Part5で「although」「though」「even though」が選択肢にあると迷ってしまいませんか?
「どれも『〜だけれど』という意味で、違いがよく分からない」という悩みを抱える学習者は本当に多いんです。
実は、これらの譲歩表現には明確な使い分けのルールがあり、それを知れば確実に正解を選べるようになります。
今回は、730点レベルで頻出する譲歩表現の微妙な違いを、実践的な判断基準と共にお伝えします。
譲歩表現がPart5で重要な理由
まず、なぜ譲歩表現の習得が重要なのかを確認しましょう。
譲歩表現は、Part5全30問中、年間約3-4問出題される重要な文法項目です。
特に730点以上のレベルでは、以下の特徴があります。
- 微妙な違いを問う問題が多い
- フォーマル度による使い分けが重要
- 文の構造に大きく影響する
つまり、この記事をマスターすれば、確実に3-4点アップが期待できるんです。
譲歩表現の基本概念
譲歩表現を簡単に説明すると、「逆接の関係」を表す表現です。
日常生活で例えると、「雨が降っているけれど、出かける」のように、予想に反する状況を表すイメージですね。
英語では主に以下の3つが使われます。
Although:最もフォーマル
Though:カジュアル、文末でも使用可能
Even though:強い対比、より強調
although/though/even thoughの詳細比較
それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
Although:フォーマルな文書で最適
特徴:
- 最もフォーマルな表現
- ビジネス文書で頻繁に使用
- 文頭で使うのが一般的
使用場面:
- 正式な報告書
- ビジネスメール
- 学術論文
例文:
Although the market conditions were challenging, our sales increased by 10%.
(市場環境は厳しかったが、売上は10%増加した)
Though:万能で使いやすい
特徴:
- カジュアルからフォーマルまで対応
- 文末でも使用可能
- 最も柔軟性が高い
使用場面:
- 日常会話
- カジュアルなメール
- 一般的な文書
例文:
The project was difficult, though we managed to complete it on time.
(プロジェクトは困難だったが、時間通りに完了できた)
Even though:強調のニュアンス
特徴:
- 強い対比を表現
- 驚きや意外性を強調
- 感情的なニュアンスを含む
使用場面:
- 予想外の結果を表現
- 強い対比を示したい場合
- 感情を込めた表現
例文:
Even though he had no experience, he performed exceptionally well.
(経験がなかったにもかかわらず、彼は素晴らしい成果を上げた)
Part5での頻出パターン4選
譲歩表現は、Part5で主に以下の4つのパターンで出題されます。
パターン1:フォーマル度による選択
最も頻出するのが、文書の種類に応じた選択問題です。
例題:
_____ the initial budget was exceeded, the board approved the additional funding.
(A) Although
(B) Though
(C) Even though
(D) Despite
正解は(A)です。 ビジネス文書なので、最もフォーマルな「Although」が適切です。
パターン2:強調度による判断
対比の強さによって選択肢が決まる問題です。
例題:
_____ she had been working for only three months, she received a promotion.
(A) Although
(B) Though
(C) Even though
(D) While
正解は(C)です。 「たった3ヶ月」という強い対比があるため、「Even though」が最適です。
パターン3:文の位置による制約
文中での位置によって選択が限定される問題です。
例題:
The presentation was successful. We had some technical difficulties, _____.
(A) although
(B) though
(C) even though
(D) however
正解は(B)です。 文末で使えるのは「though」だけです。
パターン4:前置詞との使い分け
接続詞と前置詞の区別を問う問題です。
例題:
_____ the heavy rain, the outdoor event continued as planned.
(A) Although
(B) Though
(C) Even though
(D) Despite
正解は(D)です。 後に名詞が続くので、前置詞「Despite」が必要です。
正確な判断基準
確実に正解を選ぶための判断基準があります。
判断基準1:文書のフォーマル度
以下の順でフォーマル度が高くなります。
Though < Although < Even though(強調の文脈で)
ビジネス文書なら「Although」を優先的に選択しましょう。
判断基準2:対比の強さ
弱い対比:Though/Although 強い対比:Even though
「驚き」や「意外性」があるかどうかで判断します。
判断基準3:文中の位置
文頭・文中:すべて使用可能 文末:thoughのみ使用可能
文末の場合は自動的に「though」を選択します。
判断基準4:後続要素
接続詞:文が続く → although/though/even though 前置詞:名詞が続く → despite/in spite of
間違えやすいポイント
日本人学習者が特に間違えやすいのは、以下の点です。
- フォーマル度の軽視:すべて同じと考えてしまう
- 文末thoughの見落とし:文末で使えるのはthoughだけ
- 強調ニュアンスの判断ミス:even thoughの使いどころ
特に文末thoughは、多くの人が見落としがちなポイントです。 文末に譲歩表現がある場合は、迷わず「though」を選びましょう。
確実に正解するための3ステップ
では、実際の解き方を見ていきましょう。
ステップ1:位置の確認
まず、譲歩表現の位置を確認します。
文末にある場合は、自動的に「though」が正解です。
ステップ2:文書の種類判断
次に、以下を確認します。
- ビジネス文書 → Although優先
- カジュアルな文章 → Though可能
- 強い対比 → Even though検討
ステップ3:後続要素の確認
最後に、後に続く要素を確認します。
- 文(S+V) → 接続詞を選択
- 名詞 → 前置詞を選択
練習問題にチャレンジ
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
問題1:_____ the company faced financial difficulties, it managed to avoid bankruptcy.
(A) Although
(B) Though
(C) Even though
(D) Despite
まず判断基準を適用してみてください。
正解は(A)です!
ビジネス文書で一般的な対比なので、フォーマルな「Although」が最適です。 「Despite」は後に名詞が必要なので不適切です。
問題2:The project was completed successfully. There were many obstacles, _____.
(A) although
(B) though
(C) even though
(D) however
正解は(B)です!
文末の位置にあるため、「though」が唯一の正解です。 他の選択肢は文末では使用できません。
730点突破のための応用テクニック
730点レベルでは、より複雑な譲歩表現も出題されます。
応用パターン1:複合的な判断
_____ he was completely inexperienced in management, he transformed the department.
(A) Although
(B) Though
(C) Even though
(D) While
正解は(C)です。 「completely inexperienced」という強い対比があるため、「Even though」が最適です。
応用パターン2:文脈による選択
The quarterly report shows positive results _____ the initial projections were pessimistic.
(A) although
(B) though
(C) even though
(D) since
正解は(B)です。 ビジネス文書ですが、文中での使用でカジュアルなトーンなので「though」が適切です。
実践での時間短縮テクニック
判断を素早く行うコツがあります。
-
文末チェック
- 文末なら即座に「though」を選択
-
強調ワードスキャン
- completely, totally, never等があれば「even though」を検討
-
文書タイプ判断
- 正式文書なら「although」を優先
これらのテクニックを使えば、5秒以内での解答も可能になります。
まとめ
譲歩表現のポイントは、フォーマル度と強調度の正確な判断ということです。
この記事で紹介した判断基準を使えば、although/though/even thoughの使い分けが確実にできるようになります。
特に文末thoughとビジネス文書でのalthoughは、730点レベルで頻出する重要なポイントです。 ぜひ今日から実践して、譲歩表現を得点源にしてくださいね!