Part5で「sent by email」と「sent with email」のどちらが正しいか迷ったことはありませんか?
by/withの使い分けの問題が出てくると、「どちらも『〜で』という意味では?」「手段と道具の違いって何?」と悩んでしまうこと、ありますよね。
実は、by/withの使い分けは3つの基本概念と4つの判別パターンをマスターすれば、10秒以内に確実に正解できるようになります。
今回は、年間約5-6問出題されるこの重要分野を完全攻略して、前置詞選択の精度を飛躍的に向上させていきましょう。
手段と道具の基本を理解しよう
手段と道具を簡単に説明すると、「目的達成のための方法」と「使用する具体的な物」の違いです。
例えば、連絡を取る場面を想像してみてください。 手段(by):by email(メールという方法で) 道具(with):with a pen(ペンという道具で)
TOEICでは、この微妙な違いを正確に理解していることが重要なんです。
Part5での出題パターン
by/withの使い分けは、Part5で年間約5-6問出題されます。
主な出題パターンは以下の4つです。
パターン1:交通手段・通信手段の表現
最も頻出するのが、移動や通信の手段を表現する問題です。
例題:
The document was sent _____ email yesterday.
(A) by
(B) with
(C) through
(D) via
正解は(A)です。 「email」は通信手段なので「by」を使います。
パターン2:道具・器具の使用表現
具体的な道具や器具を使う場面での前置詞選択を問う問題も頻出します。
「with」を使うのが基本です。
パターン3:受動態での行為者・手段表現
受動態において「誰によって」「何によって」を表現する問題もあります。
byとwithの使い分けが重要です。
パターン4:付帯状況・様態の表現
行為に伴う状況や様子を表現する問題もあります。
「with」を使うことが多いです。
3つの基本概念をマスター
by/withの使い分けにおける3つの基本概念を整理しましょう。
概念1:byは「方法・手段」
抽象的な方法・システム
by email(メールで)
by phone(電話で)
by car(車で)
by credit card(クレジットカードで)
by mistake(間違って)
特徴
- 抽象的・概念的
- システムや方法を表す
- 「〜という方法で」の意味
概念2:withは「道具・器具」
具体的な物・道具
write with a pen(ペンで書く)
cut with scissors(はさみで切る)
measure with a ruler(定規で測る)
open with a key(鍵で開ける)
特徴
- 具体的・物理的
- 手に持って使う物
- 「〜を使って」の意味
概念3:withは「付帯状況」
伴う状況・様子
speak with confidence(自信を持って話す)
work with enthusiasm(熱意を持って働く)
handle with care(注意深く扱う)
特徴
- 抽象的な状態・感情
- 行為に伴う様子
- 「〜と一緒に」「〜な状態で」の意味
4つの判別パターンをマスター
実際の問題で使える4つの判別パターンを詳しく見ていきましょう。
パターン1:交通・通信手段はby
交通手段
by car(車で)
by train(電車で)
by plane(飛行機で)
by bus(バスで)
by bike(自転車で)
通信手段
by email(メールで)
by phone(電話で)
by fax(ファックスで)
by mail(郵便で)
by text(テキストで)
パターン2:具体的な道具はwith
文房具・工具
write with a pencil(鉛筆で書く)
cut with a knife(ナイフで切る)
fix with a hammer(ハンマーで直す)
機器・装置
type with a keyboard(キーボードで打つ)
see with binoculars(双眼鏡で見る)
measure with a thermometer(温度計で測る)
パターン3:受動態での使い分け
行為者(人)→ by
The report was written by Tom.
(報告書はトムによって書かれた)
手段・道具 → by/with
The door was opened by a key.(鍵で開けられた)
The letter was written with a pen.(ペンで書かれた)
パターン4:感情・状態はwith
感情を伴う行動
speak with anger(怒って話す)
work with patience(忍耐強く働く)
respond with kindness(親切に応答する)
間違えやすいポイント
日本人学習者が特に間違えやすいのは、以下の点です。
- 日本語の「〜で」の感覚:日本語では区別がないため、混同してしまう
- 具体性の判断ミス:emailを具体物と考えてwithを選んでしまう
- 慣用表現の未習得:「by mistake」「with care」などの固定表現を知らない
特に日本語の「〜で」の感覚は、多くの人が見落としがちです。
確実に正解するための判断フロー
では、実際の解き方を見ていきましょう。
ステップ1:対象の性質を判断
抽象的(システム・方法)→ by 具体的(物・道具)→ with
ステップ2:動作の種類を確認
移動・通信 → by 作業・操作 → with
ステップ3:文脈を分析
受動態の行為者 → by 付帯状況・様態 → with
ステップ4:慣用表現をチェック
固定的な組み合わせがないかを確認
練習問題にチャレンジ
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
問題1:Please send the contract _____ express mail.
(A) by
(B) with
(C) in
(D) on
考えてみてくださいね。
正解は(A)です!
「express mail」は郵送手段なので「by」を使います。
問題2:The presentation was created _____ the latest software.
(A) by
(B) with
(C) from
(D) through
正解は(B)です!
「software」はツール・道具として使われているので「with」が適切です。
ビジネス英語での重要表現
実際のビジネス場面でよく使われるby/with表現を整理しましょう。
通信・連絡での表現
by を使う表現
contact by phone(電話で連絡する)
send by email(メールで送る)
notify by letter(手紙で通知する)
confirm by fax(ファックスで確認する)
with を使う表現
communicate with gestures(ジェスチャーで意思疎通する)
present with slides(スライドで発表する)
explain with diagrams(図で説明する)
作業・業務での表現
by を使う表現
pay by credit card(クレジットカードで支払う)
travel by air(飛行機で移動する)
deliver by courier(宅配便で配送する)
with を使う表現
write with a computer(コンピューターで書く)
calculate with a calculator(計算機で計算する)
record with a camera(カメラで記録する)
実践での瞬間判別テクニック
本番で10秒判別するためのコツをお伝えします。
-
手に持てるかテスト
- 手に持てる → with
- 手に持てない → by
-
代替可能性をチェック
- 他の方法に変更可能 → by
- その物でないとダメ → with
-
抽象度をチェック
- 抽象的・概念的 → by
- 具体的・物理的 → with
-
慣用表現を優先
- 決まった組み合わせがあれば優先
受動態での特殊な使い分け
受動態における詳細な使い分けルールを見てみましょう。
行為者(by)vs 手段(by/with)
人の行為者
The project was completed by our team.
(プロジェクトは我々のチームによって完了された)
手段・方法
The payment was made by credit card.
(支払いはクレジットカードで行われた)
道具・器具
The hole was made with a drill.
(穴はドリルで開けられた)
自然現象・原因
自然現象
The tree was struck by lightning.
(木は雷に打たれた)
病気・事故
He was infected by a virus.
(彼はウイルスに感染した)
慣用表現・固定表現
TOEICでよく出る固定的な組み合わせを覚えましょう。
by を使う慣用表現
方法・手段
by chance(偶然に)
by mistake(間違って)
by accident(事故で)
by hand(手で)
by heart(暗記で)
時間・期限
by Friday(金曜日までに)
by the end of the month(月末までに)
by 5 PM(午後5時までに)
with を使う慣用表現
感情・態度
with pleasure(喜んで)
with care(注意深く)
with confidence(自信を持って)
with respect(敬意を持って)
付帯状況
with difficulty(困難を抱えて)
with ease(容易に)
with success(成功して)
地域・文化による違い
アメリカ英語とイギリス英語での微妙な違いも覚えておきましょう。
交通手段での表現
アメリカ英語
go by car(車で行く)
travel by plane(飛行機で旅行する)
イギリス英語
go by car(同じ)
travel by aeroplane(飛行機で旅行する)
ビジネス表現
共通表現
pay by cheque/check(小切手で支払う)
send by post/mail(郵便で送る)
contact by telephone(電話で連絡する)
よくある間違いパターン
TOEICでよく見る間違いパターンを整理しましょう。
具体性の判断ミス
× sent with email
○ sent by email
× travel with train
○ travel by train
道具の混同
× write by pen
○ write with a pen
× cut by scissors
○ cut with scissors
慣用表現の間違い
× with mistake
○ by mistake
× by care
○ with care
文脈による使い分け
同じ語でも文脈によって前置詞が変わる例を見てみましょう。
computer の場合
手段として
The report was prepared by computer.
(報告書はコンピューターで作成された)
道具として
He typed the letter with his computer.
(彼は自分のコンピューターで手紙を打った)
phone の場合
通信手段として
I contacted him by phone.
(電話で彼に連絡した)
物理的道具として
She hit the button with her phone.
(彼女は携帯で ボタンを押した)
まとめ
by/withの使い分けのポイントは、「抽象的な方法・手段はby」「具体的な道具・器具はwith」「感情・状況の付帯はwith」「慣用表現は暗記する」ということです。
この記事で紹介した3つの基本概念と4つの判別パターンを意識すれば、Part5での正答率が確実に上がります。
ぜひ今日から実践して、スコアアップを目指してくださいね!