Part5で使役動詞の問題が出ると、「makeとhaveの違いが分からない」と悩んでしまうこと、ありますよね。
使役動詞make、have、letは、似ているようで実は明確な使い分けがあります。
この記事では、5秒以内に正解を判断できる実践的な技法を、身近な例えを使って分かりやすく解説します。
使役動詞の基本イメージを掴もう
使役動詞を理解するコツは、「誰が主導権を握っているか」をイメージすることです。
レストランで注文する場面を想像してみてください。 お客さん(主語)が店員さん(目的語)に何かをしてもらう時、その「お願いの仕方」が3つの使役動詞の違いなんです。
簡単に言うと、使役動詞は「人に何かをさせる」という意味で、その「させ方」に違いがあります。
Part5での出題パターン
使役動詞は、Part5で年間約8問出題される重要な文法項目です。
主な出題パターンは以下の3つです。
パターン1:動詞の選択問題
使役動詞そのものを選ぶ問題です。
例題:
The manager _____ the employees work overtime to meet the deadline.
(A) made
(B) let
(C) had
(D) got
正解は(A)です。 期限に間に合わせるため「強制的に」残業させたという文脈だからです。
パターン2:後に続く動詞の形
使役動詞の後に来る動詞の形を問う問題です。
例題:
I had my assistant _____ the report for me.
(A) prepare
(B) to prepare
(C) prepared
(D) preparing
正解は(A)です。 haveの後は原形不定詞が来るからです。
パターン3:受動態での使い分け
受動態になった時の形を問う問題です。
3つの使役動詞の核心的な違い
それぞれの使役動詞には、明確な「ニュアンス」があります。
make:強制・義務感
イメージ:
上司が部下に命令する感じ
makeは「強制的にさせる」「義務として行わせる」という意味です。 相手に選択の余地がない状況で使います。
日常生活で例えると、親が子供に「宿題をしなさい」と言う時の感覚です。
頻出表現:
- make someone work(誰かを働かせる)
- make someone wait(誰かを待たせる)
- make someone do(誰かに〜させる)
have:依頼・お願い
イメージ:
お客さんが店員さんに依頼する感じ
haveは「お願いして〜してもらう」という意味です。 相手に何かをしてもらう、サービスを受けるという感覚です。
美容院で「髪を切ってもらう」時の感覚ですね。
頻出表現:
- have someone do(誰かに〜してもらう)
- have something done(何かを〜してもらう)
- have someone help(誰かに手伝ってもらう)
let:許可・容認
イメージ:
親が子供に「いいよ」と言う感じ
letは「許可する」「〜させてあげる」という意味です。 相手がやりたがっていることを認める時に使います。
友達が「お菓子を食べてもいい?」と聞いた時に「どうぞ」と答える感覚です。
頻出表現:
- let someone go(誰かを行かせる/解放する)
- let someone know(誰かに知らせる)
- let someone try(誰かに試させる)
5秒で判断する3ステップ
実際の問題では、以下の手順で判断します。
ステップ1:文脈の主導権をチェック
まず、「誰が主導権を握っているか」を確認します。
主語が強い立場ならmake、対等な関係ならhave、相手に配慮しているならletの可能性が高いです。
ステップ2:感情や態度を読み取る
次に、文章の雰囲気を感じ取ります。
強制的・命令的な雰囲気ならmake、お願い・依頼の雰囲気ならhave、優しさ・許可の雰囲気ならletです。
ステップ3:慣用表現で最終確認
最後に、よく使われる表現パターンで確認します。
間違えやすいポイント
日本人学習者が特に間違えやすいのは、以下の点です。
- makeとhaveの混同:「してもらう」を全てhaveで処理してしまう
- letの過小評価:letの「許可」の意味を見落とす
- 受動態での変化:make someone doがbe made to doになることを忘れる
特に受動態での形の変化は、多くの人が見落としがちです。
能動態では「make + 人 + 動詞の原形」ですが、受動態では「be made to + 動詞の原形」になります。
練習問題にチャレンジ
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
問題1:The strict teacher _____ all students submit their homework on time.
(A) made
(B) had
(C) let
(D) got
どの使役動詞が適切か考えてみてください。
正解は(A)です!
厳格な先生が生徒に宿題提出を「強制している」状況なので、makeが適切です。 文脈から「義務・強制」のニュアンスが読み取れますね。
問題2:I will _____ my secretary arrange the meeting schedule.
(A) make
(B) have
(C) let
(D) got
正解は(B)です!
秘書に会議のスケジュール調整を「お願いする」状況なので、haveが正解です。 これは典型的な「依頼・サービス」の文脈ですね。
実践での時短テクニック
本番で時間を節約するための追加テクニックをご紹介します。
1. キーワードを瞬時に見つける
- 強制系キーワード:strict, force, require, must → make
- 依頼系キーワード:ask, request, service → have
- 許可系キーワード:allow, permit, okay → let
2. 後続動詞の形で判断
- make + 人 + 動詞の原形
- have + 人 + 動詞の原形
- let + 人 + 動詞の原形
全て原形不定詞なので、to不定詞や-ing形は即座に除外できます。
3. 受動態パターンの暗記
- 能動:make someone do → 受動:be made to do
- 能動:have someone do → 受動:have something done
- 能動:let someone do → 受動:be allowed to do
まとめ
使役動詞make、have、letの違いは、主導権の位置と相手への態度で判断できます。
この記事で紹介した3ステップ判断法を使えば、Part5での正答率が確実に上がります。
- make:強制・命令(上から下への関係)
- have:依頼・サービス(対等な関係)
- let:許可・容認(相手への配慮)
ぜひ今日から実践して、使役動詞を得点源にしてくださいね!