Part5で不定詞の問題が出ると、「toを付けるべき?付けないべき?」と悩んでしまうことはありませんか?
特に知覚動詞や使役動詞の後では、「原形不定詞」という特殊なルールがあるため、混乱してしまう方も多いですよね。
実は、この原形不定詞は特定の動詞の組み合わせさえ覚えれば、確実に正解できるようになります。
今回は、730点突破に必要な原形不定詞の使い方を、分かりやすくマスターしていきましょう。
原形不定詞って何?
原形不定詞を簡単に説明すると、「toを付けない動詞の原形」のことです。
例えば、映画館での出来事を想像してみてください。 「友達が映画を見て笑っているのを見た」という状況で、英語では以下のように表現します:
I saw my friend laugh at the movie.
ここで注目してほしいのは、「laugh」にtoが付いていないことです。 これが原形不定詞の特徴なんです。
知覚動詞後の原形不定詞
知覚動詞とは、「見る・聞く・感じる」などの感覚を表す動詞のことです。
主な知覚動詞一覧
Part5でよく出る知覚動詞は以下の通りです:
- see(見る)
- watch(見る・観察する)
- hear(聞く)
- listen to(聞く・注意深く聞く)
- feel(感じる)
- notice(気づく)
- observe(観察する)
知覚動詞の構文パターン
基本的なパターンは以下の通りです:
知覚動詞 + 目的語 + 原形不定詞
例文:
We heard the CEO announce the new policy.
(CEOが新しい方針を発表するのを聞いた)
この場合、「announce」にtoは付きません。 CEOが実際に発表している様子を聞いたという意味になります。
使役動詞後の原形不定詞
使役動詞とは、「〜させる」という意味を持つ動詞のことです。
主な使役動詞
Part5でよく出る使役動詞は以下の3つです:
- make(強制的に〜させる)
- let(許可して〜させる)
- have(依頼して〜してもらう)
使役動詞の構文パターン
基本的なパターンはこちらです:
使役動詞 + 目的語 + 原形不定詞
例文:
The manager made all employees attend the meeting.
(マネージャーは全従業員に会議に出席させた)
ここでも「attend」にtoは付けません。
Part5での頻出出題パターン
原形不定詞は、Part5で年間約6-8問程度出題される重要な文法項目です。
主な出題パターンは以下の4つです。
パターン1:知覚動詞 + 人 + 動作
ビジネスシーンでの「見る・聞く」の表現がよく出題されます。
例題:
The supervisor saw the new employee _____ the procedure correctly.
(A) to follow
(B) following
(C) follow
(D) followed
正解は(C)です。 知覚動詞「saw」の後は原形不定詞「follow」が正解です。
パターン2:使役動詞make + 人 + 動作
強制的な指示や命令の文脈でよく出ます。
例題:
The new policy will make employees _____ their ID cards at all times.
(A) to wear
(B) wearing
(C) wear
(D) worn
正解は(C)です。 使役動詞「make」の後は原形不定詞「wear」が必要です。
パターン3:使役動詞let + 人 + 動作
許可の意味を表す文脈で頻出します。
例題:
The company lets employees _____ flexible working hours.
(A) to choose
(B) choosing
(C) choose
(D) chosen
正解は(C)です。 「let」の後も原形不定詞「choose」を使います。
パターン4:使役動詞have + 人 + 動作
依頼や代行の意味で使われることが多いです。
例題:
We had the IT department _____ the system last week.
(A) to update
(B) updating
(C) update
(D) updated
正解は(C)です。 「have」の後も原形不定詞「update」が正解です。
間違えやすいポイント
日本人学習者が特に間違えやすいのは、以下の点です。
- to不定詞と混同する:普通の動詞の後はtoを付けるのに、特殊な動詞は付けない
- 現在分詞(-ing)を選んでしまう:進行の意味があると勘違いしてしまう
- 過去分詞を選んでしまう:受動態と混同してしまう
特に「toを付けたくなる」気持ちは、多くの人が経験することです。 でも、特定の動詞の後では必ず原形と覚えてください。
確実に正解するための3ステップ
実際の解き方を見ていきましょう。
ステップ1:動詞を特定する
まず、空欄の前にある動詞を確認します。
それが知覚動詞(see, hear等)か使役動詞(make, let, have)かをチェックしてください。
ステップ2:構文パターンを確認
次に、「動詞 + 人 + ?」の構文になっているかを確認します。
この構文が確認できれば、原形不定詞の可能性が高いです。
ステップ3:選択肢から原形を選ぶ
最後に、選択肢の中から動詞の原形(toなし、-ingなし、-edなし)を選びます。
迷ったときは「toを取った形」を探してください。
覚えておくべき重要な動詞
Part5で特によく出る動詞をまとめました。
知覚動詞(5個)
- see - 見る
- hear - 聞く
- watch - 見る・観察する
- feel - 感じる
- notice - 気づく
使役動詞(3個)
- make - 強制的に〜させる
- let - 許可して〜させる
- have - 依頼して〜してもらう
これら8個の動詞を見たら、「原形不定詞かも?」と考える習慣をつけましょう。
実践問題にチャレンジ
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
問題1:The security guard watched the visitor _____ the building.
(A) to enter
(B) entering
(C) enter
(D) entered
考えてみてくださいね。
正解は(C)です!
知覚動詞「watched」の後なので、原形不定詞「enter」が正解です。 警備員が来訪者が建物に入る様子を見ていたという意味になります。
問題2:The training program will let participants _____ their own pace.
(A) to set
(B) setting
(C) set
(D) sets
こちらはどうでしょうか?
正解は(C)です!
使役動詞「let」の後は原形不定詞「set」を使います。 研修プログラムが参加者に自分のペースを設定することを許可するという意味です。
似ている表現との区別
原形不定詞と混同しやすい表現も確認しておきましょう。
help + 人 + (to) 動詞
「help」の場合は、toがあってもなくても正解です:
She helped me (to) understand the concept.
want + 人 + to 動詞
「want」の場合は、必ずtoが必要です:
I want you to attend the meeting.
まとめ
原形不定詞のポイントは、8つの特殊な動詞(知覚動詞5個 + 使役動詞3個)の後では、toを付けないということです。
この記事で紹介した動詞を覚えて、3ステップの解法を意識すれば、Part5での正答率が確実に上がります。
次回のTOEICでは、see, hear, make, let, haveを見たら「原形不定詞かも?」と思い出してください。 きっと迷わずに正解を選べるようになりますよ!