Part5の長い文章でダッシュ(—)を見て「何の意味だろう?」と戸惑ったことはありませんか?
「このダッシュは何のためにあるの?文の構造がよく分からない...」と悩んでしまうこと、ありますよね。
実は、ダッシュには明確な3つの用法があり、そのパターンを理解すれば文章の意味が格段に読み取りやすくなります。
今回は、TOEIC Part5で年間約4問出題されるダッシュの活用法を、分かりやすくお伝えします。
ダッシュの基本を理解しよう
ダッシュを簡単に説明すると、「追加情報を挿入する記号」です。
例えば、友達との会話で「昨日映画を見たんだ—すごく面白かったよ—また一緒に見ない?」と話すときのように、途中で補足説明を入れることがありますよね。
これと同じように、英語のダッシュは「文の途中で追加情報を入れる」「重要な部分を強調する」「説明を加える」という役割があるんです。
TOEICでは、このダッシュが文の構造にどう影響するかを理解することが、正確な読解につながります。
Part5でのダッシュの出題パターン
ダッシュは、Part5で年間約4問出題される重要な要素です。
主な出題パターンは以下の3つです。
パターン1:挿入を表すダッシュ
最も頻出するのが、文の途中に追加情報を挿入するパターンです。
例題:
The new product—developed by our research team—will be launched next month.
この場合、「developed by our research team」は挿入された情報で、ダッシュを取り除いても文が成立します。
パターン2:強調を表すダッシュ
重要な情報を強調するためにダッシュが使われることもあります。
例題:
The meeting has been postponed—again.
「again(また)」を強調することで、「またもや延期された」という意味を際立たせています。
パターン3:説明を表すダッシュ
前の内容について詳細な説明を加える場合にも使われます。
例題:
We need to hire a specialist—someone with at least five years of experience.
「specialist」について「最低5年の経験を持つ人」という説明が続いています。
ダッシュの3つの用法詳細
Part5でよく出るダッシュの用法を詳しく見ていきましょう。
用法1:挿入(Insertion)
特徴:
- 文の途中に補足情報を入れる
- ダッシュ部分を除いても文が完成する
- 通常は2つのダッシュで囲まれる
例文:
The company's revenue—which increased by 15% last year—exceeded expectations.
この文では「which increased by 15% last year」が挿入部分で、取り除くと「The company's revenue exceeded expectations.」になります。
用法2:強調(Emphasis)
特徴:
- 重要な語句や文を強調する
- 通常は文末に1つのダッシュ
- 感情や驚きを表すことが多い
例文:
The project was completed on time—finally.
「finally(ついに)」を強調して、完成への安堵感を表現しています。
用法3:説明・詳細(Explanation)
特徴:
- 前の内容を詳しく説明する
- 通常は文中または文末に1つのダッシュ
- 具体例や定義を示すことが多い
例文:
The conference will cover three main topics—marketing strategies, financial planning, and customer service.
「three main topics」について具体的な内容を列挙しています。
ダッシュを含む文の読解コツ
ダッシュがある文を素早く理解するテクニックを紹介します。
コツ1:挿入部分を一時的に飛ばす
挿入のダッシュの場合、まず挿入部分を飛ばして主文を理解しましょう。
The manager—who started working here last month—approved the proposal.
「The manager approved the proposal.」が主文だと分かれば、文の骨格が見えてきます。
コツ2:強調部分に注目する
強調のダッシュの場合、ダッシュの後が重要な情報です。
Sales increased dramatically this quarter—by 30%.
「by 30%」が最も重要な情報だと分かります。
コツ3:説明関係を把握する
説明のダッシュの場合、前後の関係性を理解しましょう。
We offer flexible working arrangements—remote work, flexible hours, and job sharing.
「flexible working arrangements」の具体例が続いていることが分かります。
間違えやすいポイント
日本人学習者が特に混乱しやすいのは、以下の点です。
- コンマとの混同:ダッシュとコンマの使い分けが分からない
- 挿入部分の処理:挿入された情報をどう扱うか分からない
- 文構造の把握:ダッシュがあると文の構造が見えにくくなる
特にダッシュとコンマの違いは重要で、ダッシュの方がより強い区切りを表します。
コンマは軽い区切り、ダッシュは強い区切りと覚えておきましょう。
実戦での読解スピードアップ
ダッシュを含む文を素早く処理する方法を見ていきましょう。
ステップ1:ダッシュの種類を判断
まず、そのダッシュが挿入・強調・説明のどれかを瞬時に判断します。
- 2つのダッシュ → 挿入の可能性大
- 文末の1つのダッシュ → 強調の可能性大
- 文中の1つのダッシュ → 説明の可能性大
ステップ2:主文を特定
挿入の場合は、ダッシュ部分を除いて主文を把握します。
強調・説明の場合は、ダッシュ前が主文、ダッシュ後が付加情報です。
ステップ3:全体の意味を統合
主文と付加情報を組み合わせて、文全体の意味を理解します。
練習問題にチャレンジ
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
問題1:次の文でダッシュはどの用法で使われているでしょうか?
The company's new policy—effective immediately—requires all employees to work from home on Fridays.
(A) 挿入
(B) 強調
(C) 説明
考えてみてくださいね。
正解は(A)挿入です!
「effective immediately」は追加情報で、この部分を除くと「The company's new policy requires all employees to work from home on Fridays.」という完全な文になります。
問題2:次の文の主な内容は何でしょうか?
The presentation—which lasted three hours—covered all aspects of the project.
(A) プレゼンテーションが3時間だったこと
(B) プロジェクトの全側面がカバーされたこと
(C) 両方とも同じくらい重要
正解は(B)です!
挿入部分「which lasted three hours」は補足情報で、主文は「The presentation covered all aspects of the project.」です。
ビジネス英語でのダッシュ活用
TOEICでよく出るビジネス場面でのダッシュ使用例を紹介します。
会議・プレゼンテーション
The quarterly results—better than expected—show a 20% increase in revenue.
商品・サービス説明
Our new service offers three key benefits—cost reduction, improved efficiency, and better customer satisfaction.
人事・組織
The new manager—formerly with ABC Company—will start next Monday.
これらのパターンを覚えておくと、実際の問題でスムーズに対応できます。
まとめ
ダッシュの用法のポイントは、挿入・強調・説明の3つのパターンを理解することです。
この記事で紹介したテクニックを使えば、Part5でのダッシュを含む文の読解速度が格段に上がります。
- 挿入:2つのダッシュで囲まれた補足情報
- 強調:文末のダッシュで重要部分を際立たせる
- 説明:前の内容の詳細や具体例を示す
ダッシュは難しく見えますが、パターンさえ覚えれば確実に得点源になります。
ぜひ今日から実践して、読解スピードの向上とスコアアップを目指してくださいね!