨のため遅刻しました)
✅ I suffered from the delay.(遅れに悩まされました)
✅ I was punished for being late.(遅刻のため処罰されました)
それぞれ微妙にニュアンスが異なるんです。
because of = 直接的な原因
「because of」は直接的な原因や理由を表します。
because ofの特徴
最も一般的で、明確な因果関係を示します。
例文:
The meeting was canceled because of the storm.
(嵐のため会議は中止になりました)
「嵐」が「会議中止」の直接的な原因になっていることが明確です。
よく使われる場面
- 天候による影響
- 病気による欠席
- システム障害による停止
- 予算不足による延期
from = 起源・発生源
「from」は何かが発生する起源や源を表します。
fromの特徴
物理的・精神的な影響の「源」を示します。
例文:
She is suffering from a headache.
(彼女は頭痛に苦しんでいます)
頭痛が苦痛の「発生源」になっていることを表しています。
よく使われる場面
- 病気や症状の原因
- 損害や被害の発生源
- ストレスや問題の起源
- 利益や恩恵の由来
for = 目的・理由
「for」は目的や動機としての理由を表します。
forの特徴
行動の動機や目的を示します。
例文:
He was praised for his excellent work.
(彼は優秀な仕事ぶりのため称賛されました)
「優秀な仕事」が「称賛」の理由・根拠になっています。
よく使われる場面
- 褒美や処罰の理由
- 選択の根拠
- 感謝や謝罪の理由
- 評価の基準
Part5での頻出出題パターン
原因・理由の前置詞は、Part5で年間約8-10問出題される重要項目です。
主な出題パターンは以下の4つです。
パターン1:because ofの直接原因
最も基本的なパターンです。
例題:
The flight was delayed _____ heavy fog.
(A) for
(B) from
(C) because of
(D) due to
正解は(C)です。 濃霧が遅延の直接的な原因なので「because of」が正解です。
パターン2:fromの発生源
物理的・精神的影響の起源を表すパターンです。
例題:
The company is suffering _____ financial difficulties.
(A) for
(B) from
(C) because of
(D) with
正解は(B)です。 財政難が苦痛の発生源なので「from」が正解です。
パターン3:forの理由・根拠
評価や処遇の理由を表すパターンです。
例題:
She was promoted _____ her outstanding performance.
(A) for
(B) from
(C) because of
(D) by
正解は(A)です。 優秀な成績が昇進の理由なので「for」が正解です。
パターン4:動詞との組み合わせ
特定の動詞と決まって使われるパターンです。
例題:
Many employees benefit _____ the new policy.
(A) for
(B) from
(C) because of
(D) by
正解は(B)です。 「benefit from」は固定表現です。
判断のコツ
迷ったときは、以下の手順で判断してください。
ステップ1:動詞をチェックする
まず、使われている動詞を確認します。
決まった組み合わせ(suffer from、benefit from等)があるかをチェックしてください。
ステップ2:関係性を考える
次に、主語と前置詞の後の名詞の関係を考えます:
- 直接的な因果関係 → because of
- 発生源・起源 → from
- 理由・根拠 → for
ステップ3:文脈で確認
最後に、文全体の文脈で自然かどうかを確認します。
よくある動詞との組み合わせ
特定の動詞と決まって使われる前置詞があります。
fromと組み合わせる動詞
- suffer from - 〜に苦しむ
- benefit from - 〜から恩恵を受ける
- recover from - 〜から回復する
- protect from - 〜から守る
- differ from - 〜と異なる
forと組み合わせる動詞
- praise for - 〜のため褒める
- punish for - 〜のため処罰する
- apologize for - 〜について謝る
- thank for - 〜について感謝する
- blame for - 〜のため非難する
間違えやすいポイント
日本人学習者が特に間違えやすいのは、以下の点です。
- 日本語の「〜のため」で全て判断してしまう:英語では細かい使い分けがある
- 動詞との組み合わせを覚えていない:suffer fromなどの固定表現
- 文脈を無視する:単語の意味だけで判断してしまう
特に「〜のため」という日本語に引きずられがちです。
実践問題にチャレンジ
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
問題1:The store was closed _____ renovation.
(A) for
(B) from
(C) because of
(D) by
考えてみてくださいね。
正解は(A)です!
改装が店舗閉店の目的・理由なので「for」が正解です。 「for renovation」(改装のため)という使い方は頻出表現です。
問題2:Sales have increased _____ the new marketing strategy.
(A) for
(B) from
(C) because of
(D) by
こちらはどうでしょうか?
正解は(C)です!
新しいマーケティング戦略が売上増加の直接的な原因なので「because of」が正解です。 明確な因果関係を表しています。
覚えておくべき重要表現
以下の表現は暗記しておきましょう。
because ofの頻出パターン
because of the weather → 天候のため
because of technical problems → 技術的問題のため
because of budget constraints → 予算制約のため
because of the delay → 遅れのため
fromの頻出パターン
suffer from → 〜に苦しむ
benefit from → 〜から恩恵を受ける
recover from → 〜から回復する
result from → 〜に起因する
forの頻出パターン
for safety reasons → 安全上の理由で
for the purpose of → 〜の目的で
for maintenance → メンテナンスのため
for consideration → 検討のため
まとめ
原因・理由の前置詞の使い分けポイントは、関係性の種類を正確に判断することです。
- because of → 直接的な原因・理由
- from → 発生源・起源
- for → 目的・動機・根拠
この違いを理解して、動詞との組み合わせも併せて覚えれば、Part5での正答率が確実に上がります。
次回のTOEICでは、原因・理由の問題を見たら「どんな関係性?」と考える習慣をつけてくださいね!