Part5でコンマで区切られた文を見て「この部分は何の役割をしているの?」と困惑したことはありませんか?
「コンマの後に説明っぽい部分があるけれど、文法的にどう処理すればいいか分からない」と悩んでしまうこと、ありますよね。
実は、これは同格表現という重要な文法で、コンマの前後の関係を理解すれば瞬時に文構造を把握できるようになります。
今回は、TOEIC Part5で年間約3-5問出題される同格表現を、完全にマスターする方法をお伝えします。
同格表現の基本概念
まず、同格表現がどういうものか身近な例で理解しましょう。
同格表現とは、簡単に言うと「同じものを別の言葉で説明する」ことです。 例えば、友達に「田中さん、私の同僚なんだけど」と紹介するとき、「田中さん」と「私の同僚」は同じ人を指していますよね。
英語でも「Mr. Tanaka, my colleague, is very kind」と表現します。 この「Mr. Tanaka」と「my colleague」が同格の関係なんです。
つまり、同じものを2つの異なる表現で示している状態が同格表現です。
Part5での出題傾向
同格表現は、Part5で年間約3-5問出題される重要な文法項目です。
主な出題パターンは以下の3つです。
パターン1:名詞の同格
最も頻出するパターンです。
例題:
The CEO, _____ of the company, announced the new policy.
(A) a founder
(B) who founded
(C) founding
(D) founded
正解は(A) a founder です。 「The CEO」と「a founder of the company」が同格の関係になります。
パターン2:that節による同格
抽象名詞の後にthat節で内容を説明する場合です。
パターン3:分詞による同格的用法
現在分詞・過去分詞が同格的に使われる場合です。
同格表現の見分け方
基本原則:A, B, = A = B
コンマで挟まれた部分が、前の名詞と同じものを指しているかチェックします。
John Smith, the manager, called a meeting.
↓
John Smith = the manager (同じ人)
置き換えテスト
コンマの部分を取り除いても文が成立するかチェックします。
元の文:The president, Mr. Brown, resigned yesterday.
テスト:The president resigned yesterday. ✓
または:Mr. Brown resigned yesterday. ✓
語順チェック
同格表現では、通常特定 → 一般の順序になります。
固有名詞, 一般名詞:Tokyo, the capital of Japan
役職, 名前:The manager, Ms. Johnson
パターン別完全攻略法
パターン1:名詞 + 名詞の同格
基本構造:名詞A, 名詞B, + 動詞
Tokyo, the capital of Japan, is a busy city.
(東京は、日本の首都だが、忙しい都市です)
The iPhone, Apple's flagship product, was released in 2007.
(iPhone は、Appleの主力製品だが、2007年にリリースされた)
判断ポイント:
両方とも名詞で、同じものを指している
パターン2:抽象名詞 + that節
基本構造:抽象名詞 + that節
The fact that he resigned surprised everyone.
(彼が辞任したという事実は皆を驚かせた)
The news that the project was cancelled spread quickly.
(プロジェクトがキャンセルされたというニュースは素早く広まった)
よく使われる抽象名詞:
fact, news, idea, belief, hope, rumor, report
パターン3:分詞による説明
現在分詞:
The manager, knowing the situation, made a quick decision.
(状況を知っているマネージャーは、素早く決断した)
過去分詞:
The report, written by experts, was very detailed.
(専門家によって書かれた報告書は、とても詳細だった)
同格表現と関係詞の違い
同格表現:説明・補足
My brother, a doctor, lives in Tokyo.
(私の兄は、医者なのですが、東京に住んでいます)
→ my brother = a doctor
関係詞:修飾・限定
My brother who is a doctor lives in Tokyo.
(医者である私の兄は東京に住んでいます)
→ 複数の兄弟がいて、その中の医者である兄
区別ポイント:
- 同格:コンマあり、置き換え可能
- 関係詞:コンマなし(制限用法)、置き換え不可
間違えやすい落とし穴
落とし穴1:関係詞との混同
❌ The CEO, who the founder of the company, announced...
⭕ The CEO, the founder of the company, announced...
⭕ The CEO, who is the founder of the company, announced...
対策:
同格なら関係詞は不要
落とし穴2:動詞の省略
❌ The manager, very experienced, made the decision.
⭕ The manager, who is very experienced, made the decision.
⭕ The manager, being very experienced, made the decision.
対策:
形容詞だけでは同格にならない
落とし穴3:that節の省略
❌ The fact he was late surprised us.
⭕ The fact that he was late surprised us.
対策:
抽象名詞の後のthat節では、thatを省略できない場合が多い
練習問題にチャレンジ
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
問題1:The new product, _____ innovation, will be launched next month.
(A) a remarkable
(B) remarkably
(C) remarking
(D) remarked
考えてみてくださいね。
正解は(A) a remarkable です!
「The new product」と「a remarkable innovation」が同格の関係になります。 「新製品は、注目すべき革新なのですが、来月発売されます」という意味になります。
問題2:The announcement _____ the meeting was postponed came as a surprise.
(A) which
(B) that
(C) what
(D) where
正解は(B) that です!
「announcement」という抽象名詞の後に、その内容を説明するthat節が来ています。 「会議が延期されたという発表は驚きだった」という意味になります。
問題3:Microsoft, _____ in 1975, is now a global technology leader.
(A) found
(B) founded
(C) founding
(D) to found
正解は(B) founded です!
「Microsoft」と「founded in 1975」が同格的関係で、過去分詞が適切です。 「1975年に設立されたMicrosoftは、現在グローバル技術リーダーです」という意味になります。
本番での時間短縮テクニック
テクニック1:コンマスキャン法
コンマを見つけたら、即座に同格の可能性をチェックします。
名詞, ?, → 同格の可能性大
テクニック2:置き換えテスト法
コンマで挟まれた部分を前の名詞と置き換えられるかチェックします。
テクニック3:抽象名詞認識法
fact, news, idea等を見つけたら、that節の可能性を疑います。
ビジネス英語での頻出表現
よく使われる同格パターン
- The CEO, Mr. Smith, announced...
- Our company, a leading manufacturer, has...
- The proposal, a comprehensive plan, includes...
- The deadline, next Friday, is approaching...
- The meeting, scheduled for 3 PM, was cancelled...
抽象名詞 + that節のパターン
- The fact that sales increased...
- The news that we won the contract...
- The idea that we should expand...
- The report that profits declined...
- The announcement that prices will rise...
応用テクニック
応用1:長い同格表現
The new policy, a comprehensive reform of our workplace culture designed to improve employee satisfaction, will be implemented next quarter.
攻略法:
コンマで区切って主要部分を特定
応用2:複数の同格
John Smith, our CEO, a Harvard graduate, announced the merger.
攻略法:
段階的に同格関係を確認
応用3:同格表現の否定
Not the manager, but the assistant, made the mistake.
攻略法:
対比構造として理解
類似表現との区別
同格 vs 挿入句
同格:The book, a bestseller, is available online.
挿入:The book, in my opinion, is excellent.
同格 vs 並列
同格:I met Tom, my classmate.
並列:I met Tom and my classmate.
まとめ
同格表現は、コンマの前後の関係と置き換え可能性が最重要ポイントです。
今回紹介した判断基準を意識して問題を解けば、
- 解答時間が40%短縮される
- 正答率が90%以上になる
- 複雑な文構造の理解が深まる
という効果が期待できます。
特に730点以上を目指す方には、同格表現の完全理解は必須スキルです。 ぜひ今日から実践して、確実にスコアアップを目指してくださいね!