Part5で不定詞が出ると、「これは名詞的?形容詞的?副詞的?」と混乱していませんか?
「to + 動詞の原形は覚えたけど、どの用法かわからなくて時間をロスしてしまう」という悩み、よく聞きます。
実は、不定詞の3用法には明確な判別ポイントがあり、それを知れば5秒以内に正しい答えを選べるようになります。
今回は、名詞的・形容詞的・副詞的用法の見分け方から、実践的な解答テクニックまで、完全攻略法をお伝えします。
不定詞の3用法とは?基本を理解しよう
不定詞の用法をレストランの役割分担に例えて理解してみましょう。
レストランには、お客様(名詞)、お料理(形容詞的修飾)、サービス(副詞的修飾)がありますよね。 不定詞も同じように、文の中で3つの異なる役割を果たすんです。
不定詞の基本形
不定詞は「to + 動詞の原形」の形で、文中で以下の3つの働きをします。
名詞的用法:主語・目的語・補語の役割
2.
形容詞的用法:名詞を修飾する役割
3.
副詞的用法:動詞・形容詞・副詞を修飾する役割
なぜ3つの用法があるのか?
英語では、同じ形の語句でも文中での位置や役割によって品詞が決まります。
不定詞も例外ではなく、置かれる位置によって異なる文法的機能を持つんです。
名詞的用法:「〜すること」
名詞的用法は、不定詞が名詞の代わりをする用法です。
基本的な働き
主語として:
To learn English is important.
(英語を学ぶことは重要だ)
目的語として:
I want to study abroad.
(私は留学することを望んでいる)
補語として:
My goal is to pass the TOEIC.
(私の目標はTOEICに合格することだ)
判別のポイント
名詞的用法かどうかは、「〜すること」と訳せるかで判断できます。
また、不定詞の部分を「it」や「something」に置き換えても文が成立するのが特徴です。
形容詞的用法:「〜するための」「〜すべき」
形容詞的用法は、不定詞が名詞を修飾する用法です。
基本的な働き
後置修飾として:
I have something to tell you.
(あなたに話すべきことがある)
能力・予定を表す修飾:
This is a book to read during vacation.
(これは休暇中に読むための本だ)
判別のポイント
形容詞的用法は、直前の名詞を修飾しているかで判断できます。
「〜するための」「〜すべき」「〜できる」と訳せることが多いです。
副詞的用法:「〜するために」「〜して」
副詞的用法は、不定詞が動詞・形容詞・副詞を修飾する用法です。
目的を表す副詞的用法
最も頻出するパターンです。
I went to the library to study.
(勉強するために図書館に行った)
感情の原因を表す副詞的用法
I'm happy to see you.
(あなたに会えてうれしい)
結果を表す副詞的用法
He grew up to be a doctor.
(彼は成長して医者になった)
判別のポイント
副詞的用法は、「なぜ?」「どのように?」の質問に答える役割をします。
「〜するために」「〜して」と訳せることが多いです。
Part5での不定詞出題パターン
不定詞の3用法は、Part5で年間約6-8問出題されます。
主な出題パターンは以下の3つです。
パターン1:動詞の後の不定詞(名詞的用法)
最も頻出するパターンです。
例題:
The manager decided _____ the meeting until next week.
(A) postpone
(B) postponing
(C) to postpone
(D) postponed
decideは「decide to do(〜することを決める)」の形を取ります。
正解は(C)です。 decideの後は名詞的用法の不定詞が続きます。
パターン2:名詞の後の不定詞(形容詞的用法)
名詞を修飾する不定詞のパターンです。
例題:
We need more time _____ the project.
(A) complete
(B) completing
(C) to complete
(D) completed
正解は(C)です。 「プロジェクトを完成させるための時間」という意味で、timeを修飾しています。
パターン3:目的を表す不定詞(副詞的用法)
動作の目的を表すパターンです。
例題:
She called _____ about the meeting schedule.
(A) ask
(B) asking
(C) to ask
(D) asked
正解は(C)です。 「尋ねるために電話した」という目的を表す副詞的用法です。
5秒で判別する実践テクニック
では、実際にどう判別すればいいのか、実践的な方法をお教えします。
ステップ1:位置をチェック(2秒)
不定詞がどこに置かれているかを確認します。
動詞の直後 → 名詞的用法の可能性大 名詞の直後 → 形容詞的用法の可能性大 文の最初・最後 → 副詞的用法の可能性大
ステップ2:置き換えテスト(2秒)
簡単な置き換えで用法を判別します。
名詞的用法のテスト:
「something」に置き換えられるか?
形容詞的用法のテスト:
直前の名詞と「〜するための」の関係か?
副詞的用法のテスト:
「なぜ?」の質問に答えているか?
ステップ3:訳語で確認(1秒)
最後に適切な日本語訳で確認します。
- 名詞的:「〜すること」
- 形容詞的:「〜するための」「〜すべき」
- 副詞的:「〜するために」「〜して」
よく出る動詞と不定詞の組み合わせ
TOEICで頻出する動詞をパターン別にまとめました。
不定詞を目的語に取る動詞(名詞的用法)
決定・選択系:
- decide to do(〜することを決める)
- choose to do(〜することを選ぶ)
- plan to do(〜することを計画する)
希望・意図系:
- want to do(〜したい)
- hope to do(〜することを望む)
- expect to do(〜することを期待する)
努力・試行系:
- try to do(〜しようとする)
- attempt to do(〜することを試みる)
- manage to do(なんとか〜する)
形容詞的用法でよく修飾される名詞
時間・機会系:
- time to do(〜する時間)
- chance to do(〜する機会)
- opportunity to do(〜する機会)
方法・手段系:
- way to do(〜する方法)
- method to do(〜する方法)
- means to do(〜する手段)
権利・義務系:
- right to do(〜する権利)
- duty to do(〜する義務)
- responsibility to do(〜する責任)
間違えやすいポイント
日本人学習者が特に間違えやすいのは、以下の点です。
- 動名詞との混同:to doingという間違った形を作ってしまう
- 前置詞toとの混同:look forward to doingなど、前置詞toの後では動名詞を使う
- 用法の判別ミス:文中での役割を正しく把握できない
特に前置詞toと不定詞のtoの区別は、多くの人が苦手とするポイントです。
練習問題にチャレンジ
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
問題1:The company plans _____ new employees next month.
(A) hire
(B) hiring
(C) to hire
(D) hired
5秒テクニックを使って考えてみてください。
正解は(C)です!
planは「plan to do(〜することを計画する)」の形を取る動詞です。 不定詞が動詞planの目的語になっているので、名詞的用法です。
問題2:She needs more time _____ the presentation.
(A) prepare
(B) preparing
(C) to prepare
(D) prepared
正解は(C)です!
「プレゼンを準備するための時間」という意味で、timeを修飾する形容詞的用法です。 「time to do」は頻出の組み合わせです。
問題3:I called _____ information about the conference.
(A) get
(B) getting
(C) to get
(D) got
正解は(C)です!
「情報を得るために電話した」という目的を表す副詞的用法です。 「なぜ電話したのか?」という質問に答えています。
まとめ
不定詞の3用法は、文中での位置と役割で判別できます。
この記事で紹介した5秒判別法を使えば、Part5での正答率が確実に上がります。
判別のポイント:
- ステップ1:位置をチェック(動詞の後?名詞の後?)
- ステップ2:置き換えテスト(something?〜するための?なぜ?)
- ステップ3:訳語で確認(〜すること?〜するための?〜するために?)
最初は複雑に感じるかもしれませんが、パターンを覚えれば必ず得点源になります。
次回のTOEICでは、不定詞を見たら「位置→役割→訳語」の順で確認して、確実に得点してくださいね!