Part5で「well-known」「state-of-the-art」のような複合形容詞が出ると、語順で迷ったことはありませんか?
「どの順番で並べるの?」「ハイフンはどこに付けるの?」と悩んでしまう方も多いでしょう。
実は、複合形容詞には明確な語順ルールがあり、パターンを覚えれば迷うことなく正解できるようになります。
今回は、TOEIC Part5で頻出する複合形容詞の語順パターンを、体系的にマスターしていきましょう。
複合形容詞の基本を理解しよう
まず、複合形容詞とは何かを整理しましょう。
複合形容詞とは、2つ以上の単語を組み合わせて1つの形容詞として機能する語のことです。 日常生活で例えると、「よく知られた」を「well-known」で表現するようなものですね。
重要なのは、単語同士をハイフン(-)で繋いで、1つのまとまった形容詞として使うことです。
基本的な構造は以下の通りです:
- 副詞 + 形容詞:well-known(よく知られた)
- 形容詞 + 名詞:high-quality(高品質の)
- 名詞 + 形容詞:user-friendly(使いやすい)
Part5での出題パターン
複合形容詞は、Part5で年間約6-8問出題される重要分野です。
主な出題パターンは以下の3つです。
パターン1:語順選択問題
単語の並び順を選ぶ問題です。
例題:
The _____ software has received excellent reviews.
(A) known well
(B) well-known
(C) well known
(D) known-well
正解は(B)です。 「よく知られた」は「well-known」の語順になります。
パターン2:ハイフンの有無
ハイフンを付けるかどうかを判断する問題です。
パターン3:複合形容詞の意味選択
文脈に合う複合形容詞を選ぶ問題です。
頻出パターン別語順ルール
ここからが重要です。 複合形容詞の語順パターンを体系的に見ていきましょう。
パターン1:副詞 + 過去分詞
最も頻出するパターンです。
基本構造:副詞 + 過去分詞(-ed)
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well-known /wel-noʊn/
- 意味:よく知られた、有名な
- 例文:He is a well-known author.
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well-established /wel-ɪˈstæblɪʃt/
- 意味:確立された、定着した
- 例文:It's a well-established company.
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widely-accepted /ˈwaɪdli-ækˈseptɪd/
- 意味:広く受け入れられた
- 例文:This is a widely-accepted theory.
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highly-regarded /ˈhaɪli-rɪˈgɑːrdɪd/
- 意味:高く評価された
- 例文:She is a highly-regarded expert.
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recently-published /ˈriːsəntli-ˈpʌblɪʃt/
- 意味:最近出版された
- 例文:I read a recently-published report.
パターン2:形容詞 + 名詞
ビジネス英語でよく使われるパターンです。
基本構造:形容詞 + 名詞
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high-quality /haɪ-ˈkwɑːləti/
- 意味:高品質の
- 例文:We offer high-quality products.
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long-term /lɔːŋ-tɜːrm/
- 意味:長期の
- 例文:This is a long-term investment.
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full-time /fʊl-taɪm/
- 意味:フルタイムの
- 例文:She works as a full-time employee.
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part-time /pɑːrt-taɪm/
- 意味:パートタイムの
- 例文:He has a part-time job.
-
low-cost /loʊ-kɔːst/
- 意味:低コストの
- 例文:We need a low-cost solution.
パターン3:名詞 + 形容詞
特定の分野でよく使われるパターンです。
基本構造:名詞 + 形容詞
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user-friendly /ˈjuːzər-ˈfrendli/
- 意味:使いやすい
- 例文:The software is very user-friendly.
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cost-effective /kɔːst-ɪˈfektɪv/
- 意味:費用対効果の高い
- 例文:This method is cost-effective.
-
time-consuming /taɪm-kənˈsuːmɪŋ/
- 意味:時間のかかる
- 例文:The process is time-consuming.
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energy-efficient /ˈenərdʒi-ɪˈfɪʃənt/
- 意味:省エネの
- 例文:We installed energy-efficient lighting.
パターン4:複雑な構造
3語以上で構成される複合形容詞です。
基本構造:複数語の組み合わせ
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state-of-the-art /steɪt-əv-ði-ɑːrt/
- 意味:最先端の
- 例文:They use state-of-the-art technology.
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up-to-date /ʌp-tu-deɪt/
- 意味:最新の
- 例文:Keep your information up-to-date.
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off-the-shelf /ɔːf-ðə-ʃelf/
- 意味:既製の、市販の
- 例文:We bought off-the-shelf software.
語順を間違えやすいポイント
日本人学習者がよく間違える理由を整理しました。
間違い1:日本語の語順で考える
❌ known-well(知られた-よく) ✅ well-known(よく-知られた)
英語では修飾語が先に来ます。
間違い2:ハイフンを忘れる
❌ well known(2語として分離) ✅ well-known(1つの形容詞として結合)
名詞の前で使う場合は必ずハイフンが必要です。
間違い3:語順の固定化を理解していない
複合形容詞の語順は完全に固定されています。 自分で勝手に語順を変えることはできません。
瞬間判断のコツ
Part5で素早く正解するテクニックをご紹介します。
コツ1:パターン認識で判断
選択肢を見た瞬間に、どのパターンかを判断します。
- well + 過去分詞 → well-known型
- 形容詞 + 名詞 → high-quality型
- 名詞 + 形容詞 → user-friendly型
コツ2:意味から逆算
文の意味が分かれば、必要な複合形容詞が推測できます。
「有名な作家」→ well-known author 「高品質な製品」→ high-quality product
コツ3:ハイフンの位置を確認
複合形容詞は必ずハイフンで結ばれていることを確認しましょう。
練習問題にチャレンジ
理解度を確認してみましょう。
問題1:The company is _____ for its innovative products.
(A) known well
(B) well-known
(C) well known
(D) known-well
どうでしょうか?
正解は(B)です!
「その会社は革新的な製品でよく知られている」という意味で、well-knownが正解です。
問題2:We need a _____ solution to this problem.
(A) term-long
(B) long-term
(C) term long
(D) long term
正解は(B)です!
「この問題に対する長期的な解決策が必要」という文脈で、long-termが適切です。
実戦での時短テクニック
本番で時間を節約する方法です。
-
選択肢を素早くスキャン
- ハイフンの有無を即座に確認
- 明らかに間違った語順を除外
-
パターン認識を活用
- well- で始まるものは過去分詞が続く
- -friendly で終わるものは名詞が前に来る
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意味の確認は最小限
- 語順が正しければ、詳細な意味確認は不要
この方法で、1問あたり15-20秒での解答が可能になります。
よく出る複合形容詞一覧
最後に、TOEIC頻出の複合形容詞をまとめておきます。
超重要(必須)
- well-known, well-established, high-quality, long-term, full-time
重要(推奨)
- user-friendly, cost-effective, widely-accepted, highly-regarded, part-time
標準(知っておくと有利)
- state-of-the-art, up-to-date, time-consuming, energy-efficient, low-cost
まとめ
複合形容詞の語順は、パターンさえ覚えれば迷うことはありません。
今回紹介した4つのパターンを意識すれば、Part5での複合形容詞問題は確実に得点源になります。
まずはwell-known、high-quality、user-friendlyの3つから覚えて、徐々に語彙を増やしていってくださいね!