Part5でイディオムの語順に迷ったことはありませんか?
「by and largeなのかlarge and byなのか」「little by littleの順序は正しい?」と悩むこと、ありますよね。
実は、イディオムには固定された語順があり、そのルールを覚えれば3秒以内で確実に正解できるようになります。
今回は、TOEIC Part5で年間約20問出題されるイディオムの語順問題の完全攻略法をお伝えします。
イディオムの語順とは何か
イディオムの語順を簡単に説明すると、変更できない決まった単語の並びのようなものです。
例えば、日本語の「右往左往」を想像してみてください。 「左往右往」とは言わないように、順序が固定されていますね。
これと同じように、英語のイディオムも「決まった順序」があり、それを変えると意味が通じなくなってしまうんです。
Part5での出題パターン
イディオムの語順は、Part5で年間約20問出題されます。
主な出題パターンは以下の4つです。
パターン1:語順選択問題
最も頻出するのが、正しい語順を選ぶ問題です。
例題:
The project is progressing _____.
(A) little by little
(B) by little little
(C) little little by
(D) by by little
正解は(A)です。 little by little(少しずつ)が正しい語順だからです。
パターン2:前置詞位置問題
イディオム内の前置詞の位置を問う問題も頻出です。
パターン3:冠詞位置問題
the、a/anの位置を問う問題があります。
パターン4:語句挿入問題
イディオムに語句を挿入する位置を問う問題も出題されます。
間違えやすいポイント
日本人学習者が特に間違えやすいのは、以下の点です。
- 音韻の影響:音の響きで順序を判断してしまう
- 論理的解釈:意味から順序を推測してしまう
- 類似表現との混同:似たイディオムの語順を混同する
特に音韻リズムの法則は、多くの人が見落としがちです。
語順決定の基本ルール
では、実際の語順決定ルールを見ていきましょう。
ルール1:音韻・リズムの法則
短音→長音の順序
by and large(大体において)
short and sweet(簡潔で)
safe and sound(無事に)
押韻(ライム)の法則
wear and tear(損耗)
fair and square(公正に)
spick and span(きちんとした)
ルール2:重要度・優先度の法則
重要→詳細の順序
first and foremost(何よりもまず)
here and there(あちこちで)
now and then(時々)
一般→特殊の順序
more or less(多かれ少なかれ)
sooner or later(遅かれ早かれ)
ルール3:時間・空間の法則
時間的順序
day and night(昼夜を問わず)
night and day(昼も夜も)
first and last(最初から最後まで)
空間的順序
up and down(上下に)
back and forth(前後に)
here and there(あちこちに)
ルール4:慣用的固定順序
完全固定型
little by little(少しずつ)
step by step(段階的に)
one by one(一つずつ)
頻出イディオムの語順パターン
対句型イディオム(15選)
音韻重視型
1. safe and sound(無事に)
2. fair and square(公正に)
3. spick and span(きちんとした)
4. wear and tear(損耗)
5. trial and error(試行錯誤)
重要度順型
6. first and foremost(何よりもまず)
7. more or less(多かれ少なかれ)
8. sooner or later(遅かれ早かれ)
9. here and there(あちこちで)
10. now and then(時々)
時空間順型
11. day and night(昼夜を問わず)
12. up and down(上下に)
13. back and forth(前後に)
14. in and out(出入りして)
15. on and off(断続的に)
反復型イディオム(10選)
by型(段階性)
1. little by little(少しずつ)
2. step by step(段階的に)
3. one by one(一つずつ)
4. bit by bit(少しずつ)
5. day by day(日々)
and型(累積性)
6. more and more(ますます)
7. less and less(だんだん少なく)
8. over and over(繰り返し)
9. on and on(延々と)
10. again and again(何度も)
語順判別テクニック
テクニック1:音韻チェック
短い音→長い音
black and white(短→長)
safe and sound(短→長)
母音の響き
high and low(aɪ → oʊ)
far and wide(ɑr → aɪd)
テクニック2:意味の流れ
一般→具体
here and there(場所:一般→具体的各所)
now and then(時間:現在→特定時点)
原因→結果
trial and error(試み→結果)
wear and tear(使用→損耗)
テクニック3:文法的位置
主要素→修飾要素
first and foremost(主要→強調)
pure and simple(主要→修飾)
練習問題にチャレンジ
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
問題1:The work is progressing _____.
(A) by little little
(B) little by little
(C) little little by
(D) by by little
正解は(B)です!
little by little(少しずつ)が正しい固定語順ですね。
問題2:We searched _____ for the missing document.
(A) high and low
(B) low and high
(C) high or low
(D) low or high
正解は(A)です!
high and low(あちこち)は音韻リズムで決まる固定語順です。
間違いやすい類似表現
よくある混同パターン
now and then vs then and now
✓ now and then(時々)
✗ then and now(×:これは別の意味)
✓ then and now(昔と今)
here and there vs there and here
✓ here and there(あちこちで)
✗ there and here(語順が間違い)
意味が変わる語順
day and night vs night and day
day and night = 昼夜を問わず(一般的)
night and day = 正反対(比較強調)
覚え方のコツ
音韻記憶法
リズムで覚える
「セーフ・アンド・サウンド」(短→長のリズム)
「リトル・バイ・リトル」(反復のリズム)
グループ記憶法
音韻グループ
safe and sound
fair and square
spick and span
反復グループ
little by little
step by step
one by one
視覚記憶法
短 and 長(音韻の法則)
一般 → 具体(意味の法則)
時間 → 空間(概念の法則)
まとめ
イディオムの語順は、音韻・意味・慣用の3つの法則がポイントです。
今回紹介した順序ルールを意識すれば、Part5での正答率が確実に上がります。
- 音韻法則:短音→長音、押韻パターン
- 意味法則:重要→詳細、一般→具体
- 慣用法則:完全に固定された順序
- 覚え方:音韻・グループ・視覚記憶法
ぜひ今日から実践して、イディオムの語順問題を得点源にしてくださいね!