Part5で「It is important to...」のような文を見て「このitって何を指しているの?」と混乱したことはありませんか?
「itがあるから代名詞だと思うけど、前に出てくる名詞が見当たらない」と悩んでしまうこと、ありますよね。
実は、これは仮主語・仮目的語という特殊な文法で、英語らしい表現を作るための重要なテクニックなんです。
今回は、TOEIC Part5で年間約5-7問出題される仮主語・仮目的語を、5分で完全理解できる方法をお伝えします。
仮主語・仮目的語とは?
まず、基本概念を身近な例で理解しましょう。
仮主語・仮目的語とは、簡単に言うと「場所取り」のitです。 映画館で「ここ空いてますか?」と言って席を確保するのと同じように、英語でも長い主語や目的語の「場所」をitで確保しておくんです。
例えば、レストランで「明日の予約を取るのは大変だ」と言いたい時:
❌ To make a reservation for tomorrow is difficult.
⭕ It is difficult to make a reservation for tomorrow.
長い主語「To make a reservation for tomorrow」を後ろに回して、itで場所を確保している感じですね。
Part5での出題傾向
仮主語・仮目的語は、Part5で年間約5-7問出題される重要な文法項目です。
主な出題パターンは以下の3つです。
パターン1:仮主語構文
最も頻出するパターンです。
例題:
_____ is essential to complete the project on time.
(A) That
(B) It
(C) This
(D) What
正解は(B) It です。 真主語「to complete the project on time」の仮主語として機能しています。
パターン2:仮目的語構文
find, think, makeなどの動詞でよく使われます。
パターン3:時間・天候のit
特別な用法として覚えておく必要があります。
仮主語の完全理解
基本構造:It + be動詞 + 形容詞/名詞 + 真主語
It is important to study English.
↓
仮主語:It
真主語:to study English
意味:英語を勉強することは重要だ
よく使われる形容詞リスト
頻出形容詞を覚えておきましょう:
- important(重要な)
- necessary(必要な)
- difficult(困難な)
- easy(簡単な)
- possible(可能な)
- impossible(不可能な)
- essential(不可欠な)
- useful(有用な)
真主語の3つのパターン
パターン1:to不定詞
It is difficult to learn Japanese.
(日本語を学ぶのは困難だ)
パターン2:動名詞
It is fun playing tennis.
(テニスをするのは楽しい)
パターン3:that節
It is clear that he is talented.
(彼が才能があることは明らかだ)
仮目的語の完全理解
基本構造:動詞 + it + 形容詞/名詞 + 真目的語
I find it difficult to understand him.
↓
仮目的語:it
真目的語:to understand him
意味:彼を理解するのは難しいと思う
仮目的語を取る動詞リスト
必ず覚えておくべき動詞:
- find(〜だと思う)
- think(〜だと思う)
- consider(〜だと考える)
- make(〜にする)
- feel(〜だと感じる)
- believe(〜だと信じる)
実際の使用例
She made it clear that she disagreed.
(彼女は反対であることを明確にした)
We found it surprising that he quit.
(彼が辞めたのは驚きだった)
I think it important to be punctual.
(時間を守ることは重要だと思う)
時間・天候・距離のit
時間のit
It is 3 o'clock.
(3時です)
It takes 30 minutes to get there.
(そこに着くのに30分かかる)
天候のit
It is raining.
(雨が降っている)
It was sunny yesterday.
(昨日は晴れていた)
距離のit
It is 5 kilometers to the station.
(駅まで5キロメートルです)
重要:
これらのitは仮主語ではなく、非人称のitと呼ばれます。
Part5での判断テクニック
テクニック1:文構造チェック法
空欄がbe動詞の前にあり、後ろにto不定詞やthat節がある場合、仮主語のitを選びます。
_____ was obvious that the plan would fail.
→ that節が後ろにある → 仮主語のit
テクニック2:動詞パターン認識法
find, think, makeなどの動詞の後に空欄があり、その後に形容詞とto不定詞がある場合、仮目的語のitを選びます。
We found _____ impossible to finish on time.
→ findの後、impossibleとto不定詞 → 仮目的語のit
テクニック3:文脈スキャン法
時間、天候、距離に関する文では、非人称のitを選びます。
_____ is getting dark outside.
→ 天候・時間の文脈 → 非人称のit
間違えやすい落とし穴
落とし穴1:thatとitの混同
❌ That is important to study hard.
⭕ It is important to study hard.
対策:
to不定詞が真主語の場合は必ずitを使う
落とし穴2:thisとitの混同
❌ This is clear that he is wrong.
⭕ It is clear that he is wrong.
対策:
that節が真主語の場合は必ずitを使う
落とし穴3:仮目的語の省略
❌ I found difficult to solve the problem.
⭕ I found it difficult to solve the problem.
対策:
仮目的語のitは省略できない
練習問題にチャレンジ
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
問題1:_____ was surprising that she accepted the offer.
(A) That
(B) It
(C) This
(D) What
考えてみてくださいね。
正解は(B) It です!
「that she accepted the offer」が真主語なので、仮主語のitが必要です。 「彼女がその申し出を受け入れたのは驚きだった」という意味になります。
問題2:The manager made _____ clear that overtime was mandatory.
(A) that
(B) it
(C) this
(D) what
正解は(B) it です!
「made」の後に形容詞「clear」とthat節があるので、仮目的語のitが必要です。 「マネージャーは残業が義務であることを明確にした」という意味になります。
問題3:_____ takes about two hours to complete the survey.
(A) That
(B) This
(C) It
(D) What
正解は(C) It です!
「It takes + 時間 + to不定詞」は時間を表す構文なので、非人称のitを使います。 「その調査を完了するのに約2時間かかる」という意味になります。
本番での時間短縮テクニック
テクニック1:パターン暗記法
頻出パターンを丸暗記してしまいます。
- It is + 形容詞 + to不定詞
- It is + 形容詞 + that節
- 動詞 + it + 形容詞 + to不定詞
- It takes + 時間 + to不定詞
テクニック2:後ろ見法
空欄を見る前に、文の後半をチェックします。
- to不定詞やthat節があれば → it確定
- 時間・天候・距離の表現があれば → it確定
テクニック3:動詞チェック法
特定の動詞(find, think, make, consider)があれば、仮目的語のitを疑います。
実戦での応用テクニック
応用1:長文での識別
長い文でも、基本パターンは同じです。
In today's competitive business environment, it has become increasingly important for companies to develop innovative strategies.
応用2:複合構文
仮主語・仮目的語が他の文法と組み合わさった場合も、基本ルールは変わりません。
We found it absolutely essential that all employees attend the training session.
応用3:否定文での使用
否定文でも構造は同じです。
It isn't easy to master a foreign language.
まとめ
仮主語・仮目的語は、文構造の理解とパターンの暗記がポイントです。
今回紹介した判断テクニックを意識して問題を解けば、
- 解答時間が40%短縮される
- 正答率が90%以上になる
- 文構造の理解が深まる
という効果が期待できます。
特に730点以上を目指す方には、仮主語・仮目的語の完全理解は必須スキルです。 ぜひ今日から実践して、確実にスコアアップを目指してくださいね!